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まっすぐ歩いて行くと、銀杏並木が見えてきた。秋になると黄色の絨毯が出来上がるのだろう。俺の出た大学でもそういう光景が見られた。それは理学部のある棟の近くだった。院に進学した同級生達は元気だろうか。そこで、開明高校の同級生でもある森本の事を思いだした。彼はワタベ電機に就職が決まっていたが、本人がどうしても院に進学したい意志が固く、進路変更をした。今、物理学科の修士課程にいる。
昨日、森本からラインが入っていた。来月に理学部の同窓会を開くという連絡だった。もちろん俺は出席するとの返事を返した。悠人もオッケーだった。賑やかになるだろう。会場はなんと、渋谷のクラブだ。俺が行きたかった店だ。そこで、長谷部さんに連絡すると、意外にも出席をオッケーされた。その代わりに、黒崎が同席することになった。保護者同伴での参加になるが、メンバーは快く応じてくれた。
それらのことを思い出しながらキャンパス内を歩いて行くと、次から次へと学生とすれ違った。
「ユーリー。ここは大きな大学だと思わない?」
「僕もそう思う。生徒はどれだけいるんだ?」
「新入生だけで、3100人います。大きな方だと思います」
今村先生が俺達に振り返りながら答えてくれた。そして、足下に何かがあり、ぐらっと身体が揺れた。そして、とっさにユーリーが支えた。
「大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。しまった。また失敗だ。お恥ずかしいところを見せっぱなしです」
「大丈夫ですよ。僕が居る家には、そそっかしさで負けていない人がいますから……」
「そうでしたか!はあはあ。ああーーー、危なかった」
今村先生はホッとした顔をした。転ばずに済んだからだ。そこで、大勢の人がいる場所が見えてきた。ここが講堂なのだろう。そう思って右手を見ると、ホールのような建物が見えた。
「ここが講堂です。上楽先生はどこかな?」
「ジュリアン!」
「わ!」
すると、金髪の頭をした人物がユーリーの胸に飛び込んできた。上楽先生だ。ジュリアンだなんて、また間違えたのだろうか。そう思っていると、わざと呼んだのだと分かった。2人がラインなどで話すようになり、ユーリーのことをわざとそう呼ぶときがあるのだという。これはもう恋人同士だ。そんなことを思っていると、上楽先生が首を横に振った。
「黒崎君。僕とユリウス君はそういう関係じゃないよ。本当にジュリアンに似ているんだ」
「そうでしたか……」
俺としてはその言葉を疑った。上楽先生がユーリーに抱きつくようにしてじゃれついているからだ。大人の男性がこうすることは少ないと思う。だから、やっぱり恋人同士だと思った。
「恋人同士ですよね?」
「違うよ。ユリウス君には好きな人がいる。僕だって忘れられない人がいる。ごめんね。人前なのにこんな態度を取って……」
上楽先生が顔を赤らめた。それは華やかな印象であり、ステージ映えする人に違いないと思った。ジャズバンドで歌っている姿も見てみたい。まだライブは開催しないそうで、観に行けない。
「さあ、入ろうよ。3人で並んで座れる席を確保してあるんだ。教員席だけど、よく見えるし、聞こえるんだよ」
「そうか。ありがとう」
ユーリーが上楽先生に引っ張られて中に入り始めた。そこで俺は、今村先生にお礼を伝えた。おかげでここまで無事にたどり着けたと。すると、先生が打ちひしぐ様子を見せ始めた。もしかして、上楽先生から話しかけられなかったからだろうか。先生はユーリーを見てそれどころではなかった印象だ。ここにも先生のファンがいたのだと知った。
「今村先生。もしかして……」
「僕はこれで失礼します。帰りはカフェで休んでいかれますか?」
「はい。そうすると思います」
「帰りもお迎えに上がります。手島先生にご紹介しますので」
「ありがとうございます。では、行ってきます」
「どうぞごゆっくり」
俺が頭を下げると、上楽先生から腕を引かれた。早く中に入ろうと言いながらだ。はしゃいでいる。初対面の時はこんな感じでは無かったから、意外だった。先生というからには、きっちりとしているイメージだったのに。
「黒崎君。入ろうよ。今村先生!ありがとうございました!」
「は、はい!」
上楽先生が微笑みかけて、今村先生が顔を赤くした。どちらが上の立場かというと、年上で教授の今村先生の方だろう。しかし、反対のように見えた。上楽先生には親衛隊がいると聞いたとおり、色んな人から人気があるのだろう。今村先生もその中の一人なのだと思った。
昨日、森本からラインが入っていた。来月に理学部の同窓会を開くという連絡だった。もちろん俺は出席するとの返事を返した。悠人もオッケーだった。賑やかになるだろう。会場はなんと、渋谷のクラブだ。俺が行きたかった店だ。そこで、長谷部さんに連絡すると、意外にも出席をオッケーされた。その代わりに、黒崎が同席することになった。保護者同伴での参加になるが、メンバーは快く応じてくれた。
それらのことを思い出しながらキャンパス内を歩いて行くと、次から次へと学生とすれ違った。
「ユーリー。ここは大きな大学だと思わない?」
「僕もそう思う。生徒はどれだけいるんだ?」
「新入生だけで、3100人います。大きな方だと思います」
今村先生が俺達に振り返りながら答えてくれた。そして、足下に何かがあり、ぐらっと身体が揺れた。そして、とっさにユーリーが支えた。
「大丈夫ですか?」
「ありがとうございます。しまった。また失敗だ。お恥ずかしいところを見せっぱなしです」
「大丈夫ですよ。僕が居る家には、そそっかしさで負けていない人がいますから……」
「そうでしたか!はあはあ。ああーーー、危なかった」
今村先生はホッとした顔をした。転ばずに済んだからだ。そこで、大勢の人がいる場所が見えてきた。ここが講堂なのだろう。そう思って右手を見ると、ホールのような建物が見えた。
「ここが講堂です。上楽先生はどこかな?」
「ジュリアン!」
「わ!」
すると、金髪の頭をした人物がユーリーの胸に飛び込んできた。上楽先生だ。ジュリアンだなんて、また間違えたのだろうか。そう思っていると、わざと呼んだのだと分かった。2人がラインなどで話すようになり、ユーリーのことをわざとそう呼ぶときがあるのだという。これはもう恋人同士だ。そんなことを思っていると、上楽先生が首を横に振った。
「黒崎君。僕とユリウス君はそういう関係じゃないよ。本当にジュリアンに似ているんだ」
「そうでしたか……」
俺としてはその言葉を疑った。上楽先生がユーリーに抱きつくようにしてじゃれついているからだ。大人の男性がこうすることは少ないと思う。だから、やっぱり恋人同士だと思った。
「恋人同士ですよね?」
「違うよ。ユリウス君には好きな人がいる。僕だって忘れられない人がいる。ごめんね。人前なのにこんな態度を取って……」
上楽先生が顔を赤らめた。それは華やかな印象であり、ステージ映えする人に違いないと思った。ジャズバンドで歌っている姿も見てみたい。まだライブは開催しないそうで、観に行けない。
「さあ、入ろうよ。3人で並んで座れる席を確保してあるんだ。教員席だけど、よく見えるし、聞こえるんだよ」
「そうか。ありがとう」
ユーリーが上楽先生に引っ張られて中に入り始めた。そこで俺は、今村先生にお礼を伝えた。おかげでここまで無事にたどり着けたと。すると、先生が打ちひしぐ様子を見せ始めた。もしかして、上楽先生から話しかけられなかったからだろうか。先生はユーリーを見てそれどころではなかった印象だ。ここにも先生のファンがいたのだと知った。
「今村先生。もしかして……」
「僕はこれで失礼します。帰りはカフェで休んでいかれますか?」
「はい。そうすると思います」
「帰りもお迎えに上がります。手島先生にご紹介しますので」
「ありがとうございます。では、行ってきます」
「どうぞごゆっくり」
俺が頭を下げると、上楽先生から腕を引かれた。早く中に入ろうと言いながらだ。はしゃいでいる。初対面の時はこんな感じでは無かったから、意外だった。先生というからには、きっちりとしているイメージだったのに。
「黒崎君。入ろうよ。今村先生!ありがとうございました!」
「は、はい!」
上楽先生が微笑みかけて、今村先生が顔を赤くした。どちらが上の立場かというと、年上で教授の今村先生の方だろう。しかし、反対のように見えた。上楽先生には親衛隊がいると聞いたとおり、色んな人から人気があるのだろう。今村先生もその中の一人なのだと思った。
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