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黒歴史
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結果、馬鹿兄弟はピアスの色を褒めちぎる方向へ、秒でシフトチェンジ。
ピアスとお揃いの色 ―蒼色に銀糸の刺繍を施した衣― を贈る事で、シュテの機嫌を直した。
俺色に包まれた嫁・・見惚れる。
馬鹿兄弟に贈られた物なのが、口惜しいが致し方ない。
素直に喜ぶ嫁が可愛いぞ。
馬鹿兄弟も、シュテに衣装の見立をしてもらい、デレデレだ。
どんだけシュテが好きなんだよ、俺の嫁だぞ!畜生!
「レン、いいブラシがあったよ。帰ったらブラッシングしようね。もっと素敵な毛並みになるよ。」
「キュワン!」嫁ぇえ!愛してるぞ!
王宮に戻った俺は、侍女達に首輪を褒められご満悦だ。
誇らしくて、尻尾もピンと立つぜ!
嫁のブラッシング最高!あまりにも気持ち良すぎて寝落ちしそうだ。
「ふふっ眠いの?船こいでる・・かわいい。お出かけで興奮して疲れたのかな?ゆっくりお休みレン。」
俺は、ぽんぽんと優しくたたかれる手の温もりと嫁の声を子守歌代わりに、夢の世界へと、堕ちていった。
俺は元の体に戻って、寝ているシュテを見下ろしていた。
やっとシュテに触れられる・・美しいシュテ、可愛い俺の番、俺の最愛。
そっと頬から唇に指を添わせ、その感触に歓喜した。
・・・てな所で目が覚めた。
「・・ふぅ。だよな?わかってた、ゆめおちだって・・・・・・・うん?」
俺しゃべってる?
わきわきと指を動かせる感触がある。
跳ね起きて、己が指を確かめる。
人化出来てる・・が指が小さい・・。
スヤスヤと眠る最愛のベットから、そっと抜け出し、姿見の所まで、ペタペタと素足どころか、すっぽんぽんで向かう。
・・頭が重い・・バランスが取りにくいぞこの体。
「・・そうきたか・・。」
姿見に写るのは、首にシュテから貰ったチョーカーをのみを身に着けた、、ケモ耳尻尾有りのツルツルプリプリ3歳の頃の俺だった。
何で歳がわかるのかって?
実家に・・・・この頃の俺を描いた、くそったれな!肖像画が山の様にあるからだよ!
深い海の様な蒼瞳、まるで銀糸の様に光る細くて繊細な髪、ピンクの艶やかな唇の女児と見まごうばかりの愛くるしい顔・・。
もちろん男なので、股にはささやかだが、ブツはついている。
歳の離れた兄達や、両親、祖父母、屋敷中の使用人からも『我が家の姫様』と呼ばれ、煌びやかなドレスを着せられ蝶よ花よと溺愛されていた頃の俺。
・・・葬りたい黒歴史だ。
思えば、この容姿の所為で何度か誘拐されたかわからない。
其の度に、犯人共を撃退して自力で帰還を果たした。
生れついての戦闘狂と世間では言われているが、俺が武闘派になったきっかけは、元々自衛の為だという切実な理由が真相だ。
「ともあれ・・じんかできたことを、よろこぶべきなのか・・。」
ううむ、女児の様可愛らしい声だ。
しゃべりも舌足らずだな。
「・・しゅて・・。」
あぁ、ホントに触れる。
小さな手をシュテの頬に添えて、そっと啄む様な口づけを贈る。
・・愛しさで死にそうだ。
目覚めないシュテに、調子に乗った俺は唇に口付けを落とす。
はぁ、番の唇の柔らかい事。
・・舌入れても起きねぇかな・・?
「・・ううん・・レン?」
あー起きちまった。咥内舐め尽くしたかったのに・・まぁいい、人化出来たんだ、機会は何時でもあるさ。
「しゅて、おはよう。」
「・・・・・・・・。」
「しょて、どうした?」
この容姿を武器にしない手はない。使えるもんは何でも使う主義だ。
俺はあざとくシュテに微笑かける。
シュテの視線は、俺の首にかかるチョーカーから、ケモ耳、尻尾と移り、最後につるつるな小さな愚息を見て、ポッと頬を赤らめ、そっとシーツで隠してくれた・・淑女だなシュテ。
「・・・レンなの?」
「そうだよしゅて。しにそうなおれをたすけてくれて、ありがとう。だいすきだよ!しゅて!」
俺はこれ幸いと嫁に抱き着き、その香りと抱き心地を堪能した。
ピアスとお揃いの色 ―蒼色に銀糸の刺繍を施した衣― を贈る事で、シュテの機嫌を直した。
俺色に包まれた嫁・・見惚れる。
馬鹿兄弟に贈られた物なのが、口惜しいが致し方ない。
素直に喜ぶ嫁が可愛いぞ。
馬鹿兄弟も、シュテに衣装の見立をしてもらい、デレデレだ。
どんだけシュテが好きなんだよ、俺の嫁だぞ!畜生!
「レン、いいブラシがあったよ。帰ったらブラッシングしようね。もっと素敵な毛並みになるよ。」
「キュワン!」嫁ぇえ!愛してるぞ!
王宮に戻った俺は、侍女達に首輪を褒められご満悦だ。
誇らしくて、尻尾もピンと立つぜ!
嫁のブラッシング最高!あまりにも気持ち良すぎて寝落ちしそうだ。
「ふふっ眠いの?船こいでる・・かわいい。お出かけで興奮して疲れたのかな?ゆっくりお休みレン。」
俺は、ぽんぽんと優しくたたかれる手の温もりと嫁の声を子守歌代わりに、夢の世界へと、堕ちていった。
俺は元の体に戻って、寝ているシュテを見下ろしていた。
やっとシュテに触れられる・・美しいシュテ、可愛い俺の番、俺の最愛。
そっと頬から唇に指を添わせ、その感触に歓喜した。
・・・てな所で目が覚めた。
「・・ふぅ。だよな?わかってた、ゆめおちだって・・・・・・・うん?」
俺しゃべってる?
わきわきと指を動かせる感触がある。
跳ね起きて、己が指を確かめる。
人化出来てる・・が指が小さい・・。
スヤスヤと眠る最愛のベットから、そっと抜け出し、姿見の所まで、ペタペタと素足どころか、すっぽんぽんで向かう。
・・頭が重い・・バランスが取りにくいぞこの体。
「・・そうきたか・・。」
姿見に写るのは、首にシュテから貰ったチョーカーをのみを身に着けた、、ケモ耳尻尾有りのツルツルプリプリ3歳の頃の俺だった。
何で歳がわかるのかって?
実家に・・・・この頃の俺を描いた、くそったれな!肖像画が山の様にあるからだよ!
深い海の様な蒼瞳、まるで銀糸の様に光る細くて繊細な髪、ピンクの艶やかな唇の女児と見まごうばかりの愛くるしい顔・・。
もちろん男なので、股にはささやかだが、ブツはついている。
歳の離れた兄達や、両親、祖父母、屋敷中の使用人からも『我が家の姫様』と呼ばれ、煌びやかなドレスを着せられ蝶よ花よと溺愛されていた頃の俺。
・・・葬りたい黒歴史だ。
思えば、この容姿の所為で何度か誘拐されたかわからない。
其の度に、犯人共を撃退して自力で帰還を果たした。
生れついての戦闘狂と世間では言われているが、俺が武闘派になったきっかけは、元々自衛の為だという切実な理由が真相だ。
「ともあれ・・じんかできたことを、よろこぶべきなのか・・。」
ううむ、女児の様可愛らしい声だ。
しゃべりも舌足らずだな。
「・・しゅて・・。」
あぁ、ホントに触れる。
小さな手をシュテの頬に添えて、そっと啄む様な口づけを贈る。
・・愛しさで死にそうだ。
目覚めないシュテに、調子に乗った俺は唇に口付けを落とす。
はぁ、番の唇の柔らかい事。
・・舌入れても起きねぇかな・・?
「・・ううん・・レン?」
あー起きちまった。咥内舐め尽くしたかったのに・・まぁいい、人化出来たんだ、機会は何時でもあるさ。
「しゅて、おはよう。」
「・・・・・・・・。」
「しょて、どうした?」
この容姿を武器にしない手はない。使えるもんは何でも使う主義だ。
俺はあざとくシュテに微笑かける。
シュテの視線は、俺の首にかかるチョーカーから、ケモ耳、尻尾と移り、最後につるつるな小さな愚息を見て、ポッと頬を赤らめ、そっとシーツで隠してくれた・・淑女だなシュテ。
「・・・レンなの?」
「そうだよしゅて。しにそうなおれをたすけてくれて、ありがとう。だいすきだよ!しゅて!」
俺はこれ幸いと嫁に抱き着き、その香りと抱き心地を堪能した。
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