可愛くて、健気で、エッチで、一途な幼馴染の女の子は、好きですか?~付き合いたい彼女と付き合いたくない彼の攻防戦~

三日月

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第二幕

プリクラと金髪少女

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「金剛さん、金剛さん。この四角い箱は何なのでしょうか‼」

   星野さんはゲームセンターが余程気に入ったのか先程からずっと興奮しっぱなしのようで、そんな彼女はプリクラに興味が湧いたようだ。

「それはプリクラだよ」
「プリ……クラ……?」
「簡単に言うとこの中に入って写真を撮ることができるんだよ」
「そうなのですか?   でもなぜこのような場に写真を撮る機会が入っているのですか?」
「ゴメン。流石にそこまではわからない」

 僕はどこぞの物語の羽何とかさんみたいになんでもは知らない。むしろ知っていることは少ない方で、そんな僕の唯一の情報源は、ラノベとネットからの情報だけだ。

「そうですよね……そんな事いきなり言われても知りませんよね。そんな簡単な事に気が付かなくてすみません……すみません……すみません……すみません……」

 僕は対応を間違えた。星野さんは壊れた人形の様にただひたすら僕に謝り続けてくる。その様子は見ていて怖いし、何度止めるよう言っても彼女は全く聞く耳を持ってくれず、そんな彼女をこのまま放置するのはどう考えたって良くない。

「星野さん。こっち」
「へ……!?」

 僕は星野さんの腕を取るとそのままプリクラ機の中に入る。すると中に内蔵されているスピーカーから声が鳴る。

「あ、あの金剛さん……きょ、距離が近い……ですわ」

   僕は星野さんにそう言われてから初めて自身が星野さんに近づきすぎていることに気づいた。

「ご、ごめん‼︎   嫌だったよね?」
「いえ……別に……」  

   嫌がっているような素振りは見えないので、彼女の言葉は本当なのだろう。でもいくらなんでもキスが出来てしまうほど密着してしまうのはどうかと思うし、僕はそういうことにはかなり気をつけているはずなのだ。

「金剛さん?」

   僕のそんな気持ちを察したのか、星野さんはこちらのことを心配そうに見つめる。 

「ごめん。少しぼーっとしてた」
「大丈夫......なのですか?」
「大丈夫、平気、平気。それよりもどうする? 写真、このまま撮る?」
「写真ですか?   そう……ですね……私はどちらでも……金剛さんはどうなんですか?」
「僕? 僕は……」

 正直こういった物的証拠を残すと後々咲夜に今日の事がバレかねないし、何より恥ずかしい。

「あまり気ノリは……」
「……そうですか」

 星野さんのテンションが目に見えて落ちる。どうやら彼女は僕と一緒に写真を撮りたかったらしい。そうならそうとはっきり言って欲しいのだが、そこは自己肯定感の低い星野さん。大方自分でそういうのはおこがましいだなんて思っているのだろう。

「しないというのは気のせいで一緒に撮ろうか」
「……はい‼」
 
 本当はこういう事はあまりしない方がよいのだろうが、今回だけは例外だ。それに僕だって今日できたこの出会いを大切にしたいし、今後も星野さんとはとして仲良くなりたい。そしていつか咲夜を彼女に紹介してあげたい。優しい咲夜の事だ。きっと彼女とも仲良くしてくれるだろう。

「金剛さん、金剛さん。フレームを選べたと言われたのですがどうやって選べばいいのですか?」
「そこにタッチペンがあるからそれを使って選べばいいみたいだよ」
「なるほど‼ 了解しましたわ‼」

 星野さんも腐っても女子。こういう事は僕よりも遥かにたけているだろうし、センスだっていいはずだ。

「こ、これにしましょうか」
「え、ちょ……」

 星野さんが選んだのはよりにもよってハート型だった。

「金剛さん、金剛さん。はい。ポーズ」
「え、あ、はい」

 僕は星野さんの促されるまま彼女とピッタリと寄り添う形でピースサインをした。

「ふむふむ。なるほど。ここかららくがきなるなるものをすればよいのですね」
「あ、あの……」
「金剛さん。少し黙っていてください」
「あ、はい……」

 先程までの弱弱しい星野さんとはまるで人格が変わったように今の星野さんは、とても強気で人の話を全く聞いてくれない。

「ふぅ。無事撮ることが出来ましたね‼ 金剛さん‼」
「あ、うん……」

 現像してもらった写真を見て僕は絶句した。何せその写真端から見れば付き合いたての初々しいカップルにしか見えない。その様なもの当然使うことはできないし、何より咲夜にばれたら何を要求されるか分かったものではない。

 つまるところ僕はこれをどこかに隠さないといけないわけで、そうなると必然的に場所は決まってくる。

「家帰ったらエロ本コレクションの中に隠しておこう……うん……」
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