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1話 婚約破棄から物語は動き出す
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「婚約破棄……?」
「うむ。その通りだ、ミュリア。私と別れてもらいたい」
目の前に立っているのは、私の婚約者であるノウェム・シリング伯爵。年齢は24歳だったかな……私の名前はミュリア・エンデヴァー 17歳。私達は、ラタトスク王国の首都オラントにある、セイレーン宮殿内で話している。
そんな高貴な場所で話す内容としては、あまり褒められたものではないと思うけれど……。
ノウェム伯爵とは2か月くらい前に婚約したのだけれど、まさかここに来て、婚約破棄を言い渡されるとは思わなかったわ……。
「なぜでしょうか……? 私がなにか粗相をいたしましたか?」
「いや、そういうわけではない。お前は伯爵令嬢という立ち位置に居るが、料理の技術に長け、掃除、洗濯までこなせる……その辺りがどうも引っかかってしまってな」
えっ、どういうことかしら? 確かに伯爵令嬢にはそこまで必要なスキルではないかもしれないけれど、それ以外の必要なスキルがないわけではないのよ? それに、メイド達に頼らずに自分の食事を用意するのは楽しくもあるし、民衆からの支持は得やすいと思うのだけれど。
私はそれとなく伝えてみたけど、ノウェム様は溜息をついて首を振っていた。ああ……伝わらなかったのね。
「ダメだ、やはりお前は駄目だ。と、いうことで、私はお前とは別の女性を選ぶことにした。見ろ、お前と同じく伯爵令嬢のアーリス・メルボルトだ」
「は~い、ミュリア嬢。そういうわけなの、ノウェム様は私との結婚を選んでくださったわ。ごめんなさいね?」
「アーリス……」
私はアーリス・メルボルトが目の前に現れた時点で、顔をしかめてしまった。私と同じ伯爵令嬢の立場で年齢は18歳……パーティーの度に私に突っかかてくる女なので、正直好きじゃない。でも、顔やスタイルは抜群……おまけに貴族至上主義の最先端を走っているような人物ね……。
なんとなく、この時点で察しが付いてしまったけど、ノウェム様は浮気をしていたわけね……。
「ノウェム様はあなたみたいな、庶民的な貴族令嬢とは付き合いたくないんだってさ。料理なんて召使いの仕事でしょ? その仕事を奪ってどうするのよ」
「……別に、毎回作るわけじゃないわよ、時々ね……メイドとの仲も深まるし」
「メイドとの仲なんて深めているから、婚約破棄されるんじゃない? 高貴な人間は高貴な方々との関係を強化していくのが責務。あなたみたいな人間は、せいぜい国民から慕われて、お山の大将になってなさい」
どこまでも私を、召使いを、そして国民を見下した態度……アーリスは昔から変わっていない。国民から慕われることは、貴族として重要なことだと思うけれど、彼女は国民全体を貴族の為の労働力くらいにしか思っていない。
「さて、話はこのくらいにしておこうか。そんなわけでミュリア、済まないな」
「あはははは、ごめんなさいね~~~?」
茫然自失とはこういう時に使う言葉かしら……? その場に立ち尽くしている私を放っておくようにして、二人は去って行った。どうしよう……涙とかもあまり出て来ないわ……。
どのくらい時間が経ったかしら……私の背後から、人の気配がした。
「其方は確か……ミュリア・エンデヴァーではないか? どうしてこのようなところに……」
「イスルギ・ゴドウィン公爵様……?」
私の前に現れたのは、ラタトスク王国内でも上位の貴族……イスルギ・ゴドウィン様だった。
「うむ。その通りだ、ミュリア。私と別れてもらいたい」
目の前に立っているのは、私の婚約者であるノウェム・シリング伯爵。年齢は24歳だったかな……私の名前はミュリア・エンデヴァー 17歳。私達は、ラタトスク王国の首都オラントにある、セイレーン宮殿内で話している。
そんな高貴な場所で話す内容としては、あまり褒められたものではないと思うけれど……。
ノウェム伯爵とは2か月くらい前に婚約したのだけれど、まさかここに来て、婚約破棄を言い渡されるとは思わなかったわ……。
「なぜでしょうか……? 私がなにか粗相をいたしましたか?」
「いや、そういうわけではない。お前は伯爵令嬢という立ち位置に居るが、料理の技術に長け、掃除、洗濯までこなせる……その辺りがどうも引っかかってしまってな」
えっ、どういうことかしら? 確かに伯爵令嬢にはそこまで必要なスキルではないかもしれないけれど、それ以外の必要なスキルがないわけではないのよ? それに、メイド達に頼らずに自分の食事を用意するのは楽しくもあるし、民衆からの支持は得やすいと思うのだけれど。
私はそれとなく伝えてみたけど、ノウェム様は溜息をついて首を振っていた。ああ……伝わらなかったのね。
「ダメだ、やはりお前は駄目だ。と、いうことで、私はお前とは別の女性を選ぶことにした。見ろ、お前と同じく伯爵令嬢のアーリス・メルボルトだ」
「は~い、ミュリア嬢。そういうわけなの、ノウェム様は私との結婚を選んでくださったわ。ごめんなさいね?」
「アーリス……」
私はアーリス・メルボルトが目の前に現れた時点で、顔をしかめてしまった。私と同じ伯爵令嬢の立場で年齢は18歳……パーティーの度に私に突っかかてくる女なので、正直好きじゃない。でも、顔やスタイルは抜群……おまけに貴族至上主義の最先端を走っているような人物ね……。
なんとなく、この時点で察しが付いてしまったけど、ノウェム様は浮気をしていたわけね……。
「ノウェム様はあなたみたいな、庶民的な貴族令嬢とは付き合いたくないんだってさ。料理なんて召使いの仕事でしょ? その仕事を奪ってどうするのよ」
「……別に、毎回作るわけじゃないわよ、時々ね……メイドとの仲も深まるし」
「メイドとの仲なんて深めているから、婚約破棄されるんじゃない? 高貴な人間は高貴な方々との関係を強化していくのが責務。あなたみたいな人間は、せいぜい国民から慕われて、お山の大将になってなさい」
どこまでも私を、召使いを、そして国民を見下した態度……アーリスは昔から変わっていない。国民から慕われることは、貴族として重要なことだと思うけれど、彼女は国民全体を貴族の為の労働力くらいにしか思っていない。
「さて、話はこのくらいにしておこうか。そんなわけでミュリア、済まないな」
「あはははは、ごめんなさいね~~~?」
茫然自失とはこういう時に使う言葉かしら……? その場に立ち尽くしている私を放っておくようにして、二人は去って行った。どうしよう……涙とかもあまり出て来ないわ……。
どのくらい時間が経ったかしら……私の背後から、人の気配がした。
「其方は確か……ミュリア・エンデヴァーではないか? どうしてこのようなところに……」
「イスルギ・ゴドウィン公爵様……?」
私の前に現れたのは、ラタトスク王国内でも上位の貴族……イスルギ・ゴドウィン様だった。
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