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悪夢再び
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「レンが・・こんなに可愛い子に人化出来るなんて・・。兄様の言う通り犬じゃなかったんだね。」
「うん、おれおおかみ。」
「狼・・。犬でもなかったの・・。」
シュテ、気する所が其処なのか?ちょっとズレたお前も可愛いな。
俺とシュテは、朝支度の侍女達が来る迄、うふふきゃははと、思う存分じゃれ合った。
あー、朝から二人きりで、寝台でいちゃつけるなんて最高。
「シュ、シュテ様・・そちらのお子様はもしやレン様でしょうか?」
「そうなの!可愛いでしょう?レンは狼の獣人だったんだって。」
「おはよう、じじょどのたち。いままでたいへんせわになった。かんしゃしている。」
「まぁまぁまぁまぁ!なんて愛くるしいのでしょう!」
「お声も可愛らしいですわ!」
「シュテ様これは腕がなりますわね。」
「うん!そうでしょう。まぁともあれ朝食が済んでからだね。レンの分の食事も用意しておくれ。」
「はっ!そうですね!畏まりました。急ぎご用意致します!」
いつも優雅に振舞っている侍女殿が走っていったぞ・・何をそんなに興奮しているのやら?
心なしか他の侍女達の目も、獲物を見定めた様に、ギラギラしている気がするのだが・・・解せぬ。
「お着替えは用意させるから、とりあえず私の衣を巻いておこうね。」
シュテが一枚の衣をクルクルを体に巻いて肩あたりで結んでくれた。
かぐわしい嫁の匂い、気持ちだけは滾るぜ。
しかし・・王宮には子供用の食器類など常備されている物なのか?異様な速さで侍女が俺の為の小さなカトラリーと共に朝食を用意してくれたぞ。
流石に幼児用の椅子はなかったらしく、俺はシュテの膝に、ちょこんと乗せられての食事と相成った。
「レン用の椅子も用意しなくちゃね。」
「しゅてのひざのうえがいい!」
「あらあらレンは甘えんぼさんだ、ふふっ。はいもう熱くないよ、あーん。」
嫁にふーふーして貰ってからの、あーん
だと・・・・・何のご褒美だ。
「おいしい。しあわせ。しゅてすき。」
「私もレンが大好きだよ。」
「しゅてにも、おかえし。あーん。」
シュテが微笑ながら、見上げる俺の目元に口付けて、給餌を受けてくれた。
・・馬鹿ップルと言われてもいい、俺は今・・本当に幸せだ。
チビでも人化出来て良かった、神よ感謝する。
食事も終え、いつもならそのまま食後の御茶のはずだが、今日は別室に移動するようだ。
シュテに抱きかかえられ連れてこられたのは、衣裳部屋・・。
既に大勢の侍女達が、満面の笑みで楽しそうに待ち構えていた。
・・・・まさか・・・・。
「じゃあ皆よろしくね。ただし今日は小さなレンが疲れちゃうから、二組で我慢ね。」
「「「畏まりました!」」」
侍女達が二組に分かれ一斉に衣装を物色し始める。
「同色の組み合わせでいきましょう!」
「メリハリをつけたお色がいいわ!」
「こちらの翡翠色でどう?」
「いえ!瞳の御色を活かして、こちらにしましょうよ!」
うわぁ・・いつも静かな侍女達が、かしましい。
「さ、レンこちらでお茶を飲みながら待ってようね。」
「しゅて・・これ・・。」
「うん私とレンの衣装を選んでるんだよ。皆燃えてるね。レンがあまりに可愛いから触発されたんじゃないかな。ふふ侍女達が元気なのは見てて楽しいよね。」
大騒ぎな侍女達が眺めながら、部屋の端に用意されたソファーで、優雅にお茶を嗜むシュテ。
茉莉と言う花の御茶で、香り良くさっぱりとした味わいで存外美味い。
はぁ悪夢再びか・・頼むからそのピンクのドレスは止めてくれ・・。
「うん、おれおおかみ。」
「狼・・。犬でもなかったの・・。」
シュテ、気する所が其処なのか?ちょっとズレたお前も可愛いな。
俺とシュテは、朝支度の侍女達が来る迄、うふふきゃははと、思う存分じゃれ合った。
あー、朝から二人きりで、寝台でいちゃつけるなんて最高。
「シュ、シュテ様・・そちらのお子様はもしやレン様でしょうか?」
「そうなの!可愛いでしょう?レンは狼の獣人だったんだって。」
「おはよう、じじょどのたち。いままでたいへんせわになった。かんしゃしている。」
「まぁまぁまぁまぁ!なんて愛くるしいのでしょう!」
「お声も可愛らしいですわ!」
「シュテ様これは腕がなりますわね。」
「うん!そうでしょう。まぁともあれ朝食が済んでからだね。レンの分の食事も用意しておくれ。」
「はっ!そうですね!畏まりました。急ぎご用意致します!」
いつも優雅に振舞っている侍女殿が走っていったぞ・・何をそんなに興奮しているのやら?
心なしか他の侍女達の目も、獲物を見定めた様に、ギラギラしている気がするのだが・・・解せぬ。
「お着替えは用意させるから、とりあえず私の衣を巻いておこうね。」
シュテが一枚の衣をクルクルを体に巻いて肩あたりで結んでくれた。
かぐわしい嫁の匂い、気持ちだけは滾るぜ。
しかし・・王宮には子供用の食器類など常備されている物なのか?異様な速さで侍女が俺の為の小さなカトラリーと共に朝食を用意してくれたぞ。
流石に幼児用の椅子はなかったらしく、俺はシュテの膝に、ちょこんと乗せられての食事と相成った。
「レン用の椅子も用意しなくちゃね。」
「しゅてのひざのうえがいい!」
「あらあらレンは甘えんぼさんだ、ふふっ。はいもう熱くないよ、あーん。」
嫁にふーふーして貰ってからの、あーん
だと・・・・・何のご褒美だ。
「おいしい。しあわせ。しゅてすき。」
「私もレンが大好きだよ。」
「しゅてにも、おかえし。あーん。」
シュテが微笑ながら、見上げる俺の目元に口付けて、給餌を受けてくれた。
・・馬鹿ップルと言われてもいい、俺は今・・本当に幸せだ。
チビでも人化出来て良かった、神よ感謝する。
食事も終え、いつもならそのまま食後の御茶のはずだが、今日は別室に移動するようだ。
シュテに抱きかかえられ連れてこられたのは、衣裳部屋・・。
既に大勢の侍女達が、満面の笑みで楽しそうに待ち構えていた。
・・・・まさか・・・・。
「じゃあ皆よろしくね。ただし今日は小さなレンが疲れちゃうから、二組で我慢ね。」
「「「畏まりました!」」」
侍女達が二組に分かれ一斉に衣装を物色し始める。
「同色の組み合わせでいきましょう!」
「メリハリをつけたお色がいいわ!」
「こちらの翡翠色でどう?」
「いえ!瞳の御色を活かして、こちらにしましょうよ!」
うわぁ・・いつも静かな侍女達が、かしましい。
「さ、レンこちらでお茶を飲みながら待ってようね。」
「しゅて・・これ・・。」
「うん私とレンの衣装を選んでるんだよ。皆燃えてるね。レンがあまりに可愛いから触発されたんじゃないかな。ふふ侍女達が元気なのは見てて楽しいよね。」
大騒ぎな侍女達が眺めながら、部屋の端に用意されたソファーで、優雅にお茶を嗜むシュテ。
茉莉と言う花の御茶で、香り良くさっぱりとした味わいで存外美味い。
はぁ悪夢再びか・・頼むからそのピンクのドレスは止めてくれ・・。
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