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12話 紫色のポーション その3
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紫色のポーション……あんなに毒々しい色のポーションを仕入れ値3000ゴールドに設定するなんて。ルデルテ公爵の考えていることがわからない。私が以前に作っていたポーションも仕入れ値は3000ゴールドで、ニャンコクラブでは5000ゴールドで売られていた。
貴重品というのは価格的な意味合いも大きいんでしょうね。冒険者関連の職種の人はともかく、一般の人ではすぐに手が出ない価格だし。と、いうより緊急性がなければ使用はしない物だしね。
「ちょっと、すみません」
「ん? なんだ、お前は? ここの従業員か?」
「はい、そうですね」
私の顔に見覚えはないのか、役人は私に興味を示さない。
「どこかで会ったことないですか?」
「ん? いや、知らんな……」
私も名前は忘れたけれど、役人の中の中心人物……さっきまで、ミオナ達を怒鳴り散らしていたこの人には見覚えがある。ルデルテ公爵の話しているのを何度か見ているし。
「まあ、いいです。そのポーションを見せてもらっても構いませんか? 状態のチェックくらいはさせていただいても、問題はないですよね?」
ポーションメーカーであることは隠して私は質問する。目の前の役人は多少渋っていたが、流石にそれまでを拒んでは不味いと判断したのか、紫色のポーションを私に差し出してくれた。
「ふむふむ……すごい色になってるんですね」
「だから言っているだろう? 我が研究機関の製造過程によるものだと。まったく……ポーションを調合することが、どれほど難しいのかもしらん素人は、これだから困る!」
確かに、調合の難しさ自体は分からないわ。小瓶も含めて、私の場合はポーションの完成を精製できるから。おそらくルデルテ公爵の元で調合作業に勤しんでいる人は、寝る時間もろくに与えられていないかもしれないわね、このポーションを見ると。
もしかしたら、悪辣な製造環境がこういう粗悪品を生み出しているのかも……。私も疲れている時だと、上手くポーションを精製できないことがあったし、そのときは多少濁っていたのを覚えている。効果自体は変わらなかったけれど、これは……。
「ミオナ、ポーションの効果を調べるのは、どのくらいかかるの?」
「あんたポーションメーカーなのに、そんなことも知らないの?」
「私、製造するの専門だったから」
「ん? ポーションメーカーだと……?」
さらっとミオナがネタバレしていた。役人たちは、その聞いたことのある言葉に首を傾げている。私は構わず話を進めて行った。
「けっこう時間がかかるの?」
「そうね……2時間くらいかな?」
「けっこう掛かるんだ」
私は既に成分が変なことや効果もほぼ完璧に把握している。でも、それを証明するには、私が細かく話したあとに、機械で効果を調べて、合っているかを照らし合わせないと駄目よね。どうしようか、役人は機械で調べるのは禁止って言ってたし。
「ああっ! お前は!」
「びっくりした……」
私に紫色のポーションを渡した役人のリーダー的な男性が、かなり遅れて叫びだした。多分、私の正体に気付いたんだと思うけど。
「お前は、以前までルデルテ公爵の元で働いていた……ポーションメーカーの……! レミュラ・ミセットか!?」
度肝を抜かされたというように、狼狽えている役人。ルデルテ公爵のところへは、私の行き先について、情報が渡っていないのかしら? ここまで驚かれるとは思わなかったわ。
明らかに役人たちは挙動不審になっている。これなら話を優位に進められるかもしれないわね。
貴重品というのは価格的な意味合いも大きいんでしょうね。冒険者関連の職種の人はともかく、一般の人ではすぐに手が出ない価格だし。と、いうより緊急性がなければ使用はしない物だしね。
「ちょっと、すみません」
「ん? なんだ、お前は? ここの従業員か?」
「はい、そうですね」
私の顔に見覚えはないのか、役人は私に興味を示さない。
「どこかで会ったことないですか?」
「ん? いや、知らんな……」
私も名前は忘れたけれど、役人の中の中心人物……さっきまで、ミオナ達を怒鳴り散らしていたこの人には見覚えがある。ルデルテ公爵の話しているのを何度か見ているし。
「まあ、いいです。そのポーションを見せてもらっても構いませんか? 状態のチェックくらいはさせていただいても、問題はないですよね?」
ポーションメーカーであることは隠して私は質問する。目の前の役人は多少渋っていたが、流石にそれまでを拒んでは不味いと判断したのか、紫色のポーションを私に差し出してくれた。
「ふむふむ……すごい色になってるんですね」
「だから言っているだろう? 我が研究機関の製造過程によるものだと。まったく……ポーションを調合することが、どれほど難しいのかもしらん素人は、これだから困る!」
確かに、調合の難しさ自体は分からないわ。小瓶も含めて、私の場合はポーションの完成を精製できるから。おそらくルデルテ公爵の元で調合作業に勤しんでいる人は、寝る時間もろくに与えられていないかもしれないわね、このポーションを見ると。
もしかしたら、悪辣な製造環境がこういう粗悪品を生み出しているのかも……。私も疲れている時だと、上手くポーションを精製できないことがあったし、そのときは多少濁っていたのを覚えている。効果自体は変わらなかったけれど、これは……。
「ミオナ、ポーションの効果を調べるのは、どのくらいかかるの?」
「あんたポーションメーカーなのに、そんなことも知らないの?」
「私、製造するの専門だったから」
「ん? ポーションメーカーだと……?」
さらっとミオナがネタバレしていた。役人たちは、その聞いたことのある言葉に首を傾げている。私は構わず話を進めて行った。
「けっこう時間がかかるの?」
「そうね……2時間くらいかな?」
「けっこう掛かるんだ」
私は既に成分が変なことや効果もほぼ完璧に把握している。でも、それを証明するには、私が細かく話したあとに、機械で効果を調べて、合っているかを照らし合わせないと駄目よね。どうしようか、役人は機械で調べるのは禁止って言ってたし。
「ああっ! お前は!」
「びっくりした……」
私に紫色のポーションを渡した役人のリーダー的な男性が、かなり遅れて叫びだした。多分、私の正体に気付いたんだと思うけど。
「お前は、以前までルデルテ公爵の元で働いていた……ポーションメーカーの……! レミュラ・ミセットか!?」
度肝を抜かされたというように、狼狽えている役人。ルデルテ公爵のところへは、私の行き先について、情報が渡っていないのかしら? ここまで驚かれるとは思わなかったわ。
明らかに役人たちは挙動不審になっている。これなら話を優位に進められるかもしれないわね。
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