愛想笑いの吸血鬼

いち

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ヴィアンド (3/5)

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 ……

「レブ、レブ」
「ん……」

 寝室のベッドの上、ゆすり起こされたレブはゆっくりと瞼を持ち上げる。

「あ……寝ちゃってたんだ、俺」
「ふふ。夕食を持ってきましたよ」
「……フューネが起きてる」
「もう夕方ですからね」

 赤いカーテンの隙間からふわりとほほ笑むフューネの方へ、寝返りをしたレブは目をこする。

「私が起きたときにはレブもベッドに居ましたよ」
「あー……少し畑で気晴らしして、すぐに帰って来たんだ」
「そうでしたか」

 レブは起き上がってベッドから下りた。

「いい香りがするね」
「今日はミネストローネです。さあ召し上がれ」
「ありがとう」

 テーブルには湯気をたてるミネストローネと、きつね色のパンが置かれていた。

 レブは椅子に座ると、早速パンにかじりつく。

「ん……美味しい」
「よかった。私もようやく用事が済みました」
「?」

 レブが椅子に座ったまま顔を上げると、フューネは胸ポケットから小さな瓶を取りだして机に置いた。

 透明な瓶に入った桃色の液体のほうへレブが視線を落とす。

「えーっと、なんとなく予想はつくんだけど」
「先ほど完成しました!」
「う、うん。いい笑顔……上手くいったんだね」

 フューネが瓶を揺らすと中にある液体が微かに光っている。

「久しぶりに集中しましたが、今夜たっぷり補充できると思うと苦ではなくて」
「それ飲んで大丈夫なやつ?」
「もちろん。殆ど私の唾液ですし」

 話していたフューネはふとテーブルの脇に置かれたワインを持ち上げる。

「そう言えば、このワインはレブが?」
「あっ、えっと……」

 レブは無言で頷いた。

 そのうちにフューネはワインへの興味をなくしたのか、出来上がった媚薬を再び揺らした。


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