青い月の天使~あの日の約束の旋律

夏目奈緖

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 俺達は向こうの状況を想像した。そして、お互いに顔を見合わせて、顔をこわばらせた。さらに二葉が事情を聞くと、警察からは、警察を呼ばれた方が悪いという感じの対応をされて、志乃さんが悪いといった風に事情を聞かれているという。

 志乃さんは今、アパートから出て、外に停めてある警察車両に乗り込んで、男性と女性の警官から事情を聞かれているところだそうだ。お母さんには男性の警察官が付いており、家の中で話を聞いているという。さっきまで一緒に居たが、どう見たってお母さんの方を庇っており、志乃さんが悪者になっているのだという。お母さんが涙を流しているからだろうか。もしかしたら、こっちに来られなくなるかも知れないという。

 そこで、俺は父に志乃さんの元に行ってもらえないか頼むことにした。すると、黒崎も同じ事を考えたようで、俺と目が合った。

「黒崎さん。俺、お父さんに頼んでみるよ。警察署で事情を聞かれることになったら、ますます弁護士が居た方がいいからさ」
「そうだな。もし、お義父さんが行けないのなら、数人、知っている奴がいる。そいつを呼べる」
「うん。二葉。志乃さんと話していてよ。今からお父さんに連絡を取るからね」
「分かった。もしもし、志乃。弁護士を用意するから……。まずは夏樹のお父さんに連絡を取るよ」

 二葉から志乃さんにそう伝えてもらった。俺はさっそく父に電話を掛けた。すると、ちょうど家に居たようで、事情を話すことが出来た。おまけに今日は予定が無くて家でテレビを観ていたというから、すぐに志乃さんの元に行ってくれと頼むことが出来た。

「お父さん。お願いするよ。住所は……だよ。志乃さんの電話番号は……だよ。分かった。お父さんの電話番号を伝えたら良いんだね。二葉。志乃さんにお父さんの電話番号を伝えて。……だよ」
「うん。志乃。夏樹のお父さんが今からそっちに行ってくれるよ。電話番号は……だよ」

 二葉に父の電話番号を伝えてもらった。そして、今から弁護士が来ることも伝えてもらった。しかし、今から志乃さんの実家に彼女のことを送り届けるから場所を移動するのだと、警察官が言い出したそうだ。そこで、俺は父にそのことを伝えた。

「お父さん。そうなんだって。分かった。待ってもらうように言うよ。30分で行けるんだね。えーーっと。どんなに挑発されても我慢しろって伝えたら良いんだね。お母さんは家の中だよ。また顔を合わすのかな?え?警察から挑発されるの?」
「……少しでも警察官の身体に触れたら、逮捕だ。それを狙っているかも知れない。人情味に溢れた警察官もいるが、今来ている人がそうとは限らない」
「分かったよ。そう伝えるよ。じゃあ、また後で」

 プツ。父との電話を終えた。今からすぐに現場に向かうそうだ。そこで、俺は電話を替わってもらい、直接、志乃さんと話をすることにした。さっきの父からの伝言を伝えるためだ。

「志乃さん。警察官から何を言われても我慢をして。志乃さんの方が悪いんだって繰り返し言われても、絶対に反応しないで。お父さんが行くまで頑張って!」

 こんなことになるなんて思わなかった。それにしても、志乃さんがいくら事情を話しても、彼女が悪いというのはどういうことだろうか。玄関先で話をしたという。通帳を返してくれと言っただけだ。使い込まれたのは志乃さんの方だ。不法侵入なんかしていない。
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