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守護
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晶はこの家に二つの部屋を持っている。
勉強机や私物の置いてある子供部屋と、寝る為だけ使われるこの『寝所』だ。
『寝所』は6畳ほどの洋室で、四方壁で窓は無く、開口部は出入りの扉のみ。
そしてその室内は、安眠しやすいとは言い難い様相を呈している。
部屋の中央に置かれたベットの下に敷かれた絨毯には、明らかに魔法陣とおぼしき模様が幾重にも複雑に織り込まれ、四方の壁や天井には、古今東西の守護、魔除けがこれでもかと張り巡らされている。
まるで某ジ○リ作品にでてくる、歩く城の魔法使いの寝所の有様だ。
こららが晶の趣味かと言えば、当然違う。
小さい頃から、やっかいな物の付きまとわれ、狙われる事が多かった晶。
寝ている時が無防備で一番危険でしょう!と、ミレーヌ及びその母方の親族が突っ走った結果が、過剰なまでの防御結界使用の部屋―この『寝所』―なのだ。
唯一の出入口の扉にも、当然家族以外の出入り出来ない防御陣、廊下側には認識阻害陣で、扉が感知出来ない徹底ぶり。
民家の一室が、ここまで魔改造されているとは誰も思うまい。
「お昼はトマト味のリゾットにしてみたんだが、うちのお姫様は食欲はあるかな?」
小さな控え目のノックの後、そっと顔を野覗かせて来たのは、インテリアヤクザ顔の父の要。
「親父・・。」
恥ずかし気もなく、さらっとお姫様とか良く言えるなぁ・・。
うん・・まぁ・・表現としては間違っちゃいないか・・。
「食べるー。」
ほわっと笑って、ひな鳥の様に口をかぱっと開けている晶が可愛い。
それは良かったと、無表情のまま、すかさずスプーンで給餌する要をじっと見ている夜彦。
「どうした?お前は獣化を解いてリビングで食べてきなさい。戻るまで私がここにいるから。」
「おう・・。」
・・晶に給餌・・。
モヤモヤとする気持ちを抱え、のっそりと部屋から出て行く夜彦だった。
勉強机や私物の置いてある子供部屋と、寝る為だけ使われるこの『寝所』だ。
『寝所』は6畳ほどの洋室で、四方壁で窓は無く、開口部は出入りの扉のみ。
そしてその室内は、安眠しやすいとは言い難い様相を呈している。
部屋の中央に置かれたベットの下に敷かれた絨毯には、明らかに魔法陣とおぼしき模様が幾重にも複雑に織り込まれ、四方の壁や天井には、古今東西の守護、魔除けがこれでもかと張り巡らされている。
まるで某ジ○リ作品にでてくる、歩く城の魔法使いの寝所の有様だ。
こららが晶の趣味かと言えば、当然違う。
小さい頃から、やっかいな物の付きまとわれ、狙われる事が多かった晶。
寝ている時が無防備で一番危険でしょう!と、ミレーヌ及びその母方の親族が突っ走った結果が、過剰なまでの防御結界使用の部屋―この『寝所』―なのだ。
唯一の出入口の扉にも、当然家族以外の出入り出来ない防御陣、廊下側には認識阻害陣で、扉が感知出来ない徹底ぶり。
民家の一室が、ここまで魔改造されているとは誰も思うまい。
「お昼はトマト味のリゾットにしてみたんだが、うちのお姫様は食欲はあるかな?」
小さな控え目のノックの後、そっと顔を野覗かせて来たのは、インテリアヤクザ顔の父の要。
「親父・・。」
恥ずかし気もなく、さらっとお姫様とか良く言えるなぁ・・。
うん・・まぁ・・表現としては間違っちゃいないか・・。
「食べるー。」
ほわっと笑って、ひな鳥の様に口をかぱっと開けている晶が可愛い。
それは良かったと、無表情のまま、すかさずスプーンで給餌する要をじっと見ている夜彦。
「どうした?お前は獣化を解いてリビングで食べてきなさい。戻るまで私がここにいるから。」
「おう・・。」
・・晶に給餌・・。
モヤモヤとする気持ちを抱え、のっそりと部屋から出て行く夜彦だった。
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