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7話 ハクサン地方の農地経営 その1
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ラインハルト様と再会してから数日が経過した。彼は再び、私の家を訪れてくれている。ハッキリ言って、大したおもてなしは出来ないけれど……。
「あの、ラインハルト様。この肉じゃが、私が作った物になります。よろしければ食べていただけますか?」
「ありがとう、ニーア。ありがたく頂戴するよ」
「はいっ!」
ラインハルト様は紛れもない公爵様であり、この広大なハクサン地方の総責任者を国王陛下より任されている人物。そんな天上の人が、私の作った肉じゃがを普通に食べてくれることに、私は驚きを隠せなかった。
今だけは身分差なんて感じなくても良いのかもしれない。よくわからないけど、母さんと父さんは離れた所からニヤニヤしているし……。
「美味しいな……流石はニーアといったところか」
「本当ですか?」
「ああ、もちろんだ。家庭の味……貴族という立場ではなかなか味わえないだけに、嬉しく思うよ」
ラインハルト様はどことなく寂しげな表情をしているようだった。そっか……公爵様という立場上、豪華な食事にはありつけるけど、それが必ずしも温かい物だとは限らないものね。ということは、私の肉じゃがは合格点なのかもしれない。
「さて、ニーア。食べながらで申し訳ないが、君の仕事のことについて話したい」
「は、はい……!」
ラインハルト様は、私の出した肉じゃがを頬張りながら話し始めた。なんだかシュールな雰囲気で、少しだけ面白い……。
「ハクサン地方の農地経営は、難しいのでしょうか……?」
「いや、基本的には以前までの豊穣スキルを使用してもらう点には変わりない。資料でしか判断は出来ていないが、君のスキルであれば、十分に役立ってくれるだろう」
「あ、ありがとうございます……!」
シグマ様とは180度違う意見に私は嬉しくなってしまった。ラインハルト様の言葉であれば、信じられる。その想いは強かったから。
「ただ、前にも言ったがハクサン地方は広大でな。未開拓の領域も多かったりするんだ」
「なるほど……未開拓領域ですか」
「そうだ、この未開拓領域を耕すことが出来れば……この地方の住民たちが潤うと思わないか?」
確かに……ラインハルト様の言う通りだと思う。ということは、もしかして私の仕事は……。
「ニーア、君の仕事は未開拓領域を肥沃な土壌に変えてもらうことにある。一筋縄ではいかないこともあるかもしれないが……手伝ってもらえるか?」
「はい、もちろんでございます、ラインハルト様」
私の答えは最初から決まっている……ラインハルト様の元で働けるのであれば、これほど嬉しいことはない。
「そうか……ありがとう、ニーア」
肉じゃがを美味しそうに頬張りながら、ラインハルト様は満面の笑顔を見せてくれていた。
「あの、ラインハルト様。この肉じゃが、私が作った物になります。よろしければ食べていただけますか?」
「ありがとう、ニーア。ありがたく頂戴するよ」
「はいっ!」
ラインハルト様は紛れもない公爵様であり、この広大なハクサン地方の総責任者を国王陛下より任されている人物。そんな天上の人が、私の作った肉じゃがを普通に食べてくれることに、私は驚きを隠せなかった。
今だけは身分差なんて感じなくても良いのかもしれない。よくわからないけど、母さんと父さんは離れた所からニヤニヤしているし……。
「美味しいな……流石はニーアといったところか」
「本当ですか?」
「ああ、もちろんだ。家庭の味……貴族という立場ではなかなか味わえないだけに、嬉しく思うよ」
ラインハルト様はどことなく寂しげな表情をしているようだった。そっか……公爵様という立場上、豪華な食事にはありつけるけど、それが必ずしも温かい物だとは限らないものね。ということは、私の肉じゃがは合格点なのかもしれない。
「さて、ニーア。食べながらで申し訳ないが、君の仕事のことについて話したい」
「は、はい……!」
ラインハルト様は、私の出した肉じゃがを頬張りながら話し始めた。なんだかシュールな雰囲気で、少しだけ面白い……。
「ハクサン地方の農地経営は、難しいのでしょうか……?」
「いや、基本的には以前までの豊穣スキルを使用してもらう点には変わりない。資料でしか判断は出来ていないが、君のスキルであれば、十分に役立ってくれるだろう」
「あ、ありがとうございます……!」
シグマ様とは180度違う意見に私は嬉しくなってしまった。ラインハルト様の言葉であれば、信じられる。その想いは強かったから。
「ただ、前にも言ったがハクサン地方は広大でな。未開拓の領域も多かったりするんだ」
「なるほど……未開拓領域ですか」
「そうだ、この未開拓領域を耕すことが出来れば……この地方の住民たちが潤うと思わないか?」
確かに……ラインハルト様の言う通りだと思う。ということは、もしかして私の仕事は……。
「ニーア、君の仕事は未開拓領域を肥沃な土壌に変えてもらうことにある。一筋縄ではいかないこともあるかもしれないが……手伝ってもらえるか?」
「はい、もちろんでございます、ラインハルト様」
私の答えは最初から決まっている……ラインハルト様の元で働けるのであれば、これほど嬉しいことはない。
「そうか……ありがとう、ニーア」
肉じゃがを美味しそうに頬張りながら、ラインハルト様は満面の笑顔を見せてくれていた。
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