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40話 後日談 その1
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エトワール家の政権交代……こうして言ってしまえば仰々しいけれど、言わば当主交代っていうことね。それなりに大イベントではあるけれど、私の婚約者であるディエス・マローネ様が婿養子としてエトワール家に入り、すぐさま当主に就くことになる。
現当主であるお父様は大して抵抗を見せずに、ディエス様の言うことを聞いてくれた。多分、内心ではそうしないと、本当にエトワール家が没落しかねないって分かってるんだと思う。お母様も悲しげな表情をしていたけれど、その決定に異を唱えることはなかった。
「シンディ殿……これから、大変な時もあるだろうが、よろしく頼む」
「はい、ディエス様。私はディエス様に付いて行きます」
「ああ、ありがとう。その……シンディ」
「は、はい……ディエス様……」
みたいな甘酸っぱいやりとりもあって、ディエス様は私のことを呼び捨てにするようになった。本当なら、以前からしていても不思議ではないんだけれど、まあその辺はいいか。
お父様とお母様は、エトワール家を追放されるわけではなく、ご意見番? として屋敷には残ってもらうことにした。その決定をしたのはディエス様だけれど、おそらく私の気持ちへの配慮があるんだと思う。本当にディエス様には感謝しか出来ないわ。
それから……ジニーはどうなったかと言うと……。
------------------------------------------------------
「姉さまはいいですよね~~~~」
「不貞腐れているわね、ジニー」
「当たり前です……私はどうせ、追放目的で他国の貴族行きなんでしょう?」
自業自得というのを忘れて、すっかり不貞腐れてました……。はあ、もう少し機嫌を戻してくれてたらやりやすかったんだけれど……ジニーはこんな感じで私室に籠ってます、はい。
「もうフリント様とは会っていないの?」
「もう知りませんよ、あの人のことは……は~あ、身体まで差し出したのに……差し出したのに最悪です……」
私が出て行く直前に行ったビンタの効力も今はあんまり効いていないみたいね。婚前交渉で身体を差し出すなんて……この子はバカなのかしら? まあ、そこは考えるまでもないか……。
「ジニー、よく聞いてちょうだい」
「姉さま……?」
私はジニーの前に立つと真剣な顔をしてみせた。殴って分からせるのは簡単だけれど、この子の場合は逆効果になりそうだったから控えることにする。
「今はディエス様が当主様なのよ? 他国の婚姻に利用したりはしないわ」
「……本当ですか? なら……」
「あなたにはやってもらいたいことがあるの」
「やってもらいたいこと……?」
私は自分の考えをジニーに話すことにした。大切な妹を救ってあげる為に……。
現当主であるお父様は大して抵抗を見せずに、ディエス様の言うことを聞いてくれた。多分、内心ではそうしないと、本当にエトワール家が没落しかねないって分かってるんだと思う。お母様も悲しげな表情をしていたけれど、その決定に異を唱えることはなかった。
「シンディ殿……これから、大変な時もあるだろうが、よろしく頼む」
「はい、ディエス様。私はディエス様に付いて行きます」
「ああ、ありがとう。その……シンディ」
「は、はい……ディエス様……」
みたいな甘酸っぱいやりとりもあって、ディエス様は私のことを呼び捨てにするようになった。本当なら、以前からしていても不思議ではないんだけれど、まあその辺はいいか。
お父様とお母様は、エトワール家を追放されるわけではなく、ご意見番? として屋敷には残ってもらうことにした。その決定をしたのはディエス様だけれど、おそらく私の気持ちへの配慮があるんだと思う。本当にディエス様には感謝しか出来ないわ。
それから……ジニーはどうなったかと言うと……。
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「姉さまはいいですよね~~~~」
「不貞腐れているわね、ジニー」
「当たり前です……私はどうせ、追放目的で他国の貴族行きなんでしょう?」
自業自得というのを忘れて、すっかり不貞腐れてました……。はあ、もう少し機嫌を戻してくれてたらやりやすかったんだけれど……ジニーはこんな感じで私室に籠ってます、はい。
「もうフリント様とは会っていないの?」
「もう知りませんよ、あの人のことは……は~あ、身体まで差し出したのに……差し出したのに最悪です……」
私が出て行く直前に行ったビンタの効力も今はあんまり効いていないみたいね。婚前交渉で身体を差し出すなんて……この子はバカなのかしら? まあ、そこは考えるまでもないか……。
「ジニー、よく聞いてちょうだい」
「姉さま……?」
私はジニーの前に立つと真剣な顔をしてみせた。殴って分からせるのは簡単だけれど、この子の場合は逆効果になりそうだったから控えることにする。
「今はディエス様が当主様なのよ? 他国の婚姻に利用したりはしないわ」
「……本当ですか? なら……」
「あなたにはやってもらいたいことがあるの」
「やってもらいたいこと……?」
私は自分の考えをジニーに話すことにした。大切な妹を救ってあげる為に……。
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