異世界転生したら『ハンペン』だけど俺は賭博駄女神(母)と追放悪役令嬢(嫁)と異世界をめっちゃ楽しく生きていく!!!!

白井伊詩

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カニカマ学園編

第24話「マッチョorショタ」

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「スピロタ・モレリア、よろしく」
「はあああーい! 今日からスピロタさんが復帰してくれました!」
 
「コーニコリス先生、いつもの五倍くらいテンション高いわね」
「無理もねえよアドルフィネ……こんなに早いとは思わなかっただろうし」
「ちゃんと僕らの評価上がっていると良いんですけどね」
 
「はーい。じゃあそこの三人、先生の話を聞いていなかったようなので、次はコーラー君のところに行ってください」
 
 コーニコリスも最近、ベーゼたちの扱いを徐々に覚えてきたのか雑に仕事を振るようになってきた。
 
「……はぁ」
 
 アドルフィネは深いため息をつくぐらいしかやることがなかった。
 
 
 ****************
 
 
 プニューダとスピロタが復帰したため、午後の授業は彼女たちの勉強の遅れを取り戻すために座学となった。座学はコーニコリスとパープレアの先生二人体制で取りかかるため、ベーゼとケルブスの二人は不登校生への説得に向った。ちなみにアドルフィネとレギウスは実践的な魔法の訓練タイマンの殴り合いをしている。
 
「はい、というわけでコーラーの部屋にやって参りました」
「どうしたの?」
「まぁ、小せえことは気にすんな」
 
 ベーゼはコーラーの部屋をノックする。
 
「はい?」
 
 顔を出したのは筋骨隆々マッチョのとても学生には見えない出で立ちの男が顔を出す。
 
「なぁ、こいつどこが頭?」
「肩に馬車でも乗っけているようだね」
 
 小さな声で二人が会話しているとマッチョが小首を傾げる。
 
 
「あの、それで二人は」
「ああ、えっと、コーラーで合ってるか?」
「はいそうですが?」
「ちょっと話がある。時間はあるか?」
「用件次第です」
 
 マッチョは目がおどおどしており自信がなさそうな表情を浮かばせている。動物が毛を逆立てて威嚇するのに似ているような印象をベーゼは持った。
 
「学校に登校してほしい」
 
 
 ガシャン。
 
 
「おっと、これは?」
「おーい、コーラー! 何で閉めるんだよ! 腹割って話そうぜ! 物理的じゃない方向でよぉ!」
「帰ってください」
「……なんだよ、その筋肉は飾りか?」
 
 ベーゼはドアの取っ手を触って鍵が掛かっていないことを確認するとドアノブを下ろした状態で蹴り開ける。
 
「ギャッ!」
 
 蹴破った感触は綿のように軽い。
 部屋を見ると、先ほどのマッチョの影も形もなく、小柄な男子が気絶していた。
 
「どういうことだ?」
「化かされたか? おーいコーラー、早く起きないと鍋にして食っちまうぞ?」
 
「はい! 起きました! なので僕を食べないでください!」
 
 セピアの髪に薄緑の目を持つショタが小動物のように縮こまって土下座を披露している。
 
「話いいかな?」
「はい」
「まず、僕はケルブス、こっちの荒くれ者はベーゼ」
「コーラー・キャラバス・ダマスター・ブラプトアイズです」
「長ッ! まぁいいや。単刀直入聞く、学校に来れないのはAクラスが原因か?」
「……そうです。アメリカーナが嫌になってそれで」
「そうか……辛かったな」
「僕を……バカにしないのですか? 女の子言いなりで何も出来ない僕を?」
「安心して、僕もベーゼも君と同じアメリカーナ被害者だ」
 
「ま、そういうことだ。仲良くしようぜ」
「うん……そういうことなら」
 
 ベーゼとコーラーは握手をする。
 
「ところで最初のあれは何だったの?」
「僕のユニークスキル『変化へんげ』です。好きな物に姿を変えることが出来る能力です。ぴっくりしたりすると解けちゃいますけど」
「へー、かっこいい能力だな、てことは、今のコーラーもこれは変化?」
「いえ、この姿が本当の姿です……すみません弱そうで」
「弱そう? まぁ、背は小さいしとてもじゃねえけど同い年には見えねえな! んだけどいいじゃねえか、背が高い他人を羨むより背の低い自分を許せる方が気楽だ!」
「ベーゼさん……」
「ベーゼでいいよ、さんなんて付けるなよそよそしくてしんどいわ」
「僕もケルブスでいいよ」
「僕はお二人のように強く……ないです。今も学校に行くのが怖くて怖くてしょうがないです」
 
 ベーゼとケルブスは顔を見合わせる。
 
「いいよ。ゆっくり時間をかけて少しずつ学校に行けるようになろう」
「それじゃ迷惑が……」
「まぁ、そんときはそんとき、見捨てるときは見捨てるってハッキリ言ってやっから怯えてろよ~」
「脅かすようなこと言わない。まぁ、そう言う事だからまずは外に出るとか、それが無理なら今日みたいに遊びに来てもいいかな」
「……それならできると思います」
「おうよ! よろしくな!」
「よろしくね」
 
 挨拶を済ませ、二人はコーラーの部屋を後にする。
 
 
「Aクラスか……」
「ベーゼ」
「……わかってる」
「それなら……いいんだ」
「でも、もし、止まらないときは頼む」
「わかった」
 
 ベーゼの中に募る怒りに共鳴するように赤紫色の痣が体の中をうごめいた。
 
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