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20-1 ナレーションの収録現場
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6月15日、水曜日。午前6時半。
今日は心霊番組のナレーションの収録の日だ。今朝はお義父さんの家で朝ご飯を食べる。黒崎が一泊二日の出張で家を留守にしていたから、こっちの家に泊まったからだ。黒崎は昨日の夜遅くに帰ってきて、家で寝ていた。そして、今朝になり、こっちの家に来たわけだ。俺としてはどんなに遅くなってもラインが欲しかった。それなのに、昨日は20時を最後に連絡が途絶えた。帰ってくるのは23時頃と聞いてあったから起きていたのに、つい眠くなって、そのまま寝てしまった。
昨日の黒崎はいつもより忙しかった。大阪出張の帰りは新幹線で帰ってきて、そのまま会食に出たからだ。それは何度も会ったことのある人だから、くつろいだ会になったそうだ。メンバーはR&W社の岩崎社長とワタベ電機の渡部社長だ。黒崎製菓からは深川社長と黒崎が出席した。
今日の黒崎は仕事が休みだ。さすがに疲れているらしく、一日休みを取った。だから、昨日は会食に出たのだと思う。どうして疲れているかというと、一貴さんに関係する会食が多くて、その誘いの全てに出たからだ。とはいっても、ラ・ルーという、大手通販サイト運営の坂藤蘭童さんの誘いには乗らなかった。丁重に断ったと聞いている。伊吹のことでは解決していない問題があり、俺達は敵対関係だ。伊吹が悪口を言われたということで、俺達も坂藤さんとは付き合わないことにしている。
というか、そうできない。しかし、それなのに黒崎に会食の誘いがあったから首をひねっている。坂藤さんの親しい人の中には棚橋さんという、一貴さんのお父さんかもしれなかった人が混ざっている。その人と繋がるかも知れず、一貴さんが嫌がっている。そういうわけで、黒崎は会わないことにしている。
今朝は大広間での朝ご飯だ。俺は一足早く起きて、ユーリーと一緒に畑の水やりに行ってきた。お義父さんはアンの散歩だ。その間、アンドリューは俺達と一緒にいた。そして、今、2匹は朝ご飯を食べている。アンドリューには柔らかいフードと粉ミルクを混ぜた物だ。アンには普通のフードだ。ダイエットに成功したから前の物に戻した。本人が気に入っている物だ。だからなのか、一気に食べ終わった。
「アン。もう食べたのかよ?そのフード、気に入っているね」
「そのフードに戻してから食欲が違う」
「ふん。あんたとは口を聞かないよ」
「夏樹。許してくれ。お前のことを起こしたくなかった」
「ふん。20時以降は何があったんだよ~」
黒崎が俺のそばに来た。そして、俺の髪の毛に触れた。すっかり色が薄くなり、茶色から金髪のような色になっている。まるでカラーリングしたような髪色だ。これはマデリンに似たのだと思う。それとも、曾お祖父さんだろうか。黒髪の両親をすっ飛ばしてのこの色だから、遺伝というのは面白いと思った。
「夏樹。何もなかった。深川さんと話をしていただけだ。今日の収録は楽しみだな。聡太郎君が来てくれる。お前とのツインナレーションだ」
黒崎が俺の機嫌を取ろうとしてきた。今まで聡太郎のことを会社にいるときのように“桜木”と呼んでいたのに、昨日から“聡太郎君”と呼び始めた。今までは会社の上司と部下の関係だったが、今は違うからだという。あくまでも俺の幼なじみであり、バンドメンバーだ。たしか、昔は聡太郎君と呼んでいたと思う。その頃の呼び方に戻したということだ。それには俺は嬉しいと思った。なんだか可愛いと思ったからだ。
今日の収録は聡太郎も一緒だ。なんと、彼もナレーションに参加する。声の良さから話が出て、テスト収録したところ、プロデューサーにウケた。優しい声の心霊番組のナレーションなんてインパクトがあっていいということだった。そこで、俺は優しい声なのでは無いと分かった。どういう声なのだろうか。
今日は心霊番組のナレーションの収録の日だ。今朝はお義父さんの家で朝ご飯を食べる。黒崎が一泊二日の出張で家を留守にしていたから、こっちの家に泊まったからだ。黒崎は昨日の夜遅くに帰ってきて、家で寝ていた。そして、今朝になり、こっちの家に来たわけだ。俺としてはどんなに遅くなってもラインが欲しかった。それなのに、昨日は20時を最後に連絡が途絶えた。帰ってくるのは23時頃と聞いてあったから起きていたのに、つい眠くなって、そのまま寝てしまった。
昨日の黒崎はいつもより忙しかった。大阪出張の帰りは新幹線で帰ってきて、そのまま会食に出たからだ。それは何度も会ったことのある人だから、くつろいだ会になったそうだ。メンバーはR&W社の岩崎社長とワタベ電機の渡部社長だ。黒崎製菓からは深川社長と黒崎が出席した。
今日の黒崎は仕事が休みだ。さすがに疲れているらしく、一日休みを取った。だから、昨日は会食に出たのだと思う。どうして疲れているかというと、一貴さんに関係する会食が多くて、その誘いの全てに出たからだ。とはいっても、ラ・ルーという、大手通販サイト運営の坂藤蘭童さんの誘いには乗らなかった。丁重に断ったと聞いている。伊吹のことでは解決していない問題があり、俺達は敵対関係だ。伊吹が悪口を言われたということで、俺達も坂藤さんとは付き合わないことにしている。
というか、そうできない。しかし、それなのに黒崎に会食の誘いがあったから首をひねっている。坂藤さんの親しい人の中には棚橋さんという、一貴さんのお父さんかもしれなかった人が混ざっている。その人と繋がるかも知れず、一貴さんが嫌がっている。そういうわけで、黒崎は会わないことにしている。
今朝は大広間での朝ご飯だ。俺は一足早く起きて、ユーリーと一緒に畑の水やりに行ってきた。お義父さんはアンの散歩だ。その間、アンドリューは俺達と一緒にいた。そして、今、2匹は朝ご飯を食べている。アンドリューには柔らかいフードと粉ミルクを混ぜた物だ。アンには普通のフードだ。ダイエットに成功したから前の物に戻した。本人が気に入っている物だ。だからなのか、一気に食べ終わった。
「アン。もう食べたのかよ?そのフード、気に入っているね」
「そのフードに戻してから食欲が違う」
「ふん。あんたとは口を聞かないよ」
「夏樹。許してくれ。お前のことを起こしたくなかった」
「ふん。20時以降は何があったんだよ~」
黒崎が俺のそばに来た。そして、俺の髪の毛に触れた。すっかり色が薄くなり、茶色から金髪のような色になっている。まるでカラーリングしたような髪色だ。これはマデリンに似たのだと思う。それとも、曾お祖父さんだろうか。黒髪の両親をすっ飛ばしてのこの色だから、遺伝というのは面白いと思った。
「夏樹。何もなかった。深川さんと話をしていただけだ。今日の収録は楽しみだな。聡太郎君が来てくれる。お前とのツインナレーションだ」
黒崎が俺の機嫌を取ろうとしてきた。今まで聡太郎のことを会社にいるときのように“桜木”と呼んでいたのに、昨日から“聡太郎君”と呼び始めた。今までは会社の上司と部下の関係だったが、今は違うからだという。あくまでも俺の幼なじみであり、バンドメンバーだ。たしか、昔は聡太郎君と呼んでいたと思う。その頃の呼び方に戻したということだ。それには俺は嬉しいと思った。なんだか可愛いと思ったからだ。
今日の収録は聡太郎も一緒だ。なんと、彼もナレーションに参加する。声の良さから話が出て、テスト収録したところ、プロデューサーにウケた。優しい声の心霊番組のナレーションなんてインパクトがあっていいということだった。そこで、俺は優しい声なのでは無いと分かった。どういう声なのだろうか。
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