異世界転生したら『ハンペン』だけど俺は賭博駄女神(母)と追放悪役令嬢(嫁)と異世界をめっちゃ楽しく生きていく!!!!

白井伊詩

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カニカマ学園編

第27話「水使いの男」

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 戦闘訓練の前半が終わり、後半に向けて休憩をとっていた。
 
 ベーゼはあの訓練で雷撃による傷五箇所、火球による打撲七箇所、土塊による裂傷十二箇所、骨折三箇所、計二十七箇所の傷を負った。
 
「ウソだろ……」
「小生の攻撃を……」
「そう、これがベーゼの並外れた回復力」
 
 レギウス、ローチはケルブスの説明を聞いて驚いている。
 
「しっかしド派手にやってくれてよぉ……コーニコリス先生でもここまでしなかったっつうの」
 
 多くの傷が瞬く間に修復、三十分もすれば骨折も治癒するほどの回復力を持っている。
 
「ベーゼ殿」
「どうしたローチ?」
「首に何やら赤紫色のものがついておりますよ?」
「え?」
 
 ベーゼは上着を脱いで半裸になるとケルブスに痣を確認させる。
 
「広がってるね……右胸、首まで痣が伸びてる」
「マジかよ……」
「この痣は?」
「んー、まぁいいか」
 
 ベーゼはアームカバーを外して赤紫色の痣を男共に見せる。
 
「え、義手じゃないのか」
「ローチは初めて見るもんな。どうだ? なかなかかっこいいだろ?」
「気持ちはわかる、しかしこれどう見ても呪いの類いではなかろうか?」
「色々調べてもらったが……わからず終い」
「そう言えば、ローチ殿は何かユニークスキルを?」
「あるぜ『アラガミ』っていうスキルだ。俺の体は鑑定を弾くらしく詳しいことまではわからん」
「であれば、そのユニークスキルの影響では?」
「代償みたいもんか?」
「まだ仮説の域ですが、昔、似たような人を小生は見たことがありますな」
 
「んでも、このスキルそんなに強いのか?」
 
 
「「「「強い!」」」」
 
 
「お、おう……」
「これで魔力があれば完璧なんだけどね」
「ケルブス……それは言わんでくれ……」
 
 ベーゼはアームカバーを付け直し、上着を羽織りながらため息をつく。
 
「教えてくれたついでに小生のスペリオルスキルをお教えしてもよいでござるか?」
「スペリオルスキル!?」
「うむ、小生はユニークスキルに目覚めるのもそれを熟達するのも早かったというだけでござる」
「んで? どんな能力なんだ?」
「スペリオルスキル『碧き水神アパーム・ナパート』水を自由自在に操る能力でござる」
 
 ローチは地面から水を集めると手の上に乗せて幾何学的な形に変える。
 
「さっきのはこれか」
「これに加えて、小生は水属性の魔法なら上級魔法まで使えますな」
「被ってるな……」
「上手く使えばいいだけですな」
「それもそうか、良い能力だな、ラノベの主人公かよ」
「ラノベとは?」
「ん? ああ~……気にすんな」
 
 
「はいはーい、そろそろ休憩終わりますよー! 男子生徒は裸の見せ合いをやめて戻ってきてくださーい!」
 
「先生その言い方は語弊があんだろうがよおおお!」
 
 
 コーニコリスの号令により全員が集められる。
 
「みなさん、せっかく八人全員揃ったことですし、対抗戦に出場させますね」
 
「対抗戦……!?」
「知ってるのかアドルフィネ!?」
「毎年行われている二カ国会わせての一大イベントよ。カニカマ学園とエビカマ学園の代理戦争よ」
「エビカマ……?」
「クロハンペンの学園よ」
「クロハンペン……?」
「魔族の国、ハンペンの隣国よ? ちゃんと授業を聞きなさい」
「いや……違うんだ……なんか気が抜けるワードだから……静岡の特産品が魔族の国とか思わねえだろ……」
「なんか言った?」
「なんでもねえよ!」
 
 
「はーい、囀るなー黙りなさーい」
 
 パープレアが手を叩きながら静寂を強要する。
 
「まず対抗戦には大きく分けて個人戦と連隊戦の二種類があるわ。まず個人戦は各種目二名ずつ代表として出場、知力、闘技、魔法、舞踏の四つ」
「知識はテストみたいなもんで、闘技はバトル、魔法は字の如く、舞踏……ダンス!?」
「そうよ。そしてその個人戦が全員集まって模擬戦をするのが連隊戦よ」
 
「パープレア先生が説明した通りです。ですのでこれからは対抗戦に向けた練習をしましょう。目指せ打倒Aクラスです!」
「あー、確かにAクラスも出るよな」
 
「コーニコリス先生、質問よろしいでしょうか?」
 
 ケルブスが手を上げる。
 
「はい何でしょうか?」
「対抗戦中の怪我などで貴族間に公的な問題が発生することはございますか?」
「対抗戦は国王が主催の行事です。あらゆる不利益の責任は国王の帰属しております」
「そうですか」
「でも推奨はしません」
 
 
「よく言うわね……生徒時代に八人重傷まで追いやっておいて」
 
 パープレアが毒突く。
 
「あの時は私もまだ若く、はしゃぎ過ぎていました」
 
 二人の表情から何があったのかは詳しく聞くのをやめようと決意する八名であった。
 
 
「でも、合法的にAクラスをボコれるチャンスだ! くぅ! 日頃の恨みを晴らさせてもらうぜ!」
「ベーゼにしてはいいこと言うじゃない!」
「俺もプニューダも気持ちは同じだ!」
「報復、楽しみ」
「小生も中等部時代の世話を返すでござる」
「僕もやれることは頑張るよ!」
「まずは、特訓だね」
 
 八人は頷いて気持ちを一つにするのだった。
 
「でもなんかローチは怪しいんだよなぁ」
「小生の扱い酷いですな!」
「おう、ローチ、カツサンド買ってこい、すり身じゃ無くて豚肉の方な」
「パシリぃぃ!」
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