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突然王族がいれば誰もが驚く
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「こ、ここってお城じゃないですか!」
「そうだけど。荷物を中に運んでもらってもいいかな?」
「は、はい!」
城の門番には既に俺達が来ることは伝わっているため、特に咎められることなく中に入ることができた。
そして俺達は兵士の後についていくと一室へと案内される。
今この場には俺とフローラしかいない。周囲にも人はいないようなのでようやく本題を話すことができる。
「荷物を運んでくれてありがとう」
「いえ、これも仕事なので」
そしてフローラはショートソードとアクセサリーを置いて、そそくさと部屋から出ていこうとしていたので、俺は呼び止める。
「少しお話したいけど時間あるかな?」
「お店のお手伝いがあるので、これで失礼します」
「銀貨30枚分プラスして払ったんだ。少しくらい付き合ってくれてもいいんじゃないか? フローラさん」
「私の名前を⋯⋯それに話し方急に大人っぽくなりました」
「こっちが素なんでね。俺の名前はユウト。これから話すことは君にとっても悪い話じゃないと思うよ」
「それって⋯⋯どういうことですか」
「サレン商店のことについてだ」
「お店のこと!?」
フローラは話に食いついてきた。やはりフローラにとってサレン商店はかなり思い入れが強いようだ。
「調べた所、サレン商店は叔父に奪われているようだな」
初めはフローラが権利を持っているものだと思っていたが違ったのだ。
「叔父さん⋯⋯ボーゲンさんからお父さんとお母さんが亡くなる前に、権利を移してもらったって言われて⋯⋯」
「それは嘘だな。そのボーゲンが文書を偽造して勝手に役所に提出したんだ」
「おかしいとは思ったけど子供の私には何も出来なくて⋯⋯でも本当に叔父さんがお店を奪った証拠はあるんですか?」
さすがに知り合ったばかりの者を簡単に信じる程バカではないか。しかしこの慎重な所は好ましく思える。
「証拠はない。だが結果でボーゲンが犯人であるということはわかる。フローラの父親が日頃から命の危機を感じていたのならともかく、突然盗賊に襲われて殺されたのだろ? 予期せぬ死だったのに、店の権利をボーゲンに移しているのはおかしな話だ」
「た、確かにユウトさんの言う通りです。お父さんとお母さんが死んじゃって深く考えることが出来ませんでした」
「思考を停止した時点でボーゲンの企みに嵌まっている。どんな状況に陥っても考えることを止めたら相手のなすがままだぞ」
フローラは俺の言葉に思うことがあるのか、瞳を伏せてシュンとなっている。
両親の死に店の乗っ取り、そして初めて会った奴に正論をぶつけられるのは、子供に取っては受け入れられることではなかったか。
「私に取って悪い話じゃないって、店の権利を取り戻してくれるってことですか?」
しかし俺の予想とは反してフローラは顔を上げ、力強い目でこちらに問いかけてきた。
元々メンタルが弱くはないのか、それともそれ程サレン商店に思い入れがあるのかわからないが、こちらとしては話が早くて助かる。
だが。
「権利書を書き換えてフローラの物にするのは不可能だ。当事者はもう亡くなっているからな」
俺の答えを聞いてフローラの表情は、明らかにガッカリしているように見える。
前世の警察と違って、当事者がいない過去の犯罪を立証するなど、この世界ではほぼ不可能に近いことだろう。
「だが店を取り戻すことはできる」
「どうやってですか! 教えて下さい!」
「君が新しい商店を作って、サレン商店を潰すんだ」
「私がお店を? む、無理です」
「何故だ? 色々調べさせてもらったが、フローラは幼き頃から店を手伝っていて経験は十分だろ?」
「で、でも⋯⋯そんなお金はないし、もしお店を持ててもサレン商店より売り上げを上回るなんて」
「金は俺が出す。サレン商店を取り戻す案も出す。だけど店を維持し、発展させるのはフローラの役目だ。できるか?」
「⋯⋯」
しかしフローラからの返答はない。いきなりこんな所に連れて来られて、胡散臭いことを言われているのだから無理もない。むしろ即答でやると言われた方が俺としては不安になってしまう。
だがこのままで良いという訳でもないので、俺はフローラの不安を払拭するために、ある人物を部屋に招き入れることにする。
「入ってくれ」
俺が声をかけると薄いピンクのドレスを着た、1人の少女が部屋に入ってきた。
「えっ? えっ? リシアンサス王女様!?」
フローラは突然現れた王女に驚き声を上げ、パニックになっているように見える。
まあいきなり王族が現れれば誰でもそうなるよな。
「フローラさん⋯⋯ユウト様のお言葉を信じて頂けませんか? そしてどうか私達の目的のために力をお貸しください」
「ひゃい! わかりました!」
フローラは王女であるリアの問いかけに緊張して声が上ずってしまい、何だか可愛らしいことになっていた。さすがに王族の頼みとなると即答で受けるしかないだろう。
「も、もしかしてですがユウトさんもエルスリアの王族ですか?」
「いや、俺はエルスリアの王族じゃない。あちこちを転々としているただの旅人だ」
「本当ですか? ユウトさんには何か普通とは違う雰囲気が感じられます」
フローラは鋭いことを言ってくるな。だが今俺は異世界転生者だと伝えても信じてもらえないだろう。
「御二人の関係も気になりますが、お店を取り戻す方法を教えてもらってもいいですか?」
「わかった。リア、頼んでいたものを持ってきてもらってもいいか?」
「承知しました。ちょうどユウト様がお求めになられたものと、似たようなものを見つけましたので購入しておきました」
そしてリアがメイドに命ずると、30センチ四方くらいの箱が部屋に運び込まれるのであった。
「そうだけど。荷物を中に運んでもらってもいいかな?」
「は、はい!」
城の門番には既に俺達が来ることは伝わっているため、特に咎められることなく中に入ることができた。
そして俺達は兵士の後についていくと一室へと案内される。
今この場には俺とフローラしかいない。周囲にも人はいないようなのでようやく本題を話すことができる。
「荷物を運んでくれてありがとう」
「いえ、これも仕事なので」
そしてフローラはショートソードとアクセサリーを置いて、そそくさと部屋から出ていこうとしていたので、俺は呼び止める。
「少しお話したいけど時間あるかな?」
「お店のお手伝いがあるので、これで失礼します」
「銀貨30枚分プラスして払ったんだ。少しくらい付き合ってくれてもいいんじゃないか? フローラさん」
「私の名前を⋯⋯それに話し方急に大人っぽくなりました」
「こっちが素なんでね。俺の名前はユウト。これから話すことは君にとっても悪い話じゃないと思うよ」
「それって⋯⋯どういうことですか」
「サレン商店のことについてだ」
「お店のこと!?」
フローラは話に食いついてきた。やはりフローラにとってサレン商店はかなり思い入れが強いようだ。
「調べた所、サレン商店は叔父に奪われているようだな」
初めはフローラが権利を持っているものだと思っていたが違ったのだ。
「叔父さん⋯⋯ボーゲンさんからお父さんとお母さんが亡くなる前に、権利を移してもらったって言われて⋯⋯」
「それは嘘だな。そのボーゲンが文書を偽造して勝手に役所に提出したんだ」
「おかしいとは思ったけど子供の私には何も出来なくて⋯⋯でも本当に叔父さんがお店を奪った証拠はあるんですか?」
さすがに知り合ったばかりの者を簡単に信じる程バカではないか。しかしこの慎重な所は好ましく思える。
「証拠はない。だが結果でボーゲンが犯人であるということはわかる。フローラの父親が日頃から命の危機を感じていたのならともかく、突然盗賊に襲われて殺されたのだろ? 予期せぬ死だったのに、店の権利をボーゲンに移しているのはおかしな話だ」
「た、確かにユウトさんの言う通りです。お父さんとお母さんが死んじゃって深く考えることが出来ませんでした」
「思考を停止した時点でボーゲンの企みに嵌まっている。どんな状況に陥っても考えることを止めたら相手のなすがままだぞ」
フローラは俺の言葉に思うことがあるのか、瞳を伏せてシュンとなっている。
両親の死に店の乗っ取り、そして初めて会った奴に正論をぶつけられるのは、子供に取っては受け入れられることではなかったか。
「私に取って悪い話じゃないって、店の権利を取り戻してくれるってことですか?」
しかし俺の予想とは反してフローラは顔を上げ、力強い目でこちらに問いかけてきた。
元々メンタルが弱くはないのか、それともそれ程サレン商店に思い入れがあるのかわからないが、こちらとしては話が早くて助かる。
だが。
「権利書を書き換えてフローラの物にするのは不可能だ。当事者はもう亡くなっているからな」
俺の答えを聞いてフローラの表情は、明らかにガッカリしているように見える。
前世の警察と違って、当事者がいない過去の犯罪を立証するなど、この世界ではほぼ不可能に近いことだろう。
「だが店を取り戻すことはできる」
「どうやってですか! 教えて下さい!」
「君が新しい商店を作って、サレン商店を潰すんだ」
「私がお店を? む、無理です」
「何故だ? 色々調べさせてもらったが、フローラは幼き頃から店を手伝っていて経験は十分だろ?」
「で、でも⋯⋯そんなお金はないし、もしお店を持ててもサレン商店より売り上げを上回るなんて」
「金は俺が出す。サレン商店を取り戻す案も出す。だけど店を維持し、発展させるのはフローラの役目だ。できるか?」
「⋯⋯」
しかしフローラからの返答はない。いきなりこんな所に連れて来られて、胡散臭いことを言われているのだから無理もない。むしろ即答でやると言われた方が俺としては不安になってしまう。
だがこのままで良いという訳でもないので、俺はフローラの不安を払拭するために、ある人物を部屋に招き入れることにする。
「入ってくれ」
俺が声をかけると薄いピンクのドレスを着た、1人の少女が部屋に入ってきた。
「えっ? えっ? リシアンサス王女様!?」
フローラは突然現れた王女に驚き声を上げ、パニックになっているように見える。
まあいきなり王族が現れれば誰でもそうなるよな。
「フローラさん⋯⋯ユウト様のお言葉を信じて頂けませんか? そしてどうか私達の目的のために力をお貸しください」
「ひゃい! わかりました!」
フローラは王女であるリアの問いかけに緊張して声が上ずってしまい、何だか可愛らしいことになっていた。さすがに王族の頼みとなると即答で受けるしかないだろう。
「も、もしかしてですがユウトさんもエルスリアの王族ですか?」
「いや、俺はエルスリアの王族じゃない。あちこちを転々としているただの旅人だ」
「本当ですか? ユウトさんには何か普通とは違う雰囲気が感じられます」
フローラは鋭いことを言ってくるな。だが今俺は異世界転生者だと伝えても信じてもらえないだろう。
「御二人の関係も気になりますが、お店を取り戻す方法を教えてもらってもいいですか?」
「わかった。リア、頼んでいたものを持ってきてもらってもいいか?」
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