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よし、店を探そう!
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アイクが目を覚ますとそこには知らない天井が広がっていた。…というわけでもなく、昨日見た少し汚れている天井が広がっていた。
昨日は昼の十二時に寝たのにも関わらず朝起きた時には既に九時を過ぎていた。丸一日近く寝たのにまだ眠たく感じるため、布団から出られない。三十分後にようやく布団から出ることができた。
部屋の扉の方を見ると、朝食らしきものが置いてある。
宿の人が持ってきてくれたのだろうか。
少し申し訳ないなと思いつつも、特に気にせず朝食を食べ始め、今日何をするかを考える。
店を構えるためには、立地などがいい感じの物件を探したり、魔道具を作るための材料を買ったりする必要がある。なのでまずはそれらの準備が必要になるだろう。
魔道具を作るには、それを形作るための材料が当然必要になるが、それに加え魔物の素材も必要になる。
アイクのいる国では、冒険者と呼ばれる人々がおり、町の外に現れる魔物を狩ったりいろいろな依頼を受けて仕事をしたりしている。
簡単に言うとちょっと力が強い何でも屋みたいな感じだ。
収入は人によって大きく差があり、ランクが高い人は貴族顔負けの豪邸をいくつか持っているらしいが、そうでない人は極貧生活を送っているらしい。
魔物の討伐は危険度が高い分報酬も高いので、ほとんどの冒険者は魔物の討伐を専門的に行っているのだそう。
冒険者に関することの全てを管理している組織はギルドと呼ばれていて、アイクはそこから魔物の素材を買う予定だ。
朝食を終えてから顔を洗い、衣服を整える。そしていい感じの物件を見つけるために不動産に向かう。
宿を出て五分もしないうちに目的の店が見えてきた。
事前にギルドによってお金をいくらか引き出しておいた。ギルドではお金を預けることもできるので、アイクはずっとギルドにお金を預けていた。かなり多めに引き出してきたので足りないということはないだろう。
それでも直前になって不安になり、もう一度自分の所持金を確認してから店に入る。
「らっしゃっしゃっせ~。何かお探しですか?」
店に入るなりすぐに気さくそうな二十代くらいの女性店主に話しかけられた。早速どんな物件を探しているのかを伝える。
「え~と、実は魔道具店を新しく開きたくて人通りがそこそこでギルドから近くて三階建てのところを探しているんですけど…ありそうですか?」
「んー、なるほど。その条件だとここくらいしかないかな」
提示された物件は人通りがそこそこで、ギルドから近くて、三階建てでという条件にぴったりのものだった。条件を伝えたものの本当にぴったりの物件があると思っていなかったので驚いた。
しかも前の持ち主がポーション屋を経営していたらしく、カウンターや商品棚などが残っているらしい。
店の準備が少なくて済みそうだ。これはいい感じだなと思いつつ購入する旨を伝える。
料金は一括で支払えるのでこの場で全て払った。
その額およそアイクの給料五年分。予算に余裕はあるがこんなにも高い買い物をしたのは初めてなので思いの外緊張した。
「はーい、お買い上げありがとうございます。じゃ、今ちょうど暇なんでそこまで案内しますね」
「ありがとうございます。わざわざすみません」
なんとわざわざ案内までしてくれるそうだ。世の中まだまだ捨てたものじゃないな。
親切な店主の好意に甘えつつ、自分のものとなった家へと向かう。
「はーい、着きましたよ」
「…思ったより大きいですね」
「それはよかった。ここはもう君のだけど、困ったら連絡してね」
「はい、わざわざありがとうございました。」
礼を告げると店主はご満悦の表情で店へと帰っていった。
近年まれに見るいい人だった。どこかのクソ上司にもぜひ見習ってほしい。
アイクはもう一度目の前の建物を見る。
外観は周囲の建物と比べてもかなりきれいに見える。管理がしっかりなされていたようで傷は一つも確認できなかった。
中に入ってみると、外からは想像できないくらい広々とした空間が広がっていた。
見てみると本当にカウンターや商品棚が残っている。配置等も問題なさそうだ。
一階にある設備を確認してから二階に上がる。ちなみにだが一階は店に、二階は住むところにする予定だ。三階は余ったので研究室でも作ろうかと思っている。
アイクは背負っていたバッグから荷物を取り出す。
取り出したものはそのバッグよりも遥かに大きいベッドや机、椅子などだ。
なぜこんなちっぽけなバッグに、その何十倍も大きいベッドや机、椅子などが入っていたのか。
それはこのバッグが魔道具になっているからだ。
これは『マジックバッグ』というアイクオリジナルの魔道具で、物を無限に入れられる上に、中に入れた食べ物などは腐らないという優れもの。我ながらなかなかすごいものを作ったものだ。
アイクのいた職場では、これを来月から作ることになっていたのだが、アイクがクビになったので作れなくなってしまっただろう。ざまあ。
などと思いつつ家具を設置し、三階には魔道具の研究に必要なものを並べていく。
一時間ほどかけてようやく作業を終えた。最近はほとんど運動していなかったので腰がとんでもなく痛い。だがその甲斐あってなかなかいい感じになった。
一時間ぶっ続けで作業をして、さすがに疲れたので休憩をとる。
そこでアイクは考える。これからどうやって魔道具店を経営していくべきだろうかと。
例えば、どんな魔道具を扱うのかというのは非常に大切だ。
今アイクが売ろうと考えているのは生活するのに必要不可欠な魔道具だ。
(浄水コップ→汚い水に使うとアホみたいにきれいになるぞ!)
(万能ランプ→暗い部屋を明るく、明るい部屋を暗くできる!昼間から寝られるぞ!)
(思念ペン→思ったことを自動で書いてくれるぞ!)
(万能毛布→暑い夏にはヒンヤリ、寒い冬にはポカポカするぞ!)
ぱっと思い付くのはこんなものだろう。
時計を見ると時刻は二時過ぎ。今日はまだ時間が余っているので早速今挙げた魔道具を作ることができるだろう。これらの魔道具は需要がそれなりにあるので多めに作っておく必要がある。腰が少し痛むが、まあ問題ないだろう。
アイクとしては、できれば今日中に魔道具を作り終え、明日は無理にしろ、明後日からは店を始めたい。
(まあでも、これくらいの量なら夕方までには終わりそうだな)
宮廷で働いていた頃にこれの何倍もの量をこなしていたアイクからしてみれば楽勝だった。多いときはこの十倍の量を一日で終わらせたこともあった。
(やっぱり魔道具を作るのは楽しいな)
浄水コップのような簡単な魔道具を作るのは久々だったので少し懐かしく感じた。
その日はいつもより楽しく作業ができた。
昨日は昼の十二時に寝たのにも関わらず朝起きた時には既に九時を過ぎていた。丸一日近く寝たのにまだ眠たく感じるため、布団から出られない。三十分後にようやく布団から出ることができた。
部屋の扉の方を見ると、朝食らしきものが置いてある。
宿の人が持ってきてくれたのだろうか。
少し申し訳ないなと思いつつも、特に気にせず朝食を食べ始め、今日何をするかを考える。
店を構えるためには、立地などがいい感じの物件を探したり、魔道具を作るための材料を買ったりする必要がある。なのでまずはそれらの準備が必要になるだろう。
魔道具を作るには、それを形作るための材料が当然必要になるが、それに加え魔物の素材も必要になる。
アイクのいる国では、冒険者と呼ばれる人々がおり、町の外に現れる魔物を狩ったりいろいろな依頼を受けて仕事をしたりしている。
簡単に言うとちょっと力が強い何でも屋みたいな感じだ。
収入は人によって大きく差があり、ランクが高い人は貴族顔負けの豪邸をいくつか持っているらしいが、そうでない人は極貧生活を送っているらしい。
魔物の討伐は危険度が高い分報酬も高いので、ほとんどの冒険者は魔物の討伐を専門的に行っているのだそう。
冒険者に関することの全てを管理している組織はギルドと呼ばれていて、アイクはそこから魔物の素材を買う予定だ。
朝食を終えてから顔を洗い、衣服を整える。そしていい感じの物件を見つけるために不動産に向かう。
宿を出て五分もしないうちに目的の店が見えてきた。
事前にギルドによってお金をいくらか引き出しておいた。ギルドではお金を預けることもできるので、アイクはずっとギルドにお金を預けていた。かなり多めに引き出してきたので足りないということはないだろう。
それでも直前になって不安になり、もう一度自分の所持金を確認してから店に入る。
「らっしゃっしゃっせ~。何かお探しですか?」
店に入るなりすぐに気さくそうな二十代くらいの女性店主に話しかけられた。早速どんな物件を探しているのかを伝える。
「え~と、実は魔道具店を新しく開きたくて人通りがそこそこでギルドから近くて三階建てのところを探しているんですけど…ありそうですか?」
「んー、なるほど。その条件だとここくらいしかないかな」
提示された物件は人通りがそこそこで、ギルドから近くて、三階建てでという条件にぴったりのものだった。条件を伝えたものの本当にぴったりの物件があると思っていなかったので驚いた。
しかも前の持ち主がポーション屋を経営していたらしく、カウンターや商品棚などが残っているらしい。
店の準備が少なくて済みそうだ。これはいい感じだなと思いつつ購入する旨を伝える。
料金は一括で支払えるのでこの場で全て払った。
その額およそアイクの給料五年分。予算に余裕はあるがこんなにも高い買い物をしたのは初めてなので思いの外緊張した。
「はーい、お買い上げありがとうございます。じゃ、今ちょうど暇なんでそこまで案内しますね」
「ありがとうございます。わざわざすみません」
なんとわざわざ案内までしてくれるそうだ。世の中まだまだ捨てたものじゃないな。
親切な店主の好意に甘えつつ、自分のものとなった家へと向かう。
「はーい、着きましたよ」
「…思ったより大きいですね」
「それはよかった。ここはもう君のだけど、困ったら連絡してね」
「はい、わざわざありがとうございました。」
礼を告げると店主はご満悦の表情で店へと帰っていった。
近年まれに見るいい人だった。どこかのクソ上司にもぜひ見習ってほしい。
アイクはもう一度目の前の建物を見る。
外観は周囲の建物と比べてもかなりきれいに見える。管理がしっかりなされていたようで傷は一つも確認できなかった。
中に入ってみると、外からは想像できないくらい広々とした空間が広がっていた。
見てみると本当にカウンターや商品棚が残っている。配置等も問題なさそうだ。
一階にある設備を確認してから二階に上がる。ちなみにだが一階は店に、二階は住むところにする予定だ。三階は余ったので研究室でも作ろうかと思っている。
アイクは背負っていたバッグから荷物を取り出す。
取り出したものはそのバッグよりも遥かに大きいベッドや机、椅子などだ。
なぜこんなちっぽけなバッグに、その何十倍も大きいベッドや机、椅子などが入っていたのか。
それはこのバッグが魔道具になっているからだ。
これは『マジックバッグ』というアイクオリジナルの魔道具で、物を無限に入れられる上に、中に入れた食べ物などは腐らないという優れもの。我ながらなかなかすごいものを作ったものだ。
アイクのいた職場では、これを来月から作ることになっていたのだが、アイクがクビになったので作れなくなってしまっただろう。ざまあ。
などと思いつつ家具を設置し、三階には魔道具の研究に必要なものを並べていく。
一時間ほどかけてようやく作業を終えた。最近はほとんど運動していなかったので腰がとんでもなく痛い。だがその甲斐あってなかなかいい感じになった。
一時間ぶっ続けで作業をして、さすがに疲れたので休憩をとる。
そこでアイクは考える。これからどうやって魔道具店を経営していくべきだろうかと。
例えば、どんな魔道具を扱うのかというのは非常に大切だ。
今アイクが売ろうと考えているのは生活するのに必要不可欠な魔道具だ。
(浄水コップ→汚い水に使うとアホみたいにきれいになるぞ!)
(万能ランプ→暗い部屋を明るく、明るい部屋を暗くできる!昼間から寝られるぞ!)
(思念ペン→思ったことを自動で書いてくれるぞ!)
(万能毛布→暑い夏にはヒンヤリ、寒い冬にはポカポカするぞ!)
ぱっと思い付くのはこんなものだろう。
時計を見ると時刻は二時過ぎ。今日はまだ時間が余っているので早速今挙げた魔道具を作ることができるだろう。これらの魔道具は需要がそれなりにあるので多めに作っておく必要がある。腰が少し痛むが、まあ問題ないだろう。
アイクとしては、できれば今日中に魔道具を作り終え、明日は無理にしろ、明後日からは店を始めたい。
(まあでも、これくらいの量なら夕方までには終わりそうだな)
宮廷で働いていた頃にこれの何倍もの量をこなしていたアイクからしてみれば楽勝だった。多いときはこの十倍の量を一日で終わらせたこともあった。
(やっぱり魔道具を作るのは楽しいな)
浄水コップのような簡単な魔道具を作るのは久々だったので少し懐かしく感じた。
その日はいつもより楽しく作業ができた。
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