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翌日。午前9時。
朝を迎えた。今日は庭で水をまく日だ。午前中のなるべく早い時間に設定された。スプリンクラーの機械が数台設置されて、業者さんとアルバイトの大学生達が庭に集まった。これから分散して水まきがされる。その大学生達は聖アルテマ学園大学の生徒達だった。今日は休みを取った一貴さんが眩しそうな目で彼らのことを見つめ始めた。
「かっこいい子ばかりだ」
「変態だねえ。朝陽のこともそういう目で見ていたのかよ?」
「そんなことはない。彼は社員だから、変な目では見られない」
「切り替えていたんだね。朝陽はカズ兄さんのことが好きだから、ずっとそのままでいてくれると良いね」
その朝陽は今日の夜に晩御飯を食べに来る。エミリアさんに会うためだ。六槍さんも一緒がいいと思って気を利かせようと思ったところ、朝陽の口から、彼も一緒でいいかと聞かれた。付き合っているわけではないというが、いい感じに進んでいると思って感慨深い。
さて、今日は早瀬さんのことも誘ってある。それは晩御飯の時間ではなく、この水まきの間の時間だ。賑やかにしている時の方がいいと思って、黒崎がそうした。しかし、エミリアさんには会いたくないと言われている。俺たちも無理にはとは言わない。会いずらい気持ちを考えると、そうだと思うからだ。
エミリアさんはどうして早瀬さんに会いたいかというと、ずっと気になっていたからだ。本来ならバーテルス家で育てるはずが、早瀬さんのお母さんが彼のことを離さなかった。そこで、エミリアさんとしては、たった一人で育てさせたことになり、本当にそれで良かったのかと疑問があるそうだ。それから、自分が離婚に同意しなかったことで早瀬さんのお母さんがフェリックスさんと結婚できず、未婚で産むことになったことで、自分の選択のことで悶々とする思いがあるそうだ。
フェリックスさんのことではエミリアさんは何も悪くないと思う。浮気をしたのはフェリックスさんの方だ。しかし、エミリアさんとしては長らく彼のことを一人にしたことで起きたことだと責任まで感じている。エミリアさんはそういう人だ。
早瀬さんに会って何を話すのか。お義父さんがストレートにそう聞いた。そこでエミリアさんは、大人になった早瀬さんを見て納得したいのだと言った。だから挨拶だけできたらいいということだった。もしかしたら自分の息子としてそばにいたかも知れない早瀬さんが養子に取られて育てられ、ちゃんと大きくなったことを見て安心したいのだということだった。
それを聞いたお義父さんは、自分がフェリックスさんと離婚しなかった罪悪感なら持たない方がいいと言った。妻は君であり、堂々としていればいいと言った。早瀬さんは自分の存在に罪悪感があり、それは消えないから、君が会うことでそれが増すかも知れないと言った。それでも会いたいというのかということだ。
バーテルス家の意思としては、早瀬さんにメンバーに加わってもらいたいということだった。フェリックスの息子であることには間違いなく、法事にだって出てもらいたいということだ。しかし、早瀬さんにとってはたまったものではない。散々、自分は生まれてこなければ良かったなんて思っていた10代の頃と、今も襲ってくる虚無感を忘れられなくなってしまう。
お義父さんがエミリアさんにこんな事を聞いた。憎い女の子供を一目見たいという気分か?と。それには俺たちは驚き、言い過ぎだと反論した。しかし、エミリアさんはしっかりとした表情で違いますと答えた。これはバーテルス家の意思でもあるが、自分が会いたいから会うのだと言った。そこで、お義父さんは同意できないが、早瀬さんの意志に任せると言って、今日のことが実現した。いや、早瀬さんは来ないかも知れない。
そこで、一貴さんが自分に何か出来ないかと立ち上がった。早瀬さんの友人の一人として、エミリアさんとの間を取り持つことがしたいのだという。黒崎家の場合も奥さんがいながら恋人が子供を産んだというケースは多い。一貴さんがその子供の立場だ。奥さんだった瑛子さんは咎めること無く受け入れて、自分の子供同様に接していたそうだ。一貴さんの中での瑛子さんは優しい叔母さんであり、蓮子さんよりもずっと親しく感じていたそうだ。
朝を迎えた。今日は庭で水をまく日だ。午前中のなるべく早い時間に設定された。スプリンクラーの機械が数台設置されて、業者さんとアルバイトの大学生達が庭に集まった。これから分散して水まきがされる。その大学生達は聖アルテマ学園大学の生徒達だった。今日は休みを取った一貴さんが眩しそうな目で彼らのことを見つめ始めた。
「かっこいい子ばかりだ」
「変態だねえ。朝陽のこともそういう目で見ていたのかよ?」
「そんなことはない。彼は社員だから、変な目では見られない」
「切り替えていたんだね。朝陽はカズ兄さんのことが好きだから、ずっとそのままでいてくれると良いね」
その朝陽は今日の夜に晩御飯を食べに来る。エミリアさんに会うためだ。六槍さんも一緒がいいと思って気を利かせようと思ったところ、朝陽の口から、彼も一緒でいいかと聞かれた。付き合っているわけではないというが、いい感じに進んでいると思って感慨深い。
さて、今日は早瀬さんのことも誘ってある。それは晩御飯の時間ではなく、この水まきの間の時間だ。賑やかにしている時の方がいいと思って、黒崎がそうした。しかし、エミリアさんには会いたくないと言われている。俺たちも無理にはとは言わない。会いずらい気持ちを考えると、そうだと思うからだ。
エミリアさんはどうして早瀬さんに会いたいかというと、ずっと気になっていたからだ。本来ならバーテルス家で育てるはずが、早瀬さんのお母さんが彼のことを離さなかった。そこで、エミリアさんとしては、たった一人で育てさせたことになり、本当にそれで良かったのかと疑問があるそうだ。それから、自分が離婚に同意しなかったことで早瀬さんのお母さんがフェリックスさんと結婚できず、未婚で産むことになったことで、自分の選択のことで悶々とする思いがあるそうだ。
フェリックスさんのことではエミリアさんは何も悪くないと思う。浮気をしたのはフェリックスさんの方だ。しかし、エミリアさんとしては長らく彼のことを一人にしたことで起きたことだと責任まで感じている。エミリアさんはそういう人だ。
早瀬さんに会って何を話すのか。お義父さんがストレートにそう聞いた。そこでエミリアさんは、大人になった早瀬さんを見て納得したいのだと言った。だから挨拶だけできたらいいということだった。もしかしたら自分の息子としてそばにいたかも知れない早瀬さんが養子に取られて育てられ、ちゃんと大きくなったことを見て安心したいのだということだった。
それを聞いたお義父さんは、自分がフェリックスさんと離婚しなかった罪悪感なら持たない方がいいと言った。妻は君であり、堂々としていればいいと言った。早瀬さんは自分の存在に罪悪感があり、それは消えないから、君が会うことでそれが増すかも知れないと言った。それでも会いたいというのかということだ。
バーテルス家の意思としては、早瀬さんにメンバーに加わってもらいたいということだった。フェリックスの息子であることには間違いなく、法事にだって出てもらいたいということだ。しかし、早瀬さんにとってはたまったものではない。散々、自分は生まれてこなければ良かったなんて思っていた10代の頃と、今も襲ってくる虚無感を忘れられなくなってしまう。
お義父さんがエミリアさんにこんな事を聞いた。憎い女の子供を一目見たいという気分か?と。それには俺たちは驚き、言い過ぎだと反論した。しかし、エミリアさんはしっかりとした表情で違いますと答えた。これはバーテルス家の意思でもあるが、自分が会いたいから会うのだと言った。そこで、お義父さんは同意できないが、早瀬さんの意志に任せると言って、今日のことが実現した。いや、早瀬さんは来ないかも知れない。
そこで、一貴さんが自分に何か出来ないかと立ち上がった。早瀬さんの友人の一人として、エミリアさんとの間を取り持つことがしたいのだという。黒崎家の場合も奥さんがいながら恋人が子供を産んだというケースは多い。一貴さんがその子供の立場だ。奥さんだった瑛子さんは咎めること無く受け入れて、自分の子供同様に接していたそうだ。一貴さんの中での瑛子さんは優しい叔母さんであり、蓮子さんよりもずっと親しく感じていたそうだ。
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