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17-1 早瀬の母との出会い(悠人視点)
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4月22日、月曜日。14時。
今日は雨が降っている。駅の構内でレインコートを着た。外に出た後、人が減った後で傘を差させばいい。人を避けていて転んだことがあるからだ。
今日は大学の授業を終えて、寄り道せずに帰っている。早瀬がうるさいから、言うことを聞いている。偉そうな人、怖い人。行きついた先は”怖さを隠さない人” だ。心置きなく叱ってくるし、口を出してくる。友達の絵理奈ちゃんのお父さんのようだ。つまりは”親父”ということだ。
(……親父だって?かまわない。君が安全なら)
(……嫌味で言ったのに)
今朝、早瀬が気にしないと言って、首を振っていた。素っ気なく電子新聞を読み始めたから、本当に親父に見えた。あれが本物なら良いことだ。たまに喧嘩をしている。今までは俺の方が一方的に怒っていたのに、早瀬も腹を立てるようになった。
ガーーーー。
駅の構内を出て、雑貨屋の前を通り過ぎた。その先に神社があり、数人が出てきた。スーツ姿だから法事の関係だろう。近くの記念公園からは、観光客っぽい人も出てきた。
俺達が住んでいる場所は静かな環境だ。大通りへ出ると賑やかになる。平日でも人通りが多い。大きな公園が観光スポットになっているし、ネットで紹介される店が多いからだ。早瀬としては安心できる環境だそうだ。住み始めて1か月半が経ち、俺もすっかり慣れた。
ガタガタ……。
雑貨屋へ商品を搬入している人達がいる。雨なのに大変だと思っていたら、強く降り始めた。おまけに風まで強い。油断した隙に、傘がバタバタと風に煽られた。
「わわわ……。傘が飛ばされる。畳もう……」
こういう時にもレインコートが役立つ。さっと傘を畳んでフードを被った。視線の先には美容室の軒先がある。そこへ行こう。
「……きゃっ」
するとその時だ。小さな悲鳴が聞こえてきて、何かが足元へ飛んできた。淡い色の傘だった。美容室のそばでは、女性がしゃがみ込んでいる。転んだのか?傘を拾い上げて向かった。
「……大丈夫ですか?」
「……あら。大丈夫よ」
年配の女性が座り込んでしまった。なるべく静かに声をかけて、傍へ座った。こういう時は慌てた話し方をしない方がいい。身体も驚いているからだ。足を挫いたのだろうか?痛そうにしている。ここは濡れるからと、屋根の下へ誘導した。
「ここは濡れるから移動しましょう。歩けますか?」
「大丈夫よ。いたた……」
「支えます。よいしょっと……」
ぐっと身体を支えた。祖母の介護を手伝った時に、介護士さんから教わった方法がある。それを思い出しつつ立ち上らせて、支えながら屋根の下へ促した。ここには座る場所がないが、大丈夫だと笑っている。腰が痛んでバランスを崩したそうだ。怪我はないという。
「ここまでは電車ですか?タクシーだったら……」
「いいのよ。ボクこそ濡れているじゃない。お店でタオルを借りるわ……。あら……」
「ひいいいっ」
足元が滑って斜め後ろへ転んだ。今度は女性の方から手を差し出されてしまった。カッコ悪い展開になってしまった。女性が心配そうにしているから、いっそう恥ずかしい。するとその時だ。店の扉が開いた。
「大丈夫ですか!?」
「……ええ。この子が助けてくれたから」
「どうぞ入ってください!」
二人の店員が出てきた。すぐに俺たちを店内に入れてくれた。女性はお客さんであり、ここから出て来たばかりで転んだそうだ。優しい力で女性から手を握られて、不思議とホッとしてしまった。
今日は雨が降っている。駅の構内でレインコートを着た。外に出た後、人が減った後で傘を差させばいい。人を避けていて転んだことがあるからだ。
今日は大学の授業を終えて、寄り道せずに帰っている。早瀬がうるさいから、言うことを聞いている。偉そうな人、怖い人。行きついた先は”怖さを隠さない人” だ。心置きなく叱ってくるし、口を出してくる。友達の絵理奈ちゃんのお父さんのようだ。つまりは”親父”ということだ。
(……親父だって?かまわない。君が安全なら)
(……嫌味で言ったのに)
今朝、早瀬が気にしないと言って、首を振っていた。素っ気なく電子新聞を読み始めたから、本当に親父に見えた。あれが本物なら良いことだ。たまに喧嘩をしている。今までは俺の方が一方的に怒っていたのに、早瀬も腹を立てるようになった。
ガーーーー。
駅の構内を出て、雑貨屋の前を通り過ぎた。その先に神社があり、数人が出てきた。スーツ姿だから法事の関係だろう。近くの記念公園からは、観光客っぽい人も出てきた。
俺達が住んでいる場所は静かな環境だ。大通りへ出ると賑やかになる。平日でも人通りが多い。大きな公園が観光スポットになっているし、ネットで紹介される店が多いからだ。早瀬としては安心できる環境だそうだ。住み始めて1か月半が経ち、俺もすっかり慣れた。
ガタガタ……。
雑貨屋へ商品を搬入している人達がいる。雨なのに大変だと思っていたら、強く降り始めた。おまけに風まで強い。油断した隙に、傘がバタバタと風に煽られた。
「わわわ……。傘が飛ばされる。畳もう……」
こういう時にもレインコートが役立つ。さっと傘を畳んでフードを被った。視線の先には美容室の軒先がある。そこへ行こう。
「……きゃっ」
するとその時だ。小さな悲鳴が聞こえてきて、何かが足元へ飛んできた。淡い色の傘だった。美容室のそばでは、女性がしゃがみ込んでいる。転んだのか?傘を拾い上げて向かった。
「……大丈夫ですか?」
「……あら。大丈夫よ」
年配の女性が座り込んでしまった。なるべく静かに声をかけて、傍へ座った。こういう時は慌てた話し方をしない方がいい。身体も驚いているからだ。足を挫いたのだろうか?痛そうにしている。ここは濡れるからと、屋根の下へ誘導した。
「ここは濡れるから移動しましょう。歩けますか?」
「大丈夫よ。いたた……」
「支えます。よいしょっと……」
ぐっと身体を支えた。祖母の介護を手伝った時に、介護士さんから教わった方法がある。それを思い出しつつ立ち上らせて、支えながら屋根の下へ促した。ここには座る場所がないが、大丈夫だと笑っている。腰が痛んでバランスを崩したそうだ。怪我はないという。
「ここまでは電車ですか?タクシーだったら……」
「いいのよ。ボクこそ濡れているじゃない。お店でタオルを借りるわ……。あら……」
「ひいいいっ」
足元が滑って斜め後ろへ転んだ。今度は女性の方から手を差し出されてしまった。カッコ悪い展開になってしまった。女性が心配そうにしているから、いっそう恥ずかしい。するとその時だ。店の扉が開いた。
「大丈夫ですか!?」
「……ええ。この子が助けてくれたから」
「どうぞ入ってください!」
二人の店員が出てきた。すぐに俺たちを店内に入れてくれた。女性はお客さんであり、ここから出て来たばかりで転んだそうだ。優しい力で女性から手を握られて、不思議とホッとしてしまった。
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