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18時。
お義父さんがアンの散歩に出て、20分が経った。この時間はまだ日差しが強いが、今夜は大広間で大勢で晩ご飯を食べるから、早めに夜の散歩に出かけていった。アンは散髪をして身体が軽くなったのか、外に行く足取りが軽かった。それを今、黒崎と話しているところだ。
「黒崎さん。アンは短くして良かったんだよ。あんたは毛が長いのが好きだけどさ~」
「身体を守るための毛だ。長いのには理由があるはずだ」
「そんなことを言っても、本人からすると暑くてたまらなかったはずだよ」
今回のアンのトリミングの毛の長さは俺が決めた。北山さんがおすすめする長さだ。バリカンで毛を刈って、とても短くしてしまうというものだ。耳の毛も短い。尻尾も整えてあり、わりとふさふさだ。これにすると、どの犬も気持ちよさそうにするというから、以前からやってみたかった。しかし、黒崎がうんと言わなかった。アンには毛を長くしたスタイルがいいと言って、意見を聞いてくれなかった。
しかし、今年の暑さを迎えて、とうとう黒崎が折れた。そして、アンの新しい髪型を見て驚いていた。人相が変わったようになっていたからだ。毛を短くするとガリガリの身体かと思えばそうではなくて、けっこう肉が付いている。ダイエットに成功したとはいえ、ぽっちゃり体型だと思った。
「黒崎さん。いい髪型じゃん。あんた、俺にも髪の毛を長くさせようとするよね」
「お前もアンも、長い髪の毛が似合うからだ」
「俺、肩まで伸してリタイアしたじゃん。そこそこ短い方が良いんだ」
俺の今の髪の毛は結構長い。顎の辺りまで髪の毛が伸びている。ステージでヘアセットして出て行くから、イメージを多く作れるように長くしてある。そして、その髪の毛を後ろでまとめたヘアスタイルにしてある。黒崎は俺にはもっと長い髪の毛でいてもらいたいなんて言っている。
俺達が言い合いをしていると、お義父さんが帰ってきた。もちろん、アンも帰ってきた。人相が変わっているから、一見、いつものアンに見えない。黒崎はもう見慣れたと言っている。
「アン、お義父さん、おかえり。遠藤さんの家に行って来た?」
「行ってきたよ。トリミングの結果を見せてきた」
「佳代子さん、なんて言ってた?」
「一瞬、誰か分からなかったと言っていた。それにしても、面白い人が居たよ」
「へえーー、どんな人?」
「それがね……」
お義父さんが遠藤さんの家にアンのことを見せに行った帰りのことだそうだ。見知らぬ40代ぐらいの男性が近づいてきて、お義父さんにこう聞いてきたそうだ。犬を変えましたか?と。その人は驚いた顔をしていたそうだが、お義父さんだってそんなことを聞いて驚いたそうだ。
「犬、変えましたか?って?うひゃひゃひゃ。なかなか思いつかない質問だねえ」
「向こうは私達のことを知っているんだろう。私は覚えていなかったが……」
「お義父さん、なんて答えたの?」
「変えていませんと答えた。この子は散髪して人相が変わりましたと説明したら、納得していた」
「うひゃひゃひゃ」
きっと、日頃からお義父さんとアンのことを見かけていた人なのだろう。それだけアンの見た目が変わったということだ。それにしても、俺は嬉しくなった。そうやって、お義父さんが誰かから話しかけられるようになったからだ。
お義父さんの眉間には深い皺がある。威圧感は黒崎のようにあるタイプで、とてもじゃないか、初対面から打ち解けられる人はいないと思う。それなのに、今日は話しかけてもらえて良かったと思った。
「お義父さん、よかったね。話しかけてもらえて」
「そうかい?私は遠巻きにされることに慣れている。とっさに答えが出てこなかった」
「まあ、いいじゃん。近所の人とももっと話そうよ。今日は賑やかだから良かったね」
「そうだね……」
お義父さんはまだ近所の人と気軽に話している感じがなくて、お互いに緊張感が漂っている。しかし、アンのおかげで会話の糸口があり、会えば何か話すようになったそうだ。黒崎だってそういう面があったが、今では気軽に話をしている。
今夜は遠藤さん達を招いての夕食会になる。朝陽と六槍さんも来る。お義父さんが話しかけられたことを話題に出せば、食いついてくれると思う。エミリアさんも話題が出来て良いだろう。
そのエミリアさんは今、アレクシスさんと一緒にリビングにやって来た。結構長い時間、黒崎達と話をしており、それは懐かしい話もあり、心ゆくまで話せてスッキリしたと言ってもらえて、本当に良かったと思った。
お義父さんがアンの散歩に出て、20分が経った。この時間はまだ日差しが強いが、今夜は大広間で大勢で晩ご飯を食べるから、早めに夜の散歩に出かけていった。アンは散髪をして身体が軽くなったのか、外に行く足取りが軽かった。それを今、黒崎と話しているところだ。
「黒崎さん。アンは短くして良かったんだよ。あんたは毛が長いのが好きだけどさ~」
「身体を守るための毛だ。長いのには理由があるはずだ」
「そんなことを言っても、本人からすると暑くてたまらなかったはずだよ」
今回のアンのトリミングの毛の長さは俺が決めた。北山さんがおすすめする長さだ。バリカンで毛を刈って、とても短くしてしまうというものだ。耳の毛も短い。尻尾も整えてあり、わりとふさふさだ。これにすると、どの犬も気持ちよさそうにするというから、以前からやってみたかった。しかし、黒崎がうんと言わなかった。アンには毛を長くしたスタイルがいいと言って、意見を聞いてくれなかった。
しかし、今年の暑さを迎えて、とうとう黒崎が折れた。そして、アンの新しい髪型を見て驚いていた。人相が変わったようになっていたからだ。毛を短くするとガリガリの身体かと思えばそうではなくて、けっこう肉が付いている。ダイエットに成功したとはいえ、ぽっちゃり体型だと思った。
「黒崎さん。いい髪型じゃん。あんた、俺にも髪の毛を長くさせようとするよね」
「お前もアンも、長い髪の毛が似合うからだ」
「俺、肩まで伸してリタイアしたじゃん。そこそこ短い方が良いんだ」
俺の今の髪の毛は結構長い。顎の辺りまで髪の毛が伸びている。ステージでヘアセットして出て行くから、イメージを多く作れるように長くしてある。そして、その髪の毛を後ろでまとめたヘアスタイルにしてある。黒崎は俺にはもっと長い髪の毛でいてもらいたいなんて言っている。
俺達が言い合いをしていると、お義父さんが帰ってきた。もちろん、アンも帰ってきた。人相が変わっているから、一見、いつものアンに見えない。黒崎はもう見慣れたと言っている。
「アン、お義父さん、おかえり。遠藤さんの家に行って来た?」
「行ってきたよ。トリミングの結果を見せてきた」
「佳代子さん、なんて言ってた?」
「一瞬、誰か分からなかったと言っていた。それにしても、面白い人が居たよ」
「へえーー、どんな人?」
「それがね……」
お義父さんが遠藤さんの家にアンのことを見せに行った帰りのことだそうだ。見知らぬ40代ぐらいの男性が近づいてきて、お義父さんにこう聞いてきたそうだ。犬を変えましたか?と。その人は驚いた顔をしていたそうだが、お義父さんだってそんなことを聞いて驚いたそうだ。
「犬、変えましたか?って?うひゃひゃひゃ。なかなか思いつかない質問だねえ」
「向こうは私達のことを知っているんだろう。私は覚えていなかったが……」
「お義父さん、なんて答えたの?」
「変えていませんと答えた。この子は散髪して人相が変わりましたと説明したら、納得していた」
「うひゃひゃひゃ」
きっと、日頃からお義父さんとアンのことを見かけていた人なのだろう。それだけアンの見た目が変わったということだ。それにしても、俺は嬉しくなった。そうやって、お義父さんが誰かから話しかけられるようになったからだ。
お義父さんの眉間には深い皺がある。威圧感は黒崎のようにあるタイプで、とてもじゃないか、初対面から打ち解けられる人はいないと思う。それなのに、今日は話しかけてもらえて良かったと思った。
「お義父さん、よかったね。話しかけてもらえて」
「そうかい?私は遠巻きにされることに慣れている。とっさに答えが出てこなかった」
「まあ、いいじゃん。近所の人とももっと話そうよ。今日は賑やかだから良かったね」
「そうだね……」
お義父さんはまだ近所の人と気軽に話している感じがなくて、お互いに緊張感が漂っている。しかし、アンのおかげで会話の糸口があり、会えば何か話すようになったそうだ。黒崎だってそういう面があったが、今では気軽に話をしている。
今夜は遠藤さん達を招いての夕食会になる。朝陽と六槍さんも来る。お義父さんが話しかけられたことを話題に出せば、食いついてくれると思う。エミリアさんも話題が出来て良いだろう。
そのエミリアさんは今、アレクシスさんと一緒にリビングにやって来た。結構長い時間、黒崎達と話をしており、それは懐かしい話もあり、心ゆくまで話せてスッキリしたと言ってもらえて、本当に良かったと思った。
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