婚約破棄されたけど、妹と幼馴染が優しすぎる件

安奈

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21話 お出かけ その1

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 例の舞踏会が終了し、数日が経過した。私とルーク、妹のラーナとウイング王太子殿下との婚約発表が上手くいったので、私は満足していた。セドルやシャズナへの罰も、どうやら下るようだしね。


 私はその日、ラーナと屋敷内で話しをしていた。


「ねえねえ、姉さん。あれから、ルークさんとの関係は上手くいっているの?」

「ラーナ?」


 ラーナは私の部屋に入っており、ルークとの関係に興味津々みたい。目が輝いているもの……なんだか少し、恥ずかしいわね。


「どうなの? あの舞踏会の後、木陰とかで……色々と済ませてたりはするのかしら?」


「あ、あのね、ラーナ……」


 いくら子爵令嬢とはいえ、貴族っぽくない直球の質問が飛んでくる。本日のラーナはなんだかリミッターが外れているような感じだった。


「いくら幼馴染のルークとでも、そんなことするはずないでしょう? まだ、結婚もしてないんだから……」

「そうかもしれないけれど……」


 まだ婚約発表から数日しか経っていない。ルークも忙しいのだから、この間に関係性が進展することはあり得なかった。


「ねえ、姉さん。でも、ルークさんと本当に何もしていないの?」

「……き、キスくらいはしたけど……何度か」

「へえ~~~、キスね~~~~」

「な、なによ……!」


 ラーナはいたずらっぽく私を見つめながら、ニンマリと微笑んでいた。心から面白がっているような表情だ。まったくもう……お尻100叩きくらいしてやろうかしら? なんちゃって……。


「大体、そっちはどうなのよ? ラーナだってウイング王太子殿下と仲良くしてるんじゃないの?」

「それはもちろん……あ、でも身体の関係までには至っていないわよ? その辺りは安心してよね」

「そう、そうなんだ……」


 しっかりしている印象のラーナは、恥ずかしがる様子もなく、私の質問に答えている。流石というかなんというか……これだと、私が直接的な言葉で深い質問をしたとしても、さらりと答えそうね。なんだか私は、敗北感を感じてしまった。


「姉さん、よかったら今から宮殿に行かない? ルークさんとも会いたいでしょ?」

「それはまあ……でも、迷惑にならないかしら?」

「大丈夫よ、私も王太子殿下に会いたいから。無理なら帰ればいいんだし、それに……」

「それに?」


「もしかしたら、セドルやシャズナの罰について、詳細が固まっている可能性があるし、その辺りも気になるでしょう?」

「そうね……じゃあ、出かけましょうか」

「ええ、行きましょう」


 私とラーナはひょんなことから宮殿へと向かうことになった。怒られないといいけれど、まあそれは大丈夫かしらね。
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