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ありがとうございました。そう言って、手島先生のいる部屋から出て別れた。たった今、大学のスタッフが来て、先生と話し始めたからだ。先生はこれからいくつか用事をしながら休憩をして、食事に出るそうだ。良かったら一緒にと思ったが、先生の方はスケジュールが詰まっていて、それが叶わなかった。
俺達はこれから学食で食事をする。上楽先生も一緒にだ。そして、今村先生とも一緒にしたいから、誘うつもりでいる。そして、その今村先生が控え室のそばに来てくれていた。俺達の迎えだ。
「今村先生。すみません。お待たせしました」
「いいえ。こちらこそ、急がせたのではありませんか?」
「いえ。手島先生の方もお忙しそうだったので……」
俺がそう言うと、項垂れていたままのユーリーが背筋をシャンと伸した。そこで、演技では無く、本当に項垂れていたのだと分かった。初対面では本音を隠す彼にしては珍しいことだと思った。上楽先生の紹介だから安心したのだろうか。しかし、手島先生の講演を聴くと、いい先生だと感じた。だからきっと、ユーリーもそう思ったのだろう。
今村先生と合流したところで、お昼ご飯を一緒に食べたいと誘ってみた。忙しいだろうか。それとも、もう何か買ってきてあるだろうか。そう思って返事を待っていると、上楽先生がニコッと微笑みかけた。そして、それを見た今村先生が顔を赤らめた。
「はい。良かったら、僕も一緒にご一緒したいです」
「そうですか。俺達、学食に行ってみたいんです」
「はい。ご案内します。どうぞこちらに」
俺達は今村先生の先導で歩き始めた。ここから学食のあるエリアはそう遠くなかったと思う。ここへ歩いてくる間にのぼり旗を見たからだ。カフェ・アドニス。カフェ・アンタレス。学食。そういう旗だった。俺達は何を食べようかと話しながら歩いた。外は初夏を迎えたような気温まで上がり、ほんのり額に汗をかいた。
「今村先生。今日は暑いですね」
「はい。ただいまの気温は29度だそうです。ここに温度計があります」
「なるほど。キツネの温度計ですか。可愛いですね」
俺は今村先生が教えてくれた温度計を眺めた。カフェ・アンタレスの出入り口に掛けてある物だった。これは今村先生が遊びに行った動物園で買ってきた物だそうだ。デジタルではない。なんだか懐かしい感じがある。
「いつ遊びに行ったんですか?」
「今から35年前です。僕はまだ小学生でして、これがいいのだと言って、母親に言って、買って貰いました」
「そんなに大事な物をここに飾って良いんですか?」
「いいんです。僕が置いてくれって頼んだんです。ここのカフェは僕のお気に入りでしてね。僕が考案したパフェがあるんです。チョコレートタワースペシャルといいます」
「わあ。美味しそうな名前ですね。あ、いけない……」
美味しそうと声を上げて、慌てて口を閉じた。そういう声を上げたくせに、俺はチョコレートが苦手だからだ。甘い物が好きなくせに、これだけが苦手だ。周りにはどうして?と言って首を傾げられる。俺も分からない。あの口溶けの感触が嫌だと言ったら食べ物からのバチが当たりそうだ。
「どうされたんですか?」
「いえ。なんでもありません。あ、ユーリー」
「今村先生。彼はチョコレートが苦手なんです」
すると、ユーリーが代わりに事情を話してくれた。そこで、今村先生は驚いた顔になった。チョコレートが苦手だなんて珍しいという感じだった。それは上楽先生も同じだった。甘い物が好きなのにそれが苦手なのは意外だったそうだ。
「夏樹君。珍しいよ。スイーツ男子なのに」
「はい。小さい頃からそうなんです。チョコレートの中にある苦みだとかとろける感じがダメなんです」
「うわーーー、それって損しているよ。ここのパフェってね、ここのアンタレスで人気があるんだ。そっかーー、それはいけないね。さあ、学食に行こうよ」
「はい」
「こちらです」
俺達はアンタレスの前を通り、学食の入り口へと向かった。この辺りはお店が並んでいるから、学生達の姿が多い。今村先生がいうには、経済学部の生徒達が多いそうだ。理学部とはまた違った雰囲気らしい。そして、学食の入り口に立った。そこで、俺が出た大学に似ている雰囲気でホッとした。懐かしかったからだ。入り口のそばには看板があり、今日のおすすめが書かれていた。さあ、何を食べようか。そう思いながら、みんなと一緒に店に入っていった。
俺達はこれから学食で食事をする。上楽先生も一緒にだ。そして、今村先生とも一緒にしたいから、誘うつもりでいる。そして、その今村先生が控え室のそばに来てくれていた。俺達の迎えだ。
「今村先生。すみません。お待たせしました」
「いいえ。こちらこそ、急がせたのではありませんか?」
「いえ。手島先生の方もお忙しそうだったので……」
俺がそう言うと、項垂れていたままのユーリーが背筋をシャンと伸した。そこで、演技では無く、本当に項垂れていたのだと分かった。初対面では本音を隠す彼にしては珍しいことだと思った。上楽先生の紹介だから安心したのだろうか。しかし、手島先生の講演を聴くと、いい先生だと感じた。だからきっと、ユーリーもそう思ったのだろう。
今村先生と合流したところで、お昼ご飯を一緒に食べたいと誘ってみた。忙しいだろうか。それとも、もう何か買ってきてあるだろうか。そう思って返事を待っていると、上楽先生がニコッと微笑みかけた。そして、それを見た今村先生が顔を赤らめた。
「はい。良かったら、僕も一緒にご一緒したいです」
「そうですか。俺達、学食に行ってみたいんです」
「はい。ご案内します。どうぞこちらに」
俺達は今村先生の先導で歩き始めた。ここから学食のあるエリアはそう遠くなかったと思う。ここへ歩いてくる間にのぼり旗を見たからだ。カフェ・アドニス。カフェ・アンタレス。学食。そういう旗だった。俺達は何を食べようかと話しながら歩いた。外は初夏を迎えたような気温まで上がり、ほんのり額に汗をかいた。
「今村先生。今日は暑いですね」
「はい。ただいまの気温は29度だそうです。ここに温度計があります」
「なるほど。キツネの温度計ですか。可愛いですね」
俺は今村先生が教えてくれた温度計を眺めた。カフェ・アンタレスの出入り口に掛けてある物だった。これは今村先生が遊びに行った動物園で買ってきた物だそうだ。デジタルではない。なんだか懐かしい感じがある。
「いつ遊びに行ったんですか?」
「今から35年前です。僕はまだ小学生でして、これがいいのだと言って、母親に言って、買って貰いました」
「そんなに大事な物をここに飾って良いんですか?」
「いいんです。僕が置いてくれって頼んだんです。ここのカフェは僕のお気に入りでしてね。僕が考案したパフェがあるんです。チョコレートタワースペシャルといいます」
「わあ。美味しそうな名前ですね。あ、いけない……」
美味しそうと声を上げて、慌てて口を閉じた。そういう声を上げたくせに、俺はチョコレートが苦手だからだ。甘い物が好きなくせに、これだけが苦手だ。周りにはどうして?と言って首を傾げられる。俺も分からない。あの口溶けの感触が嫌だと言ったら食べ物からのバチが当たりそうだ。
「どうされたんですか?」
「いえ。なんでもありません。あ、ユーリー」
「今村先生。彼はチョコレートが苦手なんです」
すると、ユーリーが代わりに事情を話してくれた。そこで、今村先生は驚いた顔になった。チョコレートが苦手だなんて珍しいという感じだった。それは上楽先生も同じだった。甘い物が好きなのにそれが苦手なのは意外だったそうだ。
「夏樹君。珍しいよ。スイーツ男子なのに」
「はい。小さい頃からそうなんです。チョコレートの中にある苦みだとかとろける感じがダメなんです」
「うわーーー、それって損しているよ。ここのパフェってね、ここのアンタレスで人気があるんだ。そっかーー、それはいけないね。さあ、学食に行こうよ」
「はい」
「こちらです」
俺達はアンタレスの前を通り、学食の入り口へと向かった。この辺りはお店が並んでいるから、学生達の姿が多い。今村先生がいうには、経済学部の生徒達が多いそうだ。理学部とはまた違った雰囲気らしい。そして、学食の入り口に立った。そこで、俺が出た大学に似ている雰囲気でホッとした。懐かしかったからだ。入り口のそばには看板があり、今日のおすすめが書かれていた。さあ、何を食べようか。そう思いながら、みんなと一緒に店に入っていった。
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