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ステージが終了した。観客席からは、沢山の声援を送られている。そろぞれが青空に向かって突き上げた腕が揺れている。信じられない光景を目にして、達成感と感動で体が震えた。メンバーが肩を叩き合っている。自分もその中へ入った。
「夏樹!やったね!」
「うん!」
「みんな、こっちへ!」
ステージ脇から運営スタッフさんが手招きをされた。次の出番のバンドの順番が必要だからだ。引っ込んで行こうとすると、俺達のバンド名を呼ぶ声が広がった。鳴り止まない拍手に応えようと、ステージ脇へ歩きながら、全員で大きく手を振った。
ワーーー!
さらに大きな拍手と歓声が上がった。引っ込まないといけないのが勿体ない。ステージでは何台ものカメラが俺達を映している。そのうちの一台から声を掛けられて、俺達はそのカメラに向かって手を振った。すると、そばにいる夏樹の息遣いが荒くなった。
「すごい……、どうしよう……」
「夏樹君!?」
「おい、夏樹!」
「担架はありますか!?」
「平気だよ……っ」
夏樹がゼエゼエと息をしながら答えた。その様子は大丈夫だとは思えない。唇の色が悪くなり、顔色まで白くなっているからだ。ステージサイドに移動した後、すぐに彼のことを椅子に座らせて、タオルで汗をふき取った。
「すごい顔色だよ……」
「担架を運び込みます!」
「いえ、ほんとに……。黒崎さんのところに行かないと……」
桜木さんが背中をさすりながら、夏樹の耳元で声を掛けた。
「夏樹君、聞こえる?」
「うん……」
「一緒に呼吸をしよう。長く吐くんだよ。ふううーーー、短く吸ってーー」
「ふうーー……、すーー」
「そうだ、ふうーー」
「ふうーー……」
それを繰り返しているうちに、夏樹の顔色が戻った。桜木さんは、夏樹が3歳の時からの幼なじみだ。彼の病気のことを知っている。心臓の発作なのだろうか?祖母の発作を見たことがあるが、それとは違うと感じた。過呼吸とも違う気がする。しかし、今は理由など聞けない。
このイベントでは、ステージに立つ人や観客など、誰かが倒れてもおかしくないため、医者や医療スタッフが待機している。俺達の元に駆けつけて来る人の中に、それらしい人がいた。そして、黒崎さんと早瀬の姿もあった。
「こっちだよ!」
「黒崎さんとお医者さんが来たよ」
「夏樹!」
「黒崎さん……っ」
夏樹が顔を上げて、黒崎さんの名前を呼んだ。そして、勢いよく立ち上ろうとしたから慌てて止めた。しかし、また立ち上ろうとした。
「夏樹、そのまま動くな!」
「黒崎さん……っ」
「こら、動くな!」
「黒崎さーーーん!」
「ひいいいっ、待ってーー」
夏樹がとうとう椅子から立ちあがってしまった。そして、ついさっきまでフラついていたのに、しっかりとした足取りで走り出した。さらに、2メートル先の目標まで駆けていき、ダイブをした。
「黒崎さーん!!」
「……っ」
黒崎さんが夏樹の体をキャッチしたものの、勢いがつき過ぎたから、夏樹の頭が壁に当たってしまった。
ゴン!!
何とも痛そうな音が立った後、夏樹が持っているうちわが足元に落っこちた。周囲からは安堵のため息と大きな笑い声が立ち、大きく広がった。
すると、俺の名前を呼ぶ声がした。悠人!と。名前を呼ばれて振り向くと、早瀬が両腕を広げて待ってくれていた。その隣には、高宮さんと佐久弥が立っていた。佐久弥はガッツポーズをしながら笑っていた。その笑顔は、俺達と同年代のように見えた。しかし、俺の方から声をかけようすると奥へ行ってしまった。意地悪なことを言った佐久弥の印象が代わった。
(あれが本当の佐久弥じゃないのかな?でも、裕理さんには聞かない方がいい……)
沢山の声援の中、早瀬に抱きついた。そして、桜木さんと夏樹の元に行った。そのままステージ中央に進むと、並川さんと藤沢が司会者からマイクを向けられて、漫才のようなことをして笑いを取っていた。
「夏樹!やったね!」
「うん!」
「みんな、こっちへ!」
ステージ脇から運営スタッフさんが手招きをされた。次の出番のバンドの順番が必要だからだ。引っ込んで行こうとすると、俺達のバンド名を呼ぶ声が広がった。鳴り止まない拍手に応えようと、ステージ脇へ歩きながら、全員で大きく手を振った。
ワーーー!
さらに大きな拍手と歓声が上がった。引っ込まないといけないのが勿体ない。ステージでは何台ものカメラが俺達を映している。そのうちの一台から声を掛けられて、俺達はそのカメラに向かって手を振った。すると、そばにいる夏樹の息遣いが荒くなった。
「すごい……、どうしよう……」
「夏樹君!?」
「おい、夏樹!」
「担架はありますか!?」
「平気だよ……っ」
夏樹がゼエゼエと息をしながら答えた。その様子は大丈夫だとは思えない。唇の色が悪くなり、顔色まで白くなっているからだ。ステージサイドに移動した後、すぐに彼のことを椅子に座らせて、タオルで汗をふき取った。
「すごい顔色だよ……」
「担架を運び込みます!」
「いえ、ほんとに……。黒崎さんのところに行かないと……」
桜木さんが背中をさすりながら、夏樹の耳元で声を掛けた。
「夏樹君、聞こえる?」
「うん……」
「一緒に呼吸をしよう。長く吐くんだよ。ふううーーー、短く吸ってーー」
「ふうーー……、すーー」
「そうだ、ふうーー」
「ふうーー……」
それを繰り返しているうちに、夏樹の顔色が戻った。桜木さんは、夏樹が3歳の時からの幼なじみだ。彼の病気のことを知っている。心臓の発作なのだろうか?祖母の発作を見たことがあるが、それとは違うと感じた。過呼吸とも違う気がする。しかし、今は理由など聞けない。
このイベントでは、ステージに立つ人や観客など、誰かが倒れてもおかしくないため、医者や医療スタッフが待機している。俺達の元に駆けつけて来る人の中に、それらしい人がいた。そして、黒崎さんと早瀬の姿もあった。
「こっちだよ!」
「黒崎さんとお医者さんが来たよ」
「夏樹!」
「黒崎さん……っ」
夏樹が顔を上げて、黒崎さんの名前を呼んだ。そして、勢いよく立ち上ろうとしたから慌てて止めた。しかし、また立ち上ろうとした。
「夏樹、そのまま動くな!」
「黒崎さん……っ」
「こら、動くな!」
「黒崎さーーーん!」
「ひいいいっ、待ってーー」
夏樹がとうとう椅子から立ちあがってしまった。そして、ついさっきまでフラついていたのに、しっかりとした足取りで走り出した。さらに、2メートル先の目標まで駆けていき、ダイブをした。
「黒崎さーん!!」
「……っ」
黒崎さんが夏樹の体をキャッチしたものの、勢いがつき過ぎたから、夏樹の頭が壁に当たってしまった。
ゴン!!
何とも痛そうな音が立った後、夏樹が持っているうちわが足元に落っこちた。周囲からは安堵のため息と大きな笑い声が立ち、大きく広がった。
すると、俺の名前を呼ぶ声がした。悠人!と。名前を呼ばれて振り向くと、早瀬が両腕を広げて待ってくれていた。その隣には、高宮さんと佐久弥が立っていた。佐久弥はガッツポーズをしながら笑っていた。その笑顔は、俺達と同年代のように見えた。しかし、俺の方から声をかけようすると奥へ行ってしまった。意地悪なことを言った佐久弥の印象が代わった。
(あれが本当の佐久弥じゃないのかな?でも、裕理さんには聞かない方がいい……)
沢山の声援の中、早瀬に抱きついた。そして、桜木さんと夏樹の元に行った。そのままステージ中央に進むと、並川さんと藤沢が司会者からマイクを向けられて、漫才のようなことをして笑いを取っていた。
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