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08:露見
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「ふぅぇ……?」
変な声が出てしまった。
待って、待って待って!
バレてる?
そろり、と若干恐怖しながら春姫ちゃんの様子をうかがうと、彼女はわたしの瞳の奥をのぞきこむようにこちらを見ていた。
「なんて言うんだろう? こう、信頼関係? みたいなものが二人にはないよね」
なんとか誤魔化さないと……。
「そ、そう……かな? 付き合ったばっかりだから……かも……」
「あ」
横にいた奏斗くんが〝マズい〟とでも言いたげな声をあげる。
「あれ……さっき奏斗くんに聞いたら付き合い始めたの去年って言ってたよ?」
……やっちゃった。
奏斗くんとちゃんと打ち合わせしとくべきだったと後悔してももう遅い。
「なーんだ、やっぱり付き合ってないんじゃん!」
「ハァ? おまえら嘘吐いてたのかよ」
嬉しそうな春姫ちゃんの声と驚きに満ちた瑞希の声。
ああ、もう誤魔化せない。
「二人で謎解きしてるときに、奏斗くんに聞いてみたの。奏斗くんと莉衣ちゃんのこと。だからなんか変だなって」
「どういうことだよ! 俺に嘘ついてたってことかよ!」
どうしよう。収拾がつかないんだけど……。
「えーっと、それは……」
「待った待った待った!」
「奏斗くん?」
奏斗くんがわたしたちの間に割って入ってきて止める。
「言いたいことがあんのは分かるけど、ここで長話は無理っしょ?」
わたしたちは周りを見回す。
うん、確かに。
だって脱出ゲームの真っ最中だし。
こうして奏斗くんのおかげで瑞希たちの追及が止まった。
また奏斗くんのお世話になっちゃった……。
奏斗くんの方を見ると、返ってきたのはかっこいいウインク。
困ったな……奏斗くんはなんでこんなによくしてくれるんだろう?
このままだと〝奏斗くんがわたしを好きだから〟なんて馬鹿な勘違いをしちゃいそうだよ。
「はい、おめでとうございます! 時間ギリギリ、脱出成功です‼」
スタッフさんに見送られて、わたしたちは脱出ゲームの施設を後にした。
瑞希たちにバレてしまってからは脱出ゲームに全然集中できなかった。あのあとの部屋が最後の一つで本当によかった。
「じゃあさ、カラオケでも行こっか」
春姫ちゃんの提案に、わたしはなんでカラオケなんだろうと疑問を抱きつつも曖昧に頷いた。
放課後はメイドのお仕事があるからあんまりカラオケって行ったことないんだけど、定番のスポットなのかな。
とかのんきなことを考えていたら――。
「カフェじゃ話しにくいもんね。二人の関係」
……なるほど、そういうことね。
わたしと奏斗くんの関係を聞き出すには個室になってるカラオケが好都合ってワケか。
「あの……奏斗くん」
バレてしまったのだから、ここから先はわたしが二人に説明すればいいだけのこと。
これ以上巻き込めないから先に帰ってもらおうとすると。
「はいはい。言いたいことバレバレ。俺も一緒に行くからな」
「えぇ……そんな。申し訳ないというか……」
「ここで莉衣一人置いて帰るはずないだろ。この近くのカラオケは……」
帰るのは断固拒否、とアピールするようにスマホでカラオケを探し始めてしまった。
見つけた後は、「ほら行くぞ」と率先して行動してるし。
わたしは説明するのにちょっと憂鬱なのに、奏斗くんはすごいな。
カラオケまでの道のりでわたしは一言もしゃべらなかった。ずっとずっと奏斗くんとのことをどう説明するかで頭がいっぱいだったから。
「で、どういうことなんだよ」
ドリンクバーで各々好きな飲み物を持ってきてソファに座った。それから間を置くことなく瑞希の追及が始まる。
「……ごめんね、瑞希のこと騙して」
「そいつはいったい誰なんだよ! 莉衣のなんなんだよ!」
「奏斗くんは……わたしにとってすごく大事な人。でも付き合ってるわけじゃないんだ。だから恋人っていうのは嘘なの。ごめん」
恋人という関係にないだけで、わたしが奏斗くんを大切に思ってることに嘘はない。
「莉衣……」
奏斗くんがわたしの名前を口ずさむのを聞きながら、わたしの目は瑞希を見つめていた。
瑞希の顔がグッと歪む。
「なんだよ、それ! 結局こいつが莉衣の彼氏でもなんでもねぇってことだろ! こんなやつを連れてきてどういうつもりなんだよ!」
「わたし……彼氏がいないって言い出せなかったから……。だから奏斗くんにお願いして一緒に来てもらったの」
どうして言い出せなかったのかは伝えない。瑞希がわたしのことを今でも好きかもしれないから、なんて思ってたことを知られてたらさらに彼を怒らせてしまうかもしれない。
「ハッ……! 見栄張るためにダミーの彼氏用意したのかよ」
瑞希は馬鹿にしたように嘲笑った。
変な声が出てしまった。
待って、待って待って!
バレてる?
そろり、と若干恐怖しながら春姫ちゃんの様子をうかがうと、彼女はわたしの瞳の奥をのぞきこむようにこちらを見ていた。
「なんて言うんだろう? こう、信頼関係? みたいなものが二人にはないよね」
なんとか誤魔化さないと……。
「そ、そう……かな? 付き合ったばっかりだから……かも……」
「あ」
横にいた奏斗くんが〝マズい〟とでも言いたげな声をあげる。
「あれ……さっき奏斗くんに聞いたら付き合い始めたの去年って言ってたよ?」
……やっちゃった。
奏斗くんとちゃんと打ち合わせしとくべきだったと後悔してももう遅い。
「なーんだ、やっぱり付き合ってないんじゃん!」
「ハァ? おまえら嘘吐いてたのかよ」
嬉しそうな春姫ちゃんの声と驚きに満ちた瑞希の声。
ああ、もう誤魔化せない。
「二人で謎解きしてるときに、奏斗くんに聞いてみたの。奏斗くんと莉衣ちゃんのこと。だからなんか変だなって」
「どういうことだよ! 俺に嘘ついてたってことかよ!」
どうしよう。収拾がつかないんだけど……。
「えーっと、それは……」
「待った待った待った!」
「奏斗くん?」
奏斗くんがわたしたちの間に割って入ってきて止める。
「言いたいことがあんのは分かるけど、ここで長話は無理っしょ?」
わたしたちは周りを見回す。
うん、確かに。
だって脱出ゲームの真っ最中だし。
こうして奏斗くんのおかげで瑞希たちの追及が止まった。
また奏斗くんのお世話になっちゃった……。
奏斗くんの方を見ると、返ってきたのはかっこいいウインク。
困ったな……奏斗くんはなんでこんなによくしてくれるんだろう?
このままだと〝奏斗くんがわたしを好きだから〟なんて馬鹿な勘違いをしちゃいそうだよ。
「はい、おめでとうございます! 時間ギリギリ、脱出成功です‼」
スタッフさんに見送られて、わたしたちは脱出ゲームの施設を後にした。
瑞希たちにバレてしまってからは脱出ゲームに全然集中できなかった。あのあとの部屋が最後の一つで本当によかった。
「じゃあさ、カラオケでも行こっか」
春姫ちゃんの提案に、わたしはなんでカラオケなんだろうと疑問を抱きつつも曖昧に頷いた。
放課後はメイドのお仕事があるからあんまりカラオケって行ったことないんだけど、定番のスポットなのかな。
とかのんきなことを考えていたら――。
「カフェじゃ話しにくいもんね。二人の関係」
……なるほど、そういうことね。
わたしと奏斗くんの関係を聞き出すには個室になってるカラオケが好都合ってワケか。
「あの……奏斗くん」
バレてしまったのだから、ここから先はわたしが二人に説明すればいいだけのこと。
これ以上巻き込めないから先に帰ってもらおうとすると。
「はいはい。言いたいことバレバレ。俺も一緒に行くからな」
「えぇ……そんな。申し訳ないというか……」
「ここで莉衣一人置いて帰るはずないだろ。この近くのカラオケは……」
帰るのは断固拒否、とアピールするようにスマホでカラオケを探し始めてしまった。
見つけた後は、「ほら行くぞ」と率先して行動してるし。
わたしは説明するのにちょっと憂鬱なのに、奏斗くんはすごいな。
カラオケまでの道のりでわたしは一言もしゃべらなかった。ずっとずっと奏斗くんとのことをどう説明するかで頭がいっぱいだったから。
「で、どういうことなんだよ」
ドリンクバーで各々好きな飲み物を持ってきてソファに座った。それから間を置くことなく瑞希の追及が始まる。
「……ごめんね、瑞希のこと騙して」
「そいつはいったい誰なんだよ! 莉衣のなんなんだよ!」
「奏斗くんは……わたしにとってすごく大事な人。でも付き合ってるわけじゃないんだ。だから恋人っていうのは嘘なの。ごめん」
恋人という関係にないだけで、わたしが奏斗くんを大切に思ってることに嘘はない。
「莉衣……」
奏斗くんがわたしの名前を口ずさむのを聞きながら、わたしの目は瑞希を見つめていた。
瑞希の顔がグッと歪む。
「なんだよ、それ! 結局こいつが莉衣の彼氏でもなんでもねぇってことだろ! こんなやつを連れてきてどういうつもりなんだよ!」
「わたし……彼氏がいないって言い出せなかったから……。だから奏斗くんにお願いして一緒に来てもらったの」
どうして言い出せなかったのかは伝えない。瑞希がわたしのことを今でも好きかもしれないから、なんて思ってたことを知られてたらさらに彼を怒らせてしまうかもしれない。
「ハッ……! 見栄張るためにダミーの彼氏用意したのかよ」
瑞希は馬鹿にしたように嘲笑った。
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