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14時。
今日の作業が終了した。畑の土作りが終わり、トマトの苗を植えた。畑の大きさは6畳ぐらいだ。遠藤さんのアドバイスを受け、まずは2畳ほどのスペースで始めることにした。
道具類を倉庫に片づけた後、黒崎が遠藤さんから声を掛けられた。この間のカメラテストの件と、雑誌掲載の話をしているようだ。黒崎が苦笑している。事務所から新しい誘いがきていたけれど、断ったからだ。それを俺は初めて知った。
「……圭一君。あの事務所の件は残念だったね」
「……ええ。夏樹にはいい経験をさせました。今回で十分です」
「うちの仕事関係からも聞かれたよ」
「そうでしたか……」
「夏樹君の意見は?どうなんだい?」
遠藤さんから聞かれた。そして、黒崎と話している間、俺が何も言わないことで不思議そうな顔をされた。誰かと話すときは、まず、黒崎が代わりに話すことになっている。その癖がついているからだ。さっそく遠藤さんに答えた。
「俺の方はモデルの仕事はしたくありません。いい経験が出来て楽しかったので、それで十分です」
「そうか。将来の希望は?法学部へ進むとしても、その先の進路は様々だよ」
「はい……」
恥ずかしながら何も決めていない。言葉を選んで答えようとすると、黒崎が代わりに答えた。何か質問されたら、自分からは何も答えないこと。黒崎が全て答えるという普段通りの手順だ。遠藤さんへこういう方法を取るのは失礼だ。俺が何か言おうとすると、分かっているよと、遠藤さんから笑いかけられた。
「まずは圭一君が答えるんだろう?お父さんから聞いているよ。まだ新しい家に慣れていないからだね。学部はどうするんだ?」
「まだ選択しているところです。興味があることが多すぎますので」
「そうか……」
「……圭一、来てくれ」
するとその時だ。黒崎がお義父さんから呼ばれた。ちょうど俺から離れたタイミングで、遠藤さんと目が合った。夏樹君、ただ一言、名前を呼ばれた。そして、静かに首を振りながら、俺に伝えてくれた。まずは自分で意見を言いたいのでは無いか?と。それを聞いて、胸がドキッとした。俺のことを心配してくれたのだと分かっている。だからありがとうございますと伝えたい。
「遠藤さん。ありがとうございます。将来のことで悩んでいるのは事実です。パートナーがいない状況なら、自分一人で決めればいいと思うけど、俺には黒崎さんがいるから、何でも相談して決めようって思っているんです。一緒に歩いて行くって決めたから、話し合って一番いい方法を取りたいんです。黒崎さん自身も、俺と相談しているんです。たしかに……、束縛が激しいって思いますよね?俺もそう思います。お互いに束縛しているんで。似たもの同士なんです。もっと慣れたら、自分の意見を通したいって思っています」
「そうか。僕の心の中を読まれてしまったか。何かあれば相談に乗るよ。そうだ、今度は何を植える?今の季節からなら……」
遠藤さんの表情が和らいだ。ここにも心配してくれる存在ができた。黒崎の周りに人が集まってきた分だけ、自分の周りにも人が増えた。一緒に歩くことで、いい方向に進んでいると感じている。するとその時だ。向こうの方から、黒崎達が手招きをして来たから、みんなで家の中で休憩することにした。
今日の作業が終了した。畑の土作りが終わり、トマトの苗を植えた。畑の大きさは6畳ぐらいだ。遠藤さんのアドバイスを受け、まずは2畳ほどのスペースで始めることにした。
道具類を倉庫に片づけた後、黒崎が遠藤さんから声を掛けられた。この間のカメラテストの件と、雑誌掲載の話をしているようだ。黒崎が苦笑している。事務所から新しい誘いがきていたけれど、断ったからだ。それを俺は初めて知った。
「……圭一君。あの事務所の件は残念だったね」
「……ええ。夏樹にはいい経験をさせました。今回で十分です」
「うちの仕事関係からも聞かれたよ」
「そうでしたか……」
「夏樹君の意見は?どうなんだい?」
遠藤さんから聞かれた。そして、黒崎と話している間、俺が何も言わないことで不思議そうな顔をされた。誰かと話すときは、まず、黒崎が代わりに話すことになっている。その癖がついているからだ。さっそく遠藤さんに答えた。
「俺の方はモデルの仕事はしたくありません。いい経験が出来て楽しかったので、それで十分です」
「そうか。将来の希望は?法学部へ進むとしても、その先の進路は様々だよ」
「はい……」
恥ずかしながら何も決めていない。言葉を選んで答えようとすると、黒崎が代わりに答えた。何か質問されたら、自分からは何も答えないこと。黒崎が全て答えるという普段通りの手順だ。遠藤さんへこういう方法を取るのは失礼だ。俺が何か言おうとすると、分かっているよと、遠藤さんから笑いかけられた。
「まずは圭一君が答えるんだろう?お父さんから聞いているよ。まだ新しい家に慣れていないからだね。学部はどうするんだ?」
「まだ選択しているところです。興味があることが多すぎますので」
「そうか……」
「……圭一、来てくれ」
するとその時だ。黒崎がお義父さんから呼ばれた。ちょうど俺から離れたタイミングで、遠藤さんと目が合った。夏樹君、ただ一言、名前を呼ばれた。そして、静かに首を振りながら、俺に伝えてくれた。まずは自分で意見を言いたいのでは無いか?と。それを聞いて、胸がドキッとした。俺のことを心配してくれたのだと分かっている。だからありがとうございますと伝えたい。
「遠藤さん。ありがとうございます。将来のことで悩んでいるのは事実です。パートナーがいない状況なら、自分一人で決めればいいと思うけど、俺には黒崎さんがいるから、何でも相談して決めようって思っているんです。一緒に歩いて行くって決めたから、話し合って一番いい方法を取りたいんです。黒崎さん自身も、俺と相談しているんです。たしかに……、束縛が激しいって思いますよね?俺もそう思います。お互いに束縛しているんで。似たもの同士なんです。もっと慣れたら、自分の意見を通したいって思っています」
「そうか。僕の心の中を読まれてしまったか。何かあれば相談に乗るよ。そうだ、今度は何を植える?今の季節からなら……」
遠藤さんの表情が和らいだ。ここにも心配してくれる存在ができた。黒崎の周りに人が集まってきた分だけ、自分の周りにも人が増えた。一緒に歩くことで、いい方向に進んでいると感じている。するとその時だ。向こうの方から、黒崎達が手招きをして来たから、みんなで家の中で休憩することにした。
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