好きから始まる恋愛はない

森島 樹世

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プロローグ

幕開けは告白で

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  現在、新入生の入学式を終え晴れて高校2年生になった 一条いちじょうかなで こと俺は、成績は人様に言えるようなものじゃない、第一言おうとも思わないし他人のやつを知りたいとも思わない。運動は、できないわけじゃないがこれといって得意なスポーツもない。また外見に関しては、言わずもがなフツーだ、世の中にはSNSに自分の顔写真を載せるやつがいるが、あんなのはナルシストとかイチャイチャカップルで十分だ、只どちらも見ていてイラッとすることがあるので基本SNSは見ないようにしている、結局あんなのを見ていても、俺には眩しすぎるというのが本音だ。とまぁ俺のことはこの辺でいいだろう、なんてったって、恥ずかしい
 今は、そんな状況ではないと自分に言い聞かせ、思考をこれからのことへと向けるのだった、無事成功させるために!
 

 俺は、今思えば何かきっかけがほしかったのかもしれない。
 今までの俺の人生を振り返ってみるが、思い出せば思い出すほど風景に溶け込んでいる俺がいる。うん、やっぱり落ち着く。だがしかし、それはあの日あの時までの話だ、、、。全く俺は、ばかだよ。
 
 クリスマスの日、俺はいつものように一人廊下を歩いていたのだが、学校の掲示板で俺の姿を確認する。その行為じたいに不信はいだかない。時折こうして、掲示板を見るのだが、それは楽しみとかではなく人が集まりにくいところを探すためである。学校は、何かとイベントが多くて人が集まる場所もこまめに変わる。要チェックというわけだ。この日のポスターもクリスマスって大きくかかれて、いくつか写真が貼っているようなのもなので、特にきにしていなかったのだが、写真に写っていた俺は、いつもどうり、、、ん?、、と何やら俺浮いてないか?まさか、編集が俺だけ3Dにいやっまさか!などとつまらない思考を巡らせているうちに気づいてしまったのだ。いやっ気づかされてしまった。、、、、、、
、、、俺、、一人だ、、!。
 いつも一人、友達がいないわけじゃないが基本は一人。クリスマスやバレンタインも一人。フツー誰かと一緒にいるはずの日に一人。ここにきてようやく気づいたのだ、中学生までは通用していたはずの一人で風景同化が、高校では、通用していなかったことに!思い返せば、あの時不良事件に巻き込まれた時だって、誰かといれば回避できたはずなのだ。
そもそも、俺にはその誰かがいない。休日も一緒にいてくれる、学校のイベントのときも、遊びに行くときも、そんな都合のいいやついないよっと思考したところで、ハッとひとつの回答にたどり着く。
 この時の俺は、自分が背景同化できていないことに焦りを感じていたのかもしれない、、でないとあんな答えにたどり着くわけがないと思っているが、すでに今さらな気もする、この時すでに、柄にもなくいつも慎重な俺が決心していたからだ。

 
俺もカップルになればいいのだと!これで、またいつもみたいに風景に溶け込める、、、我ながら実にあほな回答だとは気づかなかった。
 まず、相手を見つけないとっ!そう言ってがらにもなくはや歩きをしその場を去ったのだった。




 

    ーー 学校のシークレットスペースその1 ーー

 そして現在。時刻は放課後。我ながらによくやったと思う、それもそのはず今朝、朝一で登校し名前しか知らない相手の靴箱を探し、ラブレターを放り込んできたのだ。誰かに見られなかったことよりも靴箱を探しだせたことに安堵したあたり、告白に必死だという思いが伝わる。
 呼び出し場所に選んだのはあまり人気のない所、だけど人気スポットにえらばれてしまっている。というのも、この場所は呼び出すには定番すぎるが、人気の少なさから恋人や告白目的の男女それから一部の男男?にもなぜか、人気の高い本校の数あるシークレットスペースの一つだからなのだが、みんなが知っている時点でシークレットではないことについては、暗黙の了解のようだ。また、この場所でどんなことが行われているのか皆わかっているので、そんなリア充空間や青春真っ只中的な雰囲気を害するような勇気のあるやつもいないのである。まっ当の本人たちは、気にする間もなくイチャイチャしたりしているようだが。

そんな、校内中庭付近の校舎裏で一人。
 俺は、校舎の壁に身を預けながらちょっとカッコつけて立ってみたり、ヤンキーのような座りかたでしゃがみこんでみたり、こんな姿を誰かに見られたらっと我に返ってみたりするが、それが逆効果だったようで、これから自分がやろうとしていることに悶々としている。
 そんなこんなであの人を待っているのだが。こういう状況だからだろうか、柄にもなく詩的な言葉を思い出してしまう。
 恋人を待っているその時間でさえも幸せだと、まぁまだ彼女ですらないのだけど。でも今は幸せというよりも、むしろ気負いしそーな程に緊張してしまっている。
 
しかし、端からみれば今やっている行動のどこに俺の緊張感を真意に感じることができるのだろか。普段の俺なら、気づいていたはずの自分の異様な行動に、この時ばかりは気づくことができない程に緊張していたのだろう。

 とまぁ
 「そろそろ時間か」そう呟いてふと見下ろした腕時計を見て時刻を確認する。時刻は11時半、ラブレターに書いた時間の10分前だ。今日は入学式で学校も午前中には終わるのでこの時間にしたのだ。もぉそろそろ終令が終わってやって来る頃なんじゃないかなぁ、、、、、、。
     
      腕時計の長針は、約束の時間の8の上。

もぉそろそろかなぁ、、、、、。
     
      針が10の上を通りすぎ、遂に12の上。

 あと、10分くらい、、、。

     そして、腕時計を見るの止め。

 あと、、。

 、、、。
 
って来ねーじゃねーか!!もう1時間近くたってんじゃねーかよ。何これ、新手のいじめとかじゃねーよな、などとつまらない思考を働かしていたところに

 コツコツコツ

 とどこか余裕のある足音が近ずいているのがわかった。俺はこの音を知っているというかさっきの入学式で聞いたのだ。、、てか、なんで会長が、、、?新入生歓迎の挨拶の登壇、その姿に全校生徒の誰もが見惚れていた。艶やかな黒髪ストレート、少しつり上がった大きな目、はっきりとした鼻筋に、ぷるっとした小さな口、どこをどう見ても美少女であるこの学校の生徒会長 黒咲くろさき紗由理さゆりに。、、、ん?あれ?くろ、、さきってどっかでって、、、、、あーーーーーー!!!

 目が泳ぐ、調べれば直ぐにわかったはずなのに、自分のしたことが大きな過ち。しかし、今さらだどーしようもない。呼び出したのは俺だし、ここには、誰もいないよって逃げたところで後々ばれる、名前書いちゃったもんねーー。何開きなおってんだよ俺、いつもみたいにネガティブでいろよ!そうこうしているうちに足音が次第に大きくなる。その音につられて俺の心臓は自分でも聞こえてくるほどの爆音を鳴らしながら鼓動をしている。ドキドキとかじゃない、そんなものがあるはずがない、、ドクドクだ!まるで、お化け屋敷に入ったときと同じ。恐怖だよ。こーなったら仕方ない先手必勝で何か言ってここから逃げ出そうと考え、一旦落ち着こうと深呼吸でも始めようかとした瞬間。
 
 「一条?くんでいいのかな?、、、あのこれ、ラブレターでいいんだよね?」
 
 
 「ひゃぁい!」

 俺の馬鹿ーー!なんで、目の前にいるのに深呼吸してるの?思わず吸いながら答えたよね?お陰で裏返ったよ!あほだよね?何先手必勝って?そんなひまなかったじゃん!今度は、落ちついて、、、逃げよう!

 「すみません、変な声出してしまって。それでは俺はこの辺で!」

 スッ!ダダダダダッーー!!   ガシッ!

咄嗟に俺は、強行突破を企んだのだがすんでのところで肩を捕まれる。なにこの圧力、、、。

 「何かな?私にようだよね?一条くん!」

 てか、この人笑ってないよね?いつものあの感じないよね?このままでは、殺される!そう思った瞬間俺は、会長の耳元で

 「不良」

っと一言。次の瞬間、

 「えっ!?」

 という会長の声とともに、拘束が緩みその隙に体をひねらせ逃げ出すことに成功。

 ダダダダダダーーーーーッ!

 会長は、追いかけてはこないようだ。ごめんなさい、あんな態度であんなこといってしまって、とせめてもの罪滅ぼしとして、曲がり角になぜかクッキーとごめんなさいっと書いたメッセージをおいたのだった。そして、再度走りだす。 

 

 
  ーー 住宅街 ーー

 校門を出てしばらく道なりに走ったところで。さっきの出来事を振り返る。にしても、黒咲 紗由理まさかあの人だったとはねぇ。ホントに自分でも、取り返しのつかないことをしてしまったと、深く反省するつもり。あの顔を思い出したら素直に反省できないんだよ‼
 まっあんな感じの人だから俺のことなんて直ぐに忘れるだろう!
 そう言い聞かせ、いつの間にか止まっていた足を再び動かすのだった。


 そして、この時の俺は自分の事で頭がいっぱいで、今日が何の日か忘れていたことを後々後悔することを知るよしもなかった。


   ーー 多分どっかの高層マンション ーー

 一方その頃、とある高層マンションの最上階の一室では、

 「んなぁーーー、なんなんだよあいつ告白するのかと思って、いつも貰うラブレターより字がきれいだったから、いつもより優しい会長で話しかけたのに、返答せずに帰ろうとするし、逃げたから取っ捕まえて訳聞こうとしたら、あいつあの時のこと覚えてやがったし、あげくの果てには、曲がり角にクッキーって何がしたいんだよ‼」

 そんな彼女の愚痴を電話ごしに聞いていた、いや聞かされていた彼女は、紗由理の妹のゆみである。

 『まぁ、仕方ないんじゃない?、、、っぷす、相手は、緊張してたんだと思う、、っぷふ、、よ?同級生?、それとも後輩?っぶふ』

 何やら笑っているようだが、気にせず質問に答える。

 「いやっごめん、それが名前以外何にも、、だって突然走ってどっか行っちゃたから!」

 その答えを聞いてゆみの中で何かこらえられなくなったようで、遂に大声で笑い出した。

 「アハハハハハハッ!キャハハハ!!キャハハハハハハ‼、、、、ハーーフーー、、ハーーフーー」

 そして、心を落ち着かせるため深呼吸をしたが。突然笑いだしたゆみに疑問を浮かべ、ゆみに訳を聞く、今日の出来事も相まって、それにさっきから実は気になっていたので

 「なによ!何で笑ってるのあんた!」

 いつもより、口調が強くなる。そんな姉を知ってか知らずかゆみは笑うのをこらえながら答えた。

 『だって、、、話し聞いてると、まるでおねぇちゃんがフラれたみたいなんだもん、、ッフフッ!アハハハハァッ告白されると思って行ったら逃げられるとか、ほんとやばいよ!ッンフフ!』

 どーやら抑えたつもりの笑い声が漏れまくっているようだ。

 「んなっ!あんたねーいいかげっ、」

 と言いけたところで妹がしゃべり出す。さすがわ妹、姉の爆発をすんでのところで止めた。

 『おねぇちゃんは、もっと女を磨いた方がいいんじゃないの?んっともぉこんな時間ごめんおねぇちゃん続きはまた今度!じゃっ!おやすみぃ~』

 「えっ?ねぇゆみ!ってあぁ~」

 とまぁ、こんな台風のような妹に電話をいきなり切られると同時に今日の出来事への不満も少しは、和らいだのだった。が今日二人の人に逃げられたことに気づいたのは、翌朝のことだった。



  

  ーー 一条家2階、奏の部屋 ーー

  俺は、今日の出来事を全て忘れようとベットに潜りまぶたを閉じたのだった。

 そして、この日の告白?を幕開けとばかりに俺の日常は、変わっていくことを。俺はまだ気づいていないのだ。




 
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