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24-6(黒崎視点)
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12時半。
夏樹との電話を終えた。これから伊吹に連絡を取る。これから日本料理店で昼食を取るところだが、気を遣う相手ではなく、後から行くと伝えた。
奥村のことは情報が入っていた。留守中に事が動くとはタイミングの悪いことだ。さっきの通話中に夏樹達の背後が騒がしく、何かあったのは明らかだった。伊吹が動いたのだと分かった。その伊吹に電話をかけると、すぐに繋がった。
「……もしもーし。株式会社ブロッコリーの中山伊吹社長です」
「今回はありがとう。夏樹から聞いた。ビデオ通話中に、奥村が剣道部員に担がれているのを見させてもらった」
「急いで対処するべきだったので。しばらくは大人しいでしょう」
「夏樹が先に頼るのは兄貴の方だったか。さすがは全日本剣道選手権大会での……」
「そんな~。まあー、鍛錬だけではねー、センスと気合いなど。いやーー、口が滑りました!……夏樹は黒崎さんに頼りたかったはずですよ。それをやめて俺にしたのは、あんたが恐ろしいからです」
「いや、兄貴を頼りたかったんだろう。羨ましい」
「そんな~。たしかにそうかもしれないですけどね。……夏樹は小さい頃から俺の後ろばかり付いてくる子で。三輪車に乗り込んで付いてきていました。井戸端会議のコツを教えようにも奥ゆかしい性格で、なかなか進まず……」
「心強い。今後も頼りにさせてもらう」
「とんでもない。うちの夏樹は大事な弟ですから。悠人君も同じですよ。俺って頼りに……」
「今度ゆっくり話そう」
「はい」
通話を終了した。おだてには気づいているだろうが、今は持ち上げておきたかった。するとその時だ。店へ入ろうとしたタイミングで着信が入った。早瀬からだ。まず先に店内に入った後、メンバーへ断りを入れて電話に出た。早瀬はオフィスにいるようだ。
「……圭一さん。お疲れ様。さっき、悠人と電話で話した」
「今日、同級生から聞いたそうだ。俺もお前も恐ろしいから、夏樹が伊吹君に相談したそうだ」
「ははは。一番恐ろしい気がするけど。さすがだ」
「剣道部員が奥村君を担いで連れて行ったぞ。ビデオ通話で目撃した。伊吹君が夏樹から連絡を受けた、15分以内の対応だった」
「お礼を言うよ。やっぱり敵にまわしたくないなあ」
「たしかに。今日は親父が夏樹のことを迎えに行く。悠人君もどうだ?休みを取って、お前が迎えに行くか?今日はいいだろう」
「……そうするよ。ありがとう」
「じゃあ……」
通話を終了させて、昼食の席に着いた。ここではプライベートでの会話が可能だ。話題は夏樹のことだ。メンバーから、夏樹が村山氏から教わっていることと、音楽活動についての話題が出された。
父は真剣に夏樹の将来のことを考えている。音楽業界と黒崎製菓グループ、どちらの道でも選択可能にさせようとしている。俺にピアニストとしての夢を諦めさせた分、夏樹へのサポートは惜しまないと口にしている。そこで、無理をさせないようにコントロールするのが、俺の役目だ。
次第に話題が変わり、営業企画部の内容になった。早瀬と枝川のことだ。それは微笑ましい笑いが起きる内容で、本人達には黙っていることにした。
夏樹との電話を終えた。これから伊吹に連絡を取る。これから日本料理店で昼食を取るところだが、気を遣う相手ではなく、後から行くと伝えた。
奥村のことは情報が入っていた。留守中に事が動くとはタイミングの悪いことだ。さっきの通話中に夏樹達の背後が騒がしく、何かあったのは明らかだった。伊吹が動いたのだと分かった。その伊吹に電話をかけると、すぐに繋がった。
「……もしもーし。株式会社ブロッコリーの中山伊吹社長です」
「今回はありがとう。夏樹から聞いた。ビデオ通話中に、奥村が剣道部員に担がれているのを見させてもらった」
「急いで対処するべきだったので。しばらくは大人しいでしょう」
「夏樹が先に頼るのは兄貴の方だったか。さすがは全日本剣道選手権大会での……」
「そんな~。まあー、鍛錬だけではねー、センスと気合いなど。いやーー、口が滑りました!……夏樹は黒崎さんに頼りたかったはずですよ。それをやめて俺にしたのは、あんたが恐ろしいからです」
「いや、兄貴を頼りたかったんだろう。羨ましい」
「そんな~。たしかにそうかもしれないですけどね。……夏樹は小さい頃から俺の後ろばかり付いてくる子で。三輪車に乗り込んで付いてきていました。井戸端会議のコツを教えようにも奥ゆかしい性格で、なかなか進まず……」
「心強い。今後も頼りにさせてもらう」
「とんでもない。うちの夏樹は大事な弟ですから。悠人君も同じですよ。俺って頼りに……」
「今度ゆっくり話そう」
「はい」
通話を終了した。おだてには気づいているだろうが、今は持ち上げておきたかった。するとその時だ。店へ入ろうとしたタイミングで着信が入った。早瀬からだ。まず先に店内に入った後、メンバーへ断りを入れて電話に出た。早瀬はオフィスにいるようだ。
「……圭一さん。お疲れ様。さっき、悠人と電話で話した」
「今日、同級生から聞いたそうだ。俺もお前も恐ろしいから、夏樹が伊吹君に相談したそうだ」
「ははは。一番恐ろしい気がするけど。さすがだ」
「剣道部員が奥村君を担いで連れて行ったぞ。ビデオ通話で目撃した。伊吹君が夏樹から連絡を受けた、15分以内の対応だった」
「お礼を言うよ。やっぱり敵にまわしたくないなあ」
「たしかに。今日は親父が夏樹のことを迎えに行く。悠人君もどうだ?休みを取って、お前が迎えに行くか?今日はいいだろう」
「……そうするよ。ありがとう」
「じゃあ……」
通話を終了させて、昼食の席に着いた。ここではプライベートでの会話が可能だ。話題は夏樹のことだ。メンバーから、夏樹が村山氏から教わっていることと、音楽活動についての話題が出された。
父は真剣に夏樹の将来のことを考えている。音楽業界と黒崎製菓グループ、どちらの道でも選択可能にさせようとしている。俺にピアニストとしての夢を諦めさせた分、夏樹へのサポートは惜しまないと口にしている。そこで、無理をさせないようにコントロールするのが、俺の役目だ。
次第に話題が変わり、営業企画部の内容になった。早瀬と枝川のことだ。それは微笑ましい笑いが起きる内容で、本人達には黙っていることにした。
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