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24話 側室 その1
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「ただいま戻りました……」
「おかえりなさい、マリア」
「お母様……ただいま、戻りました……」
私は玄関先で出迎えてくれたお母様に、軽く挨拶を済ませた。お母様は明らかに私の顔色を伺っている様子だ。ヨハン様やマリアンヌ様、ラウド大臣たちの姿はないけれど、連絡自体は私がピエトロ宮殿に泊まる時点で向かっているはず。
つまりは、お母様は事実を把握しているはずで……だから、そわそわしているんだと思う。それから、ここを出ていく時に、ピエトロ宮殿に行く旨も伝えていたしね。
「ね、ねえ、マリア……あなた、国王陛下の側室になるという話は本当なの?」
直だ……ものすごく直接的な聞き方に、私は苦笑いを隠せなかった。
「はい、そういったお話しがあったことは事実です。ですが……」
「ですが? ですが、なにかしら?」
「私の一存での決定は不可能でしたので……こうして一旦、戻って来て参りました」
婚約関係の話になると、当然だけれどお母様やお父様の許可は必要になる。まあ、そうはいっても、ヨハン様の側室のお話しをお母様やお父様が断るとは考えられないけれどね。
事実、お母様の態度はあからさまになっているし……。
「そう……とてもめでたいことね、それは……。マリア、よく頑張ったわね」
「私は何も頑張ってなどいませんよ、お母様」
感激している様子のお母様だけれど、私は素っ気なく返しておいた。だって、お母様はユリカお姉さまの私への態度を、そこまで注意していなかった人だから……。いきなりこのように褒められても違和感が出てしまうし。
「なにか他に聞いておいた方が良いことはない?」
「ヨハン国王陛下が近々、屋敷をお越しになるようです。お母様達にも、ぜひよろしくとおっしゃっておられました」
「まあまあ、とても名誉なことねそれは……! ああ、国王陛下がテオドア家へ……? とても緊張してしまうわ……!」
お母様は緊張している様子を見せ、小刻みに身体を振動させている。武者震いでもしているのかしら? まるで国王陛下達がくるのが初めての心地なのかもしれないけれど、その前にお越しになっているからね……。私としては、そこまで目新しい光景ではなかった。
「そういえば……ユリカお姉さまはどうしていらっしゃいますか?」
一緒の屋敷に住んでいる以上は聞かないわけにもいかない。私はお母様に質問した。
「ユリカね……流石にショックだったのか、塞ぎ込んでいるわ。まったくあの子は……国王陛下もいらっしゃるというのに……しょうがないんだから」
う~ん……まるでユリカお姉さま自身の問題として捉えているみたいだけれど……お母様たちの育て方の問題もあるような気がしてしまう。私はなんだか釈然としなかった。
「おかえりなさい、マリア」
「お母様……ただいま、戻りました……」
私は玄関先で出迎えてくれたお母様に、軽く挨拶を済ませた。お母様は明らかに私の顔色を伺っている様子だ。ヨハン様やマリアンヌ様、ラウド大臣たちの姿はないけれど、連絡自体は私がピエトロ宮殿に泊まる時点で向かっているはず。
つまりは、お母様は事実を把握しているはずで……だから、そわそわしているんだと思う。それから、ここを出ていく時に、ピエトロ宮殿に行く旨も伝えていたしね。
「ね、ねえ、マリア……あなた、国王陛下の側室になるという話は本当なの?」
直だ……ものすごく直接的な聞き方に、私は苦笑いを隠せなかった。
「はい、そういったお話しがあったことは事実です。ですが……」
「ですが? ですが、なにかしら?」
「私の一存での決定は不可能でしたので……こうして一旦、戻って来て参りました」
婚約関係の話になると、当然だけれどお母様やお父様の許可は必要になる。まあ、そうはいっても、ヨハン様の側室のお話しをお母様やお父様が断るとは考えられないけれどね。
事実、お母様の態度はあからさまになっているし……。
「そう……とてもめでたいことね、それは……。マリア、よく頑張ったわね」
「私は何も頑張ってなどいませんよ、お母様」
感激している様子のお母様だけれど、私は素っ気なく返しておいた。だって、お母様はユリカお姉さまの私への態度を、そこまで注意していなかった人だから……。いきなりこのように褒められても違和感が出てしまうし。
「なにか他に聞いておいた方が良いことはない?」
「ヨハン国王陛下が近々、屋敷をお越しになるようです。お母様達にも、ぜひよろしくとおっしゃっておられました」
「まあまあ、とても名誉なことねそれは……! ああ、国王陛下がテオドア家へ……? とても緊張してしまうわ……!」
お母様は緊張している様子を見せ、小刻みに身体を振動させている。武者震いでもしているのかしら? まるで国王陛下達がくるのが初めての心地なのかもしれないけれど、その前にお越しになっているからね……。私としては、そこまで目新しい光景ではなかった。
「そういえば……ユリカお姉さまはどうしていらっしゃいますか?」
一緒の屋敷に住んでいる以上は聞かないわけにもいかない。私はお母様に質問した。
「ユリカね……流石にショックだったのか、塞ぎ込んでいるわ。まったくあの子は……国王陛下もいらっしゃるというのに……しょうがないんだから」
う~ん……まるでユリカお姉さま自身の問題として捉えているみたいだけれど……お母様たちの育て方の問題もあるような気がしてしまう。私はなんだか釈然としなかった。
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