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娘達と再会
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トロルからアイリスさん達を助けた後
俺は順調に帝都までの旅を続けており、関所では元々帝国に住んでいたこともあったので滞りなく通ることができた。
そして旅で立ち寄った街の酒場でアイリスさんのことを聞いてみたところやはり貴族であることがわかった。しかもただの貴族ではない⋯⋯公爵家の方だった。
公爵家といえば国王に次ぐ権力の持ち主だ。
やはりあの時逃げたことは正解だった⋯⋯もしアイリスさん達とベルーニへと向かっていたら有無を言わさず雇われていた可能性が高い。そのようなことになれば娘達の元へ行くことなど出来なくなるだろう。
しかし何故街道沿いにトロルが現れたのか⋯⋯そしてアイリスさん達がベルーニへと到着することが出来たのかは気になる。
だが今さらそれを気にしても仕方がない。俺が出来ることは旅が何事もなく無事に終えることを祈るだけだ。
そして関所を越えてから5日ほど経ち、俺はとうとうソルシュバイン帝国の首都であるゼルードへと到着した。
どこまでも続く城壁、聳え立つ城、そして中に入るために並んでいる長蛇の列⋯⋯変わってないな。俺は10歳の時おやっさんに施設から拾われた後4年間ゼルードに住んでいたことがあり、そこで冒険者として基礎を学んだ⋯⋯だが事情があって今はもうおやっさんの所へ行くことができない。
正直な話帝都で住んでいた家へ行ってみたい気持ちもあるが行きたくない気持ちもある。
だが今は昔のことにふけている時間はない。なぜならよく知った3つの気配が段々とこちらに近づいてくることを感じたからだ。
1つは規則正しいリズムで走る凛とした気配、1つは青空のように自由を感じさせる気配、1つは全てを包み込む慈愛に満ちた気配。帝都に行くまでの12年間毎日感じていたもので誰かなど言うまでもない⋯⋯俺の最愛の娘達の気配だ。
「「「パパ~」」」
この声は忘れもしない。どれだけ聞きたいと願ったことか。俺の娘達が城壁の門からこちらへと走って向かってくる。
「会いたかったです!」
まずは身体能力が高いセレナが胸に飛び込んで来たので俺は手を広げ受け止める。
「この日が来ることを待っていたよぉ」
次にトアが俺の胸に飛び込んで来たのでセレナの時と同様に受け止める。
「ほ、本物のパパだよね⋯⋯会いたかったよ」
そして少し時間をおいて息を切らしたミリアを受け止めると、待ち焦がれた娘達が俺の腕の中におり、嬉しさで涙が出そうになる。
3人の姿を間近で見ると2年前より身長が伸び、顔つきや体型が大人っぽくなっていたが面影は変わっていなかったので、瞬時に娘達と判断することができた。その成長を間近で見れなかったことに悔しさを覚えるが、1人の人間として大人へとステップアップした姿を見てとても嬉しく思う。
そしてこれからは娘達の成長を見届けることが出来ると思うと帝都での暮らしも楽しみになってきた。
「パパ⋯⋯私騎士学校で1番になりました。褒めて下さい」
「トア⋯⋯パパがいなくて寂しかったけど頑張ったよ。褒めて褒めて~」
「どう? パパ? ボク成長して大人の身体になってきたでしょ? 褒めてもいいよ」
会ったばかりだがどうやら娘達は自分のことを褒めてほしいようだ。
「セレナは毎日欠かさず鍛練をしていたからな。よく頑張ったな」
「はい。パパに褒めて頂くのが1番嬉しいです」
セレナは2年前とは少し違う大人っぽい笑顔を浮かべていた。
「トアがいなくて俺も寂しかったよ。手紙にも書いてあったけど食事はトアが作ってくれたんだろ? セレナとミリアはとても感謝していると思う。ありがとうトア」
「うん。トアはパパに料理を教わったからね。パパに褒められるとすごく嬉しい」
トアは2年前と変わらない無邪気な笑顔を浮かべている。
「ミリアの姿を見違えたよ。以前は可愛らしかったが、今は美しさの中に可憐さがあって何て言えばいいのか言葉に困る」
「ふふ⋯⋯パパにそう言ってもらえるとボクはすごく嬉しいよ」
ミリアは満面の笑みを浮かべつつ、頬を赤くし照れているようだ。
俺はブルク村にいた時と同じようなやりとりを娘達と行い、何だか嬉しくなってきた。3人共見た目は少し変わったけど心の部分は何も変わってなくて俺はどこか安心した。
娘達と手紙ではやりとりをしていたが、実際に帝都ではどのような生活を送っていたか聞きたかった。
しかし少し前から⋯⋯いや、娘達が来てから帝都の中に入ろうと並んでいる周囲の者達がこちらに視線を向けて何か呟いている。
「おい⋯⋯あれって今有名な⋯⋯」
「凄い称号を持っている」
「可憐な三姉妹だよな」
可憐な三姉妹という点では激しく同意だ。だがすごい称号とはどういうことだ?
「パパ⋯⋯こちらに来て頂いてもよろしいでしょうか」
俺はセレナの言葉に従い帝都に入るために並んでいた列を外れる。そして他の人達と20メートルほど距離を取った所で⋯⋯。
「あそこに並んでいた人達が3人の称号について話していたけど⋯⋯」
おそらく娘達があの場から離れた理由は称号についてで間違いないだろう。俺は気になったのでストレートに聞いてみることにする。
「実はパパに黙っていたけど⋯⋯」
娘達が俺に隠し事!?
セレナに言われてショックを受けたけどよくよく考えたら娘達はもう14歳⋯⋯父親に隠し事をすることはおかしな話ではない。
「セレナ姉やトアは悪くないよ。パパに内緒にして後で驚かせようって言ったのはボクなんだ」
ミリアはそういうサプライズ好きな所は変わってないな。別に人を陥れるようなことはやらないとわかっているので、俺はミリアを怒るようなことはしない。
「怒ってないから安心してくれ。それでどんな称号をもらったんだ? 隠すほどのことだからよほどいい称号を女神アルテナ様から頂いたのか?」
称号でその人の強さやスキルが全て決まるわけではないが、能力の補正はされるので良いものをもらった方が嬉しいだろう。
何だか楽しみになってきたぞ。
そしてセレナの口が開かれようとしたその時。
「おいおい嬢ちゃん達⋯⋯そんな優男より俺達といいことしないかあ」
俺は娘達の称号について息を飲んで言葉を待っていたが突如水を差す奴らが現れる。
何だこいつらは。
俺と娘達が列から離れる様子を見ていたのか突然ガラの悪い3人の青年がこちらに来て娘達をナンパし始めたのであった。
俺は順調に帝都までの旅を続けており、関所では元々帝国に住んでいたこともあったので滞りなく通ることができた。
そして旅で立ち寄った街の酒場でアイリスさんのことを聞いてみたところやはり貴族であることがわかった。しかもただの貴族ではない⋯⋯公爵家の方だった。
公爵家といえば国王に次ぐ権力の持ち主だ。
やはりあの時逃げたことは正解だった⋯⋯もしアイリスさん達とベルーニへと向かっていたら有無を言わさず雇われていた可能性が高い。そのようなことになれば娘達の元へ行くことなど出来なくなるだろう。
しかし何故街道沿いにトロルが現れたのか⋯⋯そしてアイリスさん達がベルーニへと到着することが出来たのかは気になる。
だが今さらそれを気にしても仕方がない。俺が出来ることは旅が何事もなく無事に終えることを祈るだけだ。
そして関所を越えてから5日ほど経ち、俺はとうとうソルシュバイン帝国の首都であるゼルードへと到着した。
どこまでも続く城壁、聳え立つ城、そして中に入るために並んでいる長蛇の列⋯⋯変わってないな。俺は10歳の時おやっさんに施設から拾われた後4年間ゼルードに住んでいたことがあり、そこで冒険者として基礎を学んだ⋯⋯だが事情があって今はもうおやっさんの所へ行くことができない。
正直な話帝都で住んでいた家へ行ってみたい気持ちもあるが行きたくない気持ちもある。
だが今は昔のことにふけている時間はない。なぜならよく知った3つの気配が段々とこちらに近づいてくることを感じたからだ。
1つは規則正しいリズムで走る凛とした気配、1つは青空のように自由を感じさせる気配、1つは全てを包み込む慈愛に満ちた気配。帝都に行くまでの12年間毎日感じていたもので誰かなど言うまでもない⋯⋯俺の最愛の娘達の気配だ。
「「「パパ~」」」
この声は忘れもしない。どれだけ聞きたいと願ったことか。俺の娘達が城壁の門からこちらへと走って向かってくる。
「会いたかったです!」
まずは身体能力が高いセレナが胸に飛び込んで来たので俺は手を広げ受け止める。
「この日が来ることを待っていたよぉ」
次にトアが俺の胸に飛び込んで来たのでセレナの時と同様に受け止める。
「ほ、本物のパパだよね⋯⋯会いたかったよ」
そして少し時間をおいて息を切らしたミリアを受け止めると、待ち焦がれた娘達が俺の腕の中におり、嬉しさで涙が出そうになる。
3人の姿を間近で見ると2年前より身長が伸び、顔つきや体型が大人っぽくなっていたが面影は変わっていなかったので、瞬時に娘達と判断することができた。その成長を間近で見れなかったことに悔しさを覚えるが、1人の人間として大人へとステップアップした姿を見てとても嬉しく思う。
そしてこれからは娘達の成長を見届けることが出来ると思うと帝都での暮らしも楽しみになってきた。
「パパ⋯⋯私騎士学校で1番になりました。褒めて下さい」
「トア⋯⋯パパがいなくて寂しかったけど頑張ったよ。褒めて褒めて~」
「どう? パパ? ボク成長して大人の身体になってきたでしょ? 褒めてもいいよ」
会ったばかりだがどうやら娘達は自分のことを褒めてほしいようだ。
「セレナは毎日欠かさず鍛練をしていたからな。よく頑張ったな」
「はい。パパに褒めて頂くのが1番嬉しいです」
セレナは2年前とは少し違う大人っぽい笑顔を浮かべていた。
「トアがいなくて俺も寂しかったよ。手紙にも書いてあったけど食事はトアが作ってくれたんだろ? セレナとミリアはとても感謝していると思う。ありがとうトア」
「うん。トアはパパに料理を教わったからね。パパに褒められるとすごく嬉しい」
トアは2年前と変わらない無邪気な笑顔を浮かべている。
「ミリアの姿を見違えたよ。以前は可愛らしかったが、今は美しさの中に可憐さがあって何て言えばいいのか言葉に困る」
「ふふ⋯⋯パパにそう言ってもらえるとボクはすごく嬉しいよ」
ミリアは満面の笑みを浮かべつつ、頬を赤くし照れているようだ。
俺はブルク村にいた時と同じようなやりとりを娘達と行い、何だか嬉しくなってきた。3人共見た目は少し変わったけど心の部分は何も変わってなくて俺はどこか安心した。
娘達と手紙ではやりとりをしていたが、実際に帝都ではどのような生活を送っていたか聞きたかった。
しかし少し前から⋯⋯いや、娘達が来てから帝都の中に入ろうと並んでいる周囲の者達がこちらに視線を向けて何か呟いている。
「おい⋯⋯あれって今有名な⋯⋯」
「凄い称号を持っている」
「可憐な三姉妹だよな」
可憐な三姉妹という点では激しく同意だ。だがすごい称号とはどういうことだ?
「パパ⋯⋯こちらに来て頂いてもよろしいでしょうか」
俺はセレナの言葉に従い帝都に入るために並んでいた列を外れる。そして他の人達と20メートルほど距離を取った所で⋯⋯。
「あそこに並んでいた人達が3人の称号について話していたけど⋯⋯」
おそらく娘達があの場から離れた理由は称号についてで間違いないだろう。俺は気になったのでストレートに聞いてみることにする。
「実はパパに黙っていたけど⋯⋯」
娘達が俺に隠し事!?
セレナに言われてショックを受けたけどよくよく考えたら娘達はもう14歳⋯⋯父親に隠し事をすることはおかしな話ではない。
「セレナ姉やトアは悪くないよ。パパに内緒にして後で驚かせようって言ったのはボクなんだ」
ミリアはそういうサプライズ好きな所は変わってないな。別に人を陥れるようなことはやらないとわかっているので、俺はミリアを怒るようなことはしない。
「怒ってないから安心してくれ。それでどんな称号をもらったんだ? 隠すほどのことだからよほどいい称号を女神アルテナ様から頂いたのか?」
称号でその人の強さやスキルが全て決まるわけではないが、能力の補正はされるので良いものをもらった方が嬉しいだろう。
何だか楽しみになってきたぞ。
そしてセレナの口が開かれようとしたその時。
「おいおい嬢ちゃん達⋯⋯そんな優男より俺達といいことしないかあ」
俺は娘達の称号について息を飲んで言葉を待っていたが突如水を差す奴らが現れる。
何だこいつらは。
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