婚約破棄されたけど、公爵様とお姉さまに助けられました!~私は王子殿下と新たな一歩を踏み出します~

安奈

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2話 婚約破棄された男爵令嬢 その2

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「アンリ様……申し訳ございませんでした……」


 私の護衛をしてくれた人たちが、私に謝っている。私は首を横に振って彼らに罪はないことを言った。


「いいえ、大丈夫よ。あなたたちが居なければ、今頃、私はアルバ様に……」


「勿体ないお言葉です、ありがとうございます!」


 何をされていたのかは、言うまでもないと思う。私の護衛が私を守っていてくれたから、私は今、馬車で自分の屋敷へと帰ることが出来ている。強引な強姦……それが成立していたら、私はどうなっていたんだろうか……。


 私を乗せた馬車は、屋敷を目指して、足早に走って行った。




-------------------------------------------------------------



 貴族街にある屋敷に到着した私。そのままの姿で私室へと入り、ベッドへと倒れこんだ。

 この気持ちを誰に伝えたらいいのかしら……? 恥ずかしくて、申しわけなくて……お父様たちに知られるのが怖い……。アルバ侯爵様が、あんな人だったなんて……確かに、少しだけ不穏な噂は聞いていたけれど。


 と、そんな時、私の部屋をノックする音が聞こえて来た。誰か来たみたいね……。


「アンリ? 帰ったのでしょう? 入ってもいいかしら?」


「ルーリィ姉さま……?」


 ルーリィ姉さまが訪ねて来たみたい……本来なら、喜んで扉を開けるところだけど。なんだか、今は気が重い。


「どうぞ、開いておりますので……」


「失礼するわね」


「はい、姉さま……」


 私はルーリィ姉さまと顔を合わせる。姉さまは私と同じ男爵令嬢でありながら、バルムンク・ゼファー公爵と婚約を結んだ自慢の姉さまだ。それだけに、今は顔を合わせづらいというか……私は自然と目線を逸らしてしまう。


「一体、どうしたの?」

「いえ、何もありません……」


 私は意識的に嘘を付いてしまった。でも、そんな言葉が姉さまに通用するはずもなく……。


「嘘を付かないで、アンリ」

「姉さま……」


 ルーリィ姉さまは私の隣に座ると、私を優しく抱きしめてくれた。


「護衛の者たちから詳しくは聞いていないけれど……その態度、あなたの態度で大方の予想は付いているわ」

「ルーリィ姉さま……?」


 姉さまの洞察力は一体どうなっているんだろう? まさか、こんなに早く看破してしまうなんて。私は何も言っていないのに……もしかしたら、婚約破棄されたことすら看破されているかもしれない。


「アルバ侯爵のところに行って何があったのか……聞かせていただける?」

「ね、姉さま……うわぁぁぁぁぁ……!」

「大丈夫よ、アンリ。ここにあなたを傷つける人は誰も居ないから」


 私はルーリィ姉さまの優しさに、涙腺が完全に崩壊してしまった。アルバ様にされたこと……その悲しみが一気に流れ出した瞬間であった。
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