私の婚約者はお姉さまが好きなようです~私は国王陛下に愛でられました~

安奈

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9話 ピエトロ宮殿 その3

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「それではお嬢様……私はここで待機しております」

「ええ、ありがとう」


 馬車を操縦していた御者にお礼を言いながら、私はピエトロ宮殿の門を叩くことになった……とても、緊張をしながら……。


 ステンドグラスが特徴のピエトロ宮殿……正門には当然のように兵士の人々は立っていた。


「おはようございます。招待状などはお持ちでございますか?」


 私の名前までは知らないのかもしれないけれど、身なりから貴族と判断したみたいね。私はラウド大臣から貰った招待状を兵士に渡した。

「こ、これは……!」

 招待状を見た兵士の顔つきが明らかに変化している。それ程に、ヨハン様からの招待状は衝撃的ってことかしら?


「お、おい……まさか、国王陛下直々の……!?」

「そんなバカな……マリアンヌ様でも、このようなことは……」

「しかし、このサインはヨハン様の物で間違いない。それに大臣殿のサインまで……!」


 正門の兵士の皆さんは、私の招待状を見ながら驚いているようだった。それほどにこの招待状が珍しいということよね? ピエトロ宮殿への入場自体が名誉に関わってくるイベントなんだし。


「あの……伯爵令嬢のマリア・テオドアと申します。通していただけるのですか?」

「これは失礼いたしましたマリア様。どうぞ、お通りくださいませっ!」

「ありがとう」


 ヨハン様からの招待状も返してもらえ、私はピエトロ宮殿に入ることを許可された。後ろに立っている兵士たちは、各々、私に関する感想を述べているようだった。


「テオドア家の令嬢が二人も……すごいな、これは……」

「うむ……」


「マリア様か……お美しいお方だ。あれでまだ16歳というのが信じられん」



 なんだか容姿を褒めてくれる言葉まで聞こえてきた。私は上機嫌になりながら、正門から宮殿の入り口に歩いて行った。



-----------------------------------



「これは凄い……国王陛下からの招待状とは……!」


 ピエトロ宮殿内の執事にも招待状を見せる。やはり外に居た兵士と同じく驚いていた。


「あの……こちらに招待はされたのですが、実際に何をするのかは聞いていないのですが……」

「そういうことですか、心配はいりません。国王陛下の所までご案内いたしますので」

「あ、ありがとうございます」


 執事はとても丁寧に対応してくれる。これもヨハン様からの招待状パワーというやつかしら? 私はさらに気持ちが高揚していた。こんな気分は久しぶりだわ。と、その時……


「どうしてお前がここに居るんだ? マリア」

「えっ?」


 最悪なタイミングとはこういうことを言うのか……「元」婚約者であるカンザス・オリヴェイラが私を見て驚いていた。明らかに見下した表情で……。
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