婚約破棄されたけど、妹と幼馴染が優しすぎる件

安奈

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20話 婚約発表 その6

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「じゃあ、行くよウェルナ」

「ちょっと待って、ルーク……! 私のスカートが……! 今日は短い……!」

「聞こえないな」

「ちょ……なによそれ~~~!」


 ルークはいたずら半分に笑いながら、私と強引に踊り出した。しかも、周囲で踊っている人々と比べて、かなり激しい踊りを披露しながら。



「ねえ……恥ずかしいんだけれど……」


「いいじゃないか、こうして注目を得ているというのは、ウェルナの魅力だと思うよ?」


「そう言って貰えるのは嬉しいんだけど……」


 スカートは短く、正直な話、靡いて中身が見えている……勿論、見られても大丈夫なように、下着の上に穿いてはいるけれど……普通はそういうのも見られないようにするのが、貴族なんじゃないかしら? ていうか、ルークはいつの間に私が穿いているって気付いたのよ……。


 まったく、油断も隙もないわ……ルークってば、しばらく見ない間にエッチになってない? 昔はもっと純粋な少年だったのに……。


「ルークのエッチ……」

「これでも男性だからね。多方面でずる賢くならないと、公爵令息という責務に潰されてしまうさ」

「なるほど……って、納得できるわけないでしょ、まったくもう……!」


 ルークと踊りながら、私は彼に文句を言っていた。勿論、本気で怒っているわけではないけれど。遠くでは、ラーナやウイング王太子殿下がこちらを見ている。


「姉さん、激しい踊り……ルークさんもやりますね……」

「ホンマやな。なかなかエッチな奴やで、じゃあ俺らも後で踊ろうか?」

「いいですけど……私はロングスカートなので、あしからず」

「わかってるって」


 ……なんだか、楽しげな会話が繰り広げられているみたいね。ちょっと恥ずかしかったけれど、私もルークとの踊りを楽しんでいる。周囲の貴族たちも私達を盛り上げてくれているし……こういうのを幸せって言うのかしら?



 セドルとシャズナの二人にも天罰が下ったし、ルークとの婚約発表も無事終えた……それからラーナとウイング王太子殿下の婚約発表も完了したわね。舞踏会は概ね、成功といったところかしら? 


 お尻を100叩きされかけたメイドは災難だったけれど、王太子殿下のフォローで元気を取り戻せればいいわね。


「ウェルナ、これからは僕との関係を関係各所に認めさせないといけない……辛いこともあるかもしれないけれど、力を合わせて頑張っていこう」

「ええ、ルーク。一緒に頑張っていきましょう……あなたと共に頑張るのなら、なんだって出来そうな気がするわ」


 私は力強く頷いてみせた。公爵令息との婚約というのは、なかなか厳しい面があるかもしれないけれど……絶対に幸せになってみせるわ。
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