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今日は定時で黒崎が帰ってくるが、夕食のしたくはしなくていい。お義父さんの家で食べることになっている。俺が出かける時は作らなくて良いことになった。その度にお義父さんの家でお世話になる。最初はこう決まった後で申し訳ない気になったが、一貴さんがご飯をこぼすわ飲み物をひっくり返すわしているのを見て、俺が居た方が良いと思って、気分が紛れた。新しいデザインを思いついた時はこうなってしまうことを知っているから、心配はしていない。
「夏樹。僕はこっちで車を運転することにした」
「へえーー。とうとう決めたんだね!日本の運転免許証に切り替えるの?」
「今持っているやつでも出来るんだけど、長く滞在しそうだから、そうする。車を買わないといけない」
「お義父さんの車に乗ったら良いよ。お義父さんがそう言っていたじゃん」
「僕もそうしたいけど、自分の車が欲しい。気持ちを分かってくれるか?」
「ううん。俺、車に興味が無いんだ」
はっきり言ってしまった。20歳の誕生日の時にお義父さんから車をプレゼントされかけたが、運転するつもりも興味も無かったから断った。お義父さんががっかりしていた。男なのに興味が無いというのは悲しかっただろう。俺もそう思う。そして、ユーリーもそう思っているようで、車のことで話がしたくなったと言い出した。
「ドイツ人って、車が好きだよねえ。大学で得た知識だけどさ。あと、ノア経由だけど」
「運転するとなると、車を愛する気持ちが再燃した。圭一はまだ帰らないのか」
「まだだよ。え?ビールを飲みながら語り合いたいって?だめだよ~。禁酒しているんだろ~。お義父さんが家にいるから、お茶とお団子を食べながら話すと良いよ。はいはい。家の中に入ろうよ」
「いいや。圭一とビールがいい。隆さんに話すと、僕の失敗話を思い出されてしまう。母さんが何でも話すから、筒抜けだ」
「ふうん。へえーー?20歳の時の思い出か~。どんなんだよ?」
「好きな子が2人いて、片方の子の車に乗っていたときの話だ。エロい話じゃ無いぞ。もう一人のこのことも好きだとバレて怒られて、山の中に置き去りにされそうになった思い出がある。僕は青い顔色で帰ってきたから母さんに事情を聞かれて話して、隆さんにも聞かれた」
「ありがちな話じゃん。大学にもいたよ。ノアも知っている子なんだけど、絵理奈ちゃんって聞いたことない?」
「ある。君の友達だ」
「そう。その絵理奈ちゃんの友達の話なんだけど、付き合ったばかりの男性から二股を掛けられていて、それが車の中で判明して、その子が怒ったら、彼氏に逆ギレされて、ドライブ中の山の中に置き去りにされかけたんだよ。でも、街に来たときに車から降ろされて、そこから一人で帰ってきたんだって」
「女の子をか?」
「そう。女の子だよ。男の子のケースも似たような話があるんだよ。その子の相手は男の人で、やっぱり同じように二股を掛けられていてさ。怒ったら、途中で車を下ろされて、一人で帰ってきたんだって。二股の相手はその子の友達だったんだ。そこで、マッチングアプリを使っているのを知っていたから、偽名を使ってガソリンスタンドに呼び出して、相手の男が逃げそうになった時に車に靴を投げつけてやって、スッキリしたんだって」
「ああ、二股か……」
「耳に痛いのかよ?」
ユーリーが項垂れた。あんなことをしなければ、今頃南波さんと付き合っていたかもと思っているのだろう。その二股疑惑の相手の多々良さんはIKUの社員だから、俺はいつか会いそうだと思う。実際に遠藤さんの家に訪ねてきていた。その彼とユーリーは友達といった感じでラインをやり取りしているそうだが、最近は連絡が来なくなったそうだ。
「ユーリー。二股はいけないよ」
「分かっている。今日のタロット占いで僕の心の中が出てしまったようだ。思い出して動揺したよ」
「ああーーー、南波さんと月島さんのことだね。どっちを先に車に乗せるんだよ?」
「君にする」
ユーリーが俺の方を見た。そして、圭一には許可をもらえるはずだから構わないだろうと言った。たしかに、ユーリーは俺のお守りをしてくれている。今もこうしてそばにいて、守ってくれている。
「ユーリー。いいよ。車の話はお義父さんにしてあげてよ。小説は家の中で読ませて貰うよ。アン!アンドリュー!おいで!」
俺達は家の中に入ることにした。俺がアンを呼ぶと、チラッと俺の方を見た。しかし、こっちに来ない。まだ家の中に入りたくないのだろう。そこでアンドリューのことを抱き上げると、仕方が無いなあという感じで足下に来た。そして、アンのことはユーリーが先導し、家の中に連れて行った。
「アンドリュー。さあ、家の中に入ろうね。まだパパは帰ってこないんだけど、そんなに長い時間じゃ無いからさ。帰ってきたら、櫛で毛並みを整えてもらおうね」
「ニャアーーーー」
俺の腕の中でアンドリューが鳴いた。まだ小さいから重さが無くて、抱いている感覚が無いほどだ。ユリウスもそうだ。今日は一貴さんの部屋の中のゲージでぐっすりと眠っている。
もうそろそろ起きたかなと思いながら家の中に入ると、山崎さんの焼いたパンの匂いがした。今日はビーフシチューとロールパンが晩ご飯だ。すると、お腹がぐーーっと鳴り、よく食べるようになった自分に感心して、リビングに向かった。そこにはお義父さんがいて、俺達に手を振ってくれていたのだった。
「夏樹。僕はこっちで車を運転することにした」
「へえーー。とうとう決めたんだね!日本の運転免許証に切り替えるの?」
「今持っているやつでも出来るんだけど、長く滞在しそうだから、そうする。車を買わないといけない」
「お義父さんの車に乗ったら良いよ。お義父さんがそう言っていたじゃん」
「僕もそうしたいけど、自分の車が欲しい。気持ちを分かってくれるか?」
「ううん。俺、車に興味が無いんだ」
はっきり言ってしまった。20歳の誕生日の時にお義父さんから車をプレゼントされかけたが、運転するつもりも興味も無かったから断った。お義父さんががっかりしていた。男なのに興味が無いというのは悲しかっただろう。俺もそう思う。そして、ユーリーもそう思っているようで、車のことで話がしたくなったと言い出した。
「ドイツ人って、車が好きだよねえ。大学で得た知識だけどさ。あと、ノア経由だけど」
「運転するとなると、車を愛する気持ちが再燃した。圭一はまだ帰らないのか」
「まだだよ。え?ビールを飲みながら語り合いたいって?だめだよ~。禁酒しているんだろ~。お義父さんが家にいるから、お茶とお団子を食べながら話すと良いよ。はいはい。家の中に入ろうよ」
「いいや。圭一とビールがいい。隆さんに話すと、僕の失敗話を思い出されてしまう。母さんが何でも話すから、筒抜けだ」
「ふうん。へえーー?20歳の時の思い出か~。どんなんだよ?」
「好きな子が2人いて、片方の子の車に乗っていたときの話だ。エロい話じゃ無いぞ。もう一人のこのことも好きだとバレて怒られて、山の中に置き去りにされそうになった思い出がある。僕は青い顔色で帰ってきたから母さんに事情を聞かれて話して、隆さんにも聞かれた」
「ありがちな話じゃん。大学にもいたよ。ノアも知っている子なんだけど、絵理奈ちゃんって聞いたことない?」
「ある。君の友達だ」
「そう。その絵理奈ちゃんの友達の話なんだけど、付き合ったばかりの男性から二股を掛けられていて、それが車の中で判明して、その子が怒ったら、彼氏に逆ギレされて、ドライブ中の山の中に置き去りにされかけたんだよ。でも、街に来たときに車から降ろされて、そこから一人で帰ってきたんだって」
「女の子をか?」
「そう。女の子だよ。男の子のケースも似たような話があるんだよ。その子の相手は男の人で、やっぱり同じように二股を掛けられていてさ。怒ったら、途中で車を下ろされて、一人で帰ってきたんだって。二股の相手はその子の友達だったんだ。そこで、マッチングアプリを使っているのを知っていたから、偽名を使ってガソリンスタンドに呼び出して、相手の男が逃げそうになった時に車に靴を投げつけてやって、スッキリしたんだって」
「ああ、二股か……」
「耳に痛いのかよ?」
ユーリーが項垂れた。あんなことをしなければ、今頃南波さんと付き合っていたかもと思っているのだろう。その二股疑惑の相手の多々良さんはIKUの社員だから、俺はいつか会いそうだと思う。実際に遠藤さんの家に訪ねてきていた。その彼とユーリーは友達といった感じでラインをやり取りしているそうだが、最近は連絡が来なくなったそうだ。
「ユーリー。二股はいけないよ」
「分かっている。今日のタロット占いで僕の心の中が出てしまったようだ。思い出して動揺したよ」
「ああーーー、南波さんと月島さんのことだね。どっちを先に車に乗せるんだよ?」
「君にする」
ユーリーが俺の方を見た。そして、圭一には許可をもらえるはずだから構わないだろうと言った。たしかに、ユーリーは俺のお守りをしてくれている。今もこうしてそばにいて、守ってくれている。
「ユーリー。いいよ。車の話はお義父さんにしてあげてよ。小説は家の中で読ませて貰うよ。アン!アンドリュー!おいで!」
俺達は家の中に入ることにした。俺がアンを呼ぶと、チラッと俺の方を見た。しかし、こっちに来ない。まだ家の中に入りたくないのだろう。そこでアンドリューのことを抱き上げると、仕方が無いなあという感じで足下に来た。そして、アンのことはユーリーが先導し、家の中に連れて行った。
「アンドリュー。さあ、家の中に入ろうね。まだパパは帰ってこないんだけど、そんなに長い時間じゃ無いからさ。帰ってきたら、櫛で毛並みを整えてもらおうね」
「ニャアーーーー」
俺の腕の中でアンドリューが鳴いた。まだ小さいから重さが無くて、抱いている感覚が無いほどだ。ユリウスもそうだ。今日は一貴さんの部屋の中のゲージでぐっすりと眠っている。
もうそろそろ起きたかなと思いながら家の中に入ると、山崎さんの焼いたパンの匂いがした。今日はビーフシチューとロールパンが晩ご飯だ。すると、お腹がぐーーっと鳴り、よく食べるようになった自分に感心して、リビングに向かった。そこにはお義父さんがいて、俺達に手を振ってくれていたのだった。
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