6 / 53
開幕
自分色と幼馴染
しおりを挟む
「もう‼ 本当に‼ 本当に‼ むかつくぅ‼」
咲夜は僕の膝の上に座りながら、そう不満を爆発させた。
不満の相手は、勿論零先輩で……
「大体あいつ。元カノの癖に何なのよ‼ もう付き合っていないんだから諦めなさいよ‼ それにまーくんだって、もう好きじゃないって言っているのに‼ ああ、もう‼ 思い出しただけでむかつく‼」
「そんな人の悪口ばかり言うもんじゃないぞ。あの人は、確かに変態で、ストーカーだけどきちんといいところは、あるんだから」
「むぅ……」
咲夜は、尚も納得がいかないようで、頬を大きく膨らませている。
そんな彼女の機嫌を治すべく、僕は咲夜の髪を優しく梳いてやる。
風呂上がりの彼女の髪からは、石鹸のいい匂いがして、髪も艶々サラサラで、気持ちよく、手が止まらない。
「ふふん」
幸い咲夜は、嫌がっている素振りを見せてはいない。むしろ喜んでいるみたいで、僕としても安心して、触り続けることができる。
「ねぇねぇまーくん」
「ん~? なんだ~?」
「ゲーム。やらない?」
「ゲーム……か」
咲夜は、見た目とは裏腹にかなりのゲーマ-だ。彼女をそうさせたのは、僕の影響で、昔から僕たちは、新作のゲームが出るたびに一緒にやっていた。
それ以外の趣味に関してもアニメ、カード、好きな本。そのすべてが僕とよく似ており、元々の原因は、すべて僕だ。そう言った意味では、咲夜は僕色に染まっていると言える。
「なんだか変態みたいだな……」
「ん? 何か言った?」
「いや。何も」
男は女を自分色に染めたいと思っている節があると何かの記事で見たが、実際のところこうして僕色に染まった女性を見るとその考え方は、間違っていないのだと思い知らされる。
思い知らされはするのだが、なんだか腑に落ちない。
「もしかしてゲームするの嫌だった……?」
「いや。そんなことはないけど……どうしてそんな事思ったんだ?」
「ええと、まーくん。凄い複雑そうな顔してたから……」
「ああ、それは……」
危うく口を滑らせそうになるが、すんでのところで口を噤む。
「それは? 何?」
「な、 なんでもない‼ それよりもゲームだな‼ いやぁ~今日は、何のゲームやろうかな~」
「むぅ……」
そんな膨れたような面をしてもダメなものは、ダメだ。この気持ちを吐露するには、まだ早い。
「まあいいや。私は、優しいからね。これぐらいの事不問にしてあげる」
「あ、ありがとう……」
別に僕は、何も悪いことはしていないはずなのに、どうしてそのような事を言われねばならないのか。
それにそのドヤ顔止めろ。なんかムカつく。
「というかいい加減膝の上からどいてくれよ。ゲーム探せないだろう?」
「そういうまーくんこそ私の髪の毛いじるの止めたら?」
「そうだな。それじゃあ咲夜が、どいてくれたら止めるよ」
「いやいや。まーくんが、先にいじるのをやめるのが先でしょう?」
「いやいやいや」
「いやいやいやいや」
僕たちは、互いが互いに一向に引こうとせず、このままでは埒が明かない。
「咲夜」
「うん。わかっている」
「「同時にやめよう」」
流石僕の幼馴染。僕の言いたいことをきちんと理解してくれている。
「掛け声は、どうする?」
「天丼、かつ丼、親子丼でいこうよ」
「寒い、寒い、寒い。大体真顔で、そのネタを使うんじゃない。『いっせーのせ』でいいだろう」
「むぅ……それぐらいわかっているよ。全く、まーくんは、ノリ悪いな~」
「うるさい」
「まあそんなまーくんも好きなんだけどね」
「う、うるさい‼」
「あ、赤くなってる。何? 好きって言われてそんなに嬉しかった? ねぇねぇ?」
「べ、べべべべ別に嬉しくねぇし‼ なんとも思ってねぇし‼」
嘘だ。本当は、めちゃくちゃ嬉しい。もしここに咲夜がいなかったら僕は、嬉しさのあまり部屋中跳ね回る自信は、ある。
「ふ~ん。そっか、そっか」
「な、なんだよその眼は‼」
「別に~何でもないよ~それよりも早くゲームしよう?」
「全く、誰のせいで……」
「まあまあ。そう怒らないで。あとでおっぱいを好きなだけ揉ませてあげるから」
「誰が揉むか阿呆‼ というか女の子がそんな言葉使うんじゃありません‼」
本当。こいつといると調子を狂わされる。でも……嫌ではない。むしろ心地よくて、嬉しくて、やっぱり僕には、咲夜が必要なのだと思い知らされる。
「ほら。もういいからさっさとやるぞ」
「うん。そうだね。それじゃあ……」
「「いっせーのせ‼」」
掛け声は、完璧だった。でも二人ともピクリとも動いていない。それは、何故か? 咲夜の髪にもっと触れていたいから。それ以上でもそれ以下でもない。
「おい。これはどういうことだ?」
「そういうまーくんこそ」
「…………………………なぁ」
「…………………………うん」
「「今日は、ゲームしないでいっか」」
どうやら咲夜も僕の膝の上が、大層お気に召していたらしい。全く。本当にとことん気があうな。僕たちって。
咲夜は僕の膝の上に座りながら、そう不満を爆発させた。
不満の相手は、勿論零先輩で……
「大体あいつ。元カノの癖に何なのよ‼ もう付き合っていないんだから諦めなさいよ‼ それにまーくんだって、もう好きじゃないって言っているのに‼ ああ、もう‼ 思い出しただけでむかつく‼」
「そんな人の悪口ばかり言うもんじゃないぞ。あの人は、確かに変態で、ストーカーだけどきちんといいところは、あるんだから」
「むぅ……」
咲夜は、尚も納得がいかないようで、頬を大きく膨らませている。
そんな彼女の機嫌を治すべく、僕は咲夜の髪を優しく梳いてやる。
風呂上がりの彼女の髪からは、石鹸のいい匂いがして、髪も艶々サラサラで、気持ちよく、手が止まらない。
「ふふん」
幸い咲夜は、嫌がっている素振りを見せてはいない。むしろ喜んでいるみたいで、僕としても安心して、触り続けることができる。
「ねぇねぇまーくん」
「ん~? なんだ~?」
「ゲーム。やらない?」
「ゲーム……か」
咲夜は、見た目とは裏腹にかなりのゲーマ-だ。彼女をそうさせたのは、僕の影響で、昔から僕たちは、新作のゲームが出るたびに一緒にやっていた。
それ以外の趣味に関してもアニメ、カード、好きな本。そのすべてが僕とよく似ており、元々の原因は、すべて僕だ。そう言った意味では、咲夜は僕色に染まっていると言える。
「なんだか変態みたいだな……」
「ん? 何か言った?」
「いや。何も」
男は女を自分色に染めたいと思っている節があると何かの記事で見たが、実際のところこうして僕色に染まった女性を見るとその考え方は、間違っていないのだと思い知らされる。
思い知らされはするのだが、なんだか腑に落ちない。
「もしかしてゲームするの嫌だった……?」
「いや。そんなことはないけど……どうしてそんな事思ったんだ?」
「ええと、まーくん。凄い複雑そうな顔してたから……」
「ああ、それは……」
危うく口を滑らせそうになるが、すんでのところで口を噤む。
「それは? 何?」
「な、 なんでもない‼ それよりもゲームだな‼ いやぁ~今日は、何のゲームやろうかな~」
「むぅ……」
そんな膨れたような面をしてもダメなものは、ダメだ。この気持ちを吐露するには、まだ早い。
「まあいいや。私は、優しいからね。これぐらいの事不問にしてあげる」
「あ、ありがとう……」
別に僕は、何も悪いことはしていないはずなのに、どうしてそのような事を言われねばならないのか。
それにそのドヤ顔止めろ。なんかムカつく。
「というかいい加減膝の上からどいてくれよ。ゲーム探せないだろう?」
「そういうまーくんこそ私の髪の毛いじるの止めたら?」
「そうだな。それじゃあ咲夜が、どいてくれたら止めるよ」
「いやいや。まーくんが、先にいじるのをやめるのが先でしょう?」
「いやいやいや」
「いやいやいやいや」
僕たちは、互いが互いに一向に引こうとせず、このままでは埒が明かない。
「咲夜」
「うん。わかっている」
「「同時にやめよう」」
流石僕の幼馴染。僕の言いたいことをきちんと理解してくれている。
「掛け声は、どうする?」
「天丼、かつ丼、親子丼でいこうよ」
「寒い、寒い、寒い。大体真顔で、そのネタを使うんじゃない。『いっせーのせ』でいいだろう」
「むぅ……それぐらいわかっているよ。全く、まーくんは、ノリ悪いな~」
「うるさい」
「まあそんなまーくんも好きなんだけどね」
「う、うるさい‼」
「あ、赤くなってる。何? 好きって言われてそんなに嬉しかった? ねぇねぇ?」
「べ、べべべべ別に嬉しくねぇし‼ なんとも思ってねぇし‼」
嘘だ。本当は、めちゃくちゃ嬉しい。もしここに咲夜がいなかったら僕は、嬉しさのあまり部屋中跳ね回る自信は、ある。
「ふ~ん。そっか、そっか」
「な、なんだよその眼は‼」
「別に~何でもないよ~それよりも早くゲームしよう?」
「全く、誰のせいで……」
「まあまあ。そう怒らないで。あとでおっぱいを好きなだけ揉ませてあげるから」
「誰が揉むか阿呆‼ というか女の子がそんな言葉使うんじゃありません‼」
本当。こいつといると調子を狂わされる。でも……嫌ではない。むしろ心地よくて、嬉しくて、やっぱり僕には、咲夜が必要なのだと思い知らされる。
「ほら。もういいからさっさとやるぞ」
「うん。そうだね。それじゃあ……」
「「いっせーのせ‼」」
掛け声は、完璧だった。でも二人ともピクリとも動いていない。それは、何故か? 咲夜の髪にもっと触れていたいから。それ以上でもそれ以下でもない。
「おい。これはどういうことだ?」
「そういうまーくんこそ」
「…………………………なぁ」
「…………………………うん」
「「今日は、ゲームしないでいっか」」
どうやら咲夜も僕の膝の上が、大層お気に召していたらしい。全く。本当にとことん気があうな。僕たちって。
0
あなたにおすすめの小説
俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。
true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。
それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。
これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。
日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。
彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。
※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。
※内部進行完結済みです。毎日連載です。
小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!
竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」
俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。
彼女の名前は下野ルカ。
幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。
俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。
だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている!
堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!
美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった
ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます!
僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか?
『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
久々に幼なじみの家に遊びに行ったら、寝ている間に…
しゅうじつ
BL
俺の隣の家に住んでいる有沢は幼なじみだ。
高校に入ってからは、学校で話したり遊んだりするくらいの仲だったが、今日数人の友達と彼の家に遊びに行くことになった。
数年ぶりの幼なじみの家を懐かしんでいる中、いつの間にか友人たちは帰っており、幼なじみと2人きりに。
そこで俺は彼の部屋であるものを見つけてしまい、部屋に来た有沢に咄嗟に寝たフリをするが…
女子ばっかりの中で孤軍奮闘のユウトくん
菊宮える
恋愛
高校生ユウトが始めたバイト、そこは女子ばかりの一見ハーレム?な店だったが、その中身は男子の思い描くモノとはぜ~んぜん違っていた?? その違いは読んで頂ければ、だんだん判ってきちゃうかもですよ~(*^-^*)
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる