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7-1 黒崎家のクリスマス
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12月24日、月曜日。午前8時。
今日はクリスマスイブだ。昨日から仕込んでおいたビーフシチューの材料が入った鍋を、コンロに置いた。早瀬さんから教えてもらったレシピを使う。お義父さんも好きだから、多めに作って食べてもらう。
玉ねぎと人参、牛肉を赤ワインに漬け込んでおいた。ローリエもだ。お肉を焼いた後で、3時間ほど煮込んでいく。早くもいい匂いがしているのが不思議だ。もう少し置いた方が良いだろう。
「このワインの匂いなのか。楽しみだな~。黒崎さんは……」
黒崎がリビングで新聞を読んでいるのを眺めた。今日は黒崎は仕事の休みを取った。29日から年末年始の休暇に入る。あと一息だと笑っていた。疲れているのだろう。今朝は遅くまで寝ていたから、朝ごはんを食べ終えたばかりだ。珍しいことだ。
「黒崎さーん。珈琲が入ったよー。お砂糖は入れる?」
「一杯だけ入れてくれ」
「りょーかい」
普段はブラックで飲んでいる。やっぱり疲れているということだ。今月の飲み会の多さには驚いた。それでも厳選して出ているらしい。早瀬さんと分担できるから、春よりも随分と楽になったと言っていた。
カタ……。
珈琲とリンゴをテーブルに置いた。アンがソファーから飛んで降りて来た。佳代子さんから貰った分で、とても美味しいものだ。お義父さんがお歳暮で届いたリングを食べさせて以来、彼女の舌が肥えてしまった。
「アンー、どうぞ。……俺の方に来ないの?抱きついて来ないわけ?」
「妬いているのか?」
「そんなわけないよ~」
「俺の方が好きだと言っているぞ?」
「あんたが叱らないからだよ~」
「……叱る理由がない」
「トマトの苗をを引っこ抜いたし、実っているトマトを倒して遊んだじゃん」
「好奇心旺盛な証拠だ。親父も甘やかしているぞ」
「嬉しいけど。おかげでアンの舌が肥えたんだよ~。普段の食事に満足しなくなったよ?」
「お前の方こそ、あのキャベツを買いに行きたがる」
「だって、喜んで食べてるし。食べっぷりが違うんだよ。アンー、今夜はキャベツを茹でてあげる。ささ身と一緒にね」
軽く言い合いをしながら、テレビ画面へ視線を向けた。クリスマス特集の番組が流れていて、クリスマスツリーと、夜景のスポットの紹介をやっていた。
「今日は飾りつけをするからね」
「雨が上がって良かったな。手伝ってやる」
「わあ~、ありがとう」
今日は一日中、我が家で過ごす。庭の木に飾りつけをして、楽しもうというわけだ。その候補になっているのが、ナツツバキだ。ちょうどいい高さのものを見つけてある。
今日はクリスマスイブだ。昨日から仕込んでおいたビーフシチューの材料が入った鍋を、コンロに置いた。早瀬さんから教えてもらったレシピを使う。お義父さんも好きだから、多めに作って食べてもらう。
玉ねぎと人参、牛肉を赤ワインに漬け込んでおいた。ローリエもだ。お肉を焼いた後で、3時間ほど煮込んでいく。早くもいい匂いがしているのが不思議だ。もう少し置いた方が良いだろう。
「このワインの匂いなのか。楽しみだな~。黒崎さんは……」
黒崎がリビングで新聞を読んでいるのを眺めた。今日は黒崎は仕事の休みを取った。29日から年末年始の休暇に入る。あと一息だと笑っていた。疲れているのだろう。今朝は遅くまで寝ていたから、朝ごはんを食べ終えたばかりだ。珍しいことだ。
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「一杯だけ入れてくれ」
「りょーかい」
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カタ……。
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「妬いているのか?」
「そんなわけないよ~」
「俺の方が好きだと言っているぞ?」
「あんたが叱らないからだよ~」
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「好奇心旺盛な証拠だ。親父も甘やかしているぞ」
「嬉しいけど。おかげでアンの舌が肥えたんだよ~。普段の食事に満足しなくなったよ?」
「お前の方こそ、あのキャベツを買いに行きたがる」
「だって、喜んで食べてるし。食べっぷりが違うんだよ。アンー、今夜はキャベツを茹でてあげる。ささ身と一緒にね」
軽く言い合いをしながら、テレビ画面へ視線を向けた。クリスマス特集の番組が流れていて、クリスマスツリーと、夜景のスポットの紹介をやっていた。
「今日は飾りつけをするからね」
「雨が上がって良かったな。手伝ってやる」
「わあ~、ありがとう」
今日は一日中、我が家で過ごす。庭の木に飾りつけをして、楽しもうというわけだ。その候補になっているのが、ナツツバキだ。ちょうどいい高さのものを見つけてある。
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