婚約破棄されたけど、公爵様とお姉さまに助けられました!~私は王子殿下と新たな一歩を踏み出します~

安奈

文字の大きさ
1 / 5

1話 婚約破棄された男爵令嬢 その1

しおりを挟む
 私は、婚約者であった侯爵、アルバ様のお屋敷の前で佇んでいた……。ほんの10分前になるだろうか……私はアルバ様に婚約破棄を言い渡されたのだから……。



------------------------------------------------



「お前との婚約はなしにしてくれ、アンリ」

「ど、どうしてでしょうか……?」

「私は侯爵だぞ? 男爵令嬢でしかない、貴様の家系とは……やはり、釣り合わないのでな」


 確かに、私のシーフォース家は男爵という、貴族の中では一番低い身分になる。それでも平民家系よりは上にはなるけど、侯爵であるアルバ様にとってみれば、大した地位にはならないだろう。


「しかし……それならば、なぜ私を選んでくれたのですか!?」


 私はそこが不思議だった。シーフォース家は、騎士として活躍していた父の功績を称えられ、その時に貴族の称号を与えられた、まだ歴史の浅い貴族家系になる。2か月前の婚約の時のことを、私は鮮明に覚えている。


 よく知らない相手のアルバ様ではあったけれど……私のような身分の者を選んでくれて、本当に嬉しいと思えた。そして、姉さまに続いて、強力な貴族との関係性が生まれると。


「お前の外見は好みではあったのだがな……やはり、男爵令嬢という地位との婚約は出来ないという結論になったのだよ」


「私の……身体が目的だったのですか……?」

「当たり前だろう? でなくては、お前のような家系に興味などあるものか……」


 違う……少なくとも姉さまは、同じく男爵令嬢であるけれど、公爵のバルムンク様と婚約している。バルムンク様は、アルバ様のように婚約破棄をするなんて思えない……。アルバ様の口調からして、私の姉さまのことは、よく知らない様子だった。


「お前を娼婦として飼ってやってもいいぞ? お前のような、いつ没落するかもわからん家系にとっては、それでも十分な待遇と言えよう? このアルバ・ゴドウィン様の関係者になれるのだからな」


「……!」


 酷すぎる仕打ち……これが私の婚約者の正体だったなんて……! 私は無垢過ぎた……!


「いえ、結構です、アルバ様……婚約破棄を私は選びます……」


 もう、耐えられなかった……こんな人との関係性は一刻も早く捨て去りたいと思えるほどに。


「そうか……では、最後に後腐れなくやらせてもらおうか」

「な、何を言ってるんですか……?」


 私はアルバ様が何を言っているのか理解できなかったけれど……。どのみち、私の身体を弄んだ後は捨てる気だったことは理解できた。


 その後、アルバ様の執事と私の護衛との間で武力衝突が起き……私たちは、なんとか彼の屋敷から出ることに成功したのだった……。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

初夜に暴言を吐いた夫は後悔し続ける──10年後の償い【完結】

星森 永羽(ほしもりとわ)
恋愛
王命により、辺境伯ロキアのもとへ嫁いだのは、金髪翠眼の美しき公爵令嬢スフィア。 だが、初夜に彼が告げたのは、愛も権限も与えないという冷酷な宣言だった。噂に踊らされ、彼女を「穢れた花嫁」と罵ったロキア。 しかし、わずか一日でスフィアは姿を消し、教会から届いたのは婚姻無効と慰謝料請求の書状──。 王と公爵の怒りを買ったロキアは、爵位も領地も名誉も奪われ、ただの補佐官として生きることに。 そして十年後、運命のいたずらか、彼は被災地で再びスフィアと出会う。 地位も捨て、娘を抱えて生きる彼女の姿に、ロキアの胸に去来するのは、悔恨と赦しを乞う想い──。 ⚠️本作はAIの生成した文章を一部に使用しています。

夫から『お前を愛することはない』と言われたので、お返しついでに彼のお友達をお招きした結果。

古森真朝
ファンタジー
 「クラリッサ・ベル・グレイヴィア伯爵令嬢、あらかじめ言っておく。  俺がお前を愛することは、この先決してない。期待など一切するな!」  新婚初日、花嫁に真っ向から言い放った新郎アドルフ。それに対して、クラリッサが返したのは―― ※ぬるいですがホラー要素があります。苦手な方はご注意ください。

幼馴染みの婚約者が「学生時代は愛する恋人と過ごさせてくれ」と言ってきたので、秒で婚約解消を宣言した令嬢の前世が、社畜のおっさんだった件。

灯乃
ファンタジー
子爵家の総領娘である令嬢の前に、巨乳美少女と腕を組んだ婚約者がやってきた。 曰く、「学生時代くらいは、心から愛する恋人と自由に過ごしたい。それくらい、黙って許容しろ」と。 婚約者を甘やかし過ぎていたことに気付いた彼女は、その場で婚約解消を宣言する。 前半はたぶん普通の令嬢もの、後半はおっさんコメディーです。

婚約破棄の後始末 ~息子よ、貴様何をしてくれってんだ! 

タヌキ汁
ファンタジー
 国一番の権勢を誇る公爵家の令嬢と政略結婚が決められていた王子。だが政略結婚を嫌がり、自分の好き相手と結婚する為に取り巻き達と共に、公爵令嬢に冤罪をかけ婚約破棄をしてしまう、それが国を揺るがすことになるとも思わずに。  これは馬鹿なことをやらかした息子を持つ父親達の嘆きの物語である。

悪役断罪?そもそも何かしましたか?

SHIN
恋愛
明日から王城に最終王妃教育のために登城する、懇談会パーティーに参加中の私の目の前では多人数の男性に囲まれてちやほやされている少女がいた。 男性はたしか婚約者がいたり妻がいたりするのだけど、良いのかしら。 あら、あそこに居ますのは第二王子では、ないですか。 えっ、婚約破棄?別に構いませんが、怒られますよ。 勘違い王子と企み少女に巻き込まれたある少女の話し。

聖女召喚されて『お前なんか聖女じゃない』って断罪されているけど、そんなことよりこの国が私を召喚したせいで滅びそうなのがこわい

金田のん
恋愛
自室で普通にお茶をしていたら、聖女召喚されました。 私と一緒に聖女召喚されたのは、若くてかわいい女の子。 勝手に召喚しといて「平凡顔の年増」とかいう王族の暴言はこの際、置いておこう。 なぜなら、この国・・・・私を召喚したせいで・・・・いまにも滅びそうだから・・・・・。 ※小説家になろうさんにも投稿しています。

【完結】キズモノになった私と婚約破棄ですか?別に構いませんがあなたが大丈夫ですか?

なか
恋愛
「キズモノのお前とは婚約破棄する」 顔にできた顔の傷も治らぬうちに第二王子のアルベルト様にそう宣告される 大きな傷跡は残るだろう キズモノのとなった私はもう要らないようだ そして彼が持ち出した条件は婚約破棄しても身体を寄越せと下卑た笑いで告げるのだ そんな彼を殴りつけたのはとある人物だった このキズの謎を知ったとき アルベルト王子は永遠に後悔する事となる 永遠の後悔と 永遠の愛が生まれた日の物語

好きな人に『その気持ちが迷惑だ』と言われたので、姿を消します【完結済み】

皇 翼
恋愛
「正直、貴女のその気持ちは迷惑なのですよ……この場だから言いますが、既に想い人が居るんです。諦めて頂けませんか?」 「っ――――!!」 「賢い貴女の事だ。地位も身分も財力も何もかもが貴女にとっては高嶺の花だと元々分かっていたのでしょう?そんな感情を持っているだけ時間が無駄だと思いませんか?」 クロエの気持ちなどお構いなしに、言葉は続けられる。既に想い人がいる。気持ちが迷惑。諦めろ。時間の無駄。彼は止まらず話し続ける。彼が口を開く度に、まるで弾丸のように心を抉っていった。 ****** ・執筆時間空けてしまった間に途中過程が気に食わなくなったので、設定などを少し変えて改稿しています。

処理中です...