可愛くて、健気で、エッチで、一途な幼馴染の女の子は、好きですか?~付き合いたい彼女と付き合いたくない彼の攻防戦~

三日月

文字の大きさ
28 / 53
第二幕

呼び出しと元カノ

しおりを挟む
「それでなんの用ですか?」

 昨日の出来事から一日たった昼の事。僕は先輩に呼び出しを受け、指定された場所である屋上へとやってきていた。

「ちゃんと来てくれて嬉しいわ」
「どの口が言うんだか……」

 僕は当初の予定として先輩の呼び出しを無視するつもりでいた。何せ昨日僕は、咲夜の事を激しく悲しませたのだ。そんな状況の中で流石に別の異性と会う気など当然わかない。

 にも関わらずこうして出向いたのはこなかった場合僕の恥ずかしい黒歴史……つまるところ先輩と付き合っていた時代に、彼女に囁いた甘いセリフ集を世界中に公開すると脅されてしまったからだ。

 その様な事をされれば僕は自分で、自分の事を殺してしまいかねない。それほどにまで僕にとっては当時の発言は黒歴史なのだ。

「今日は木葉さんはいないのね」
「貴方がそう指定したんじゃないですか……」

 先輩は公開しない条件として一人で来ることもして来た。だからこそこの場には僕と先輩しかいない。

 ただ昨日の件もあって僕はこのことを咲夜にはきちんと話をしているし、僕のスマホは今は彼女と通話状態にしっぱなしにしてある。

「というかあなたの手紙なんでラブレター風なんですか。そのおかげで朝から咲夜に首絞められたじゃないですか」
「だって……その方が嬉しいでしょう?」

 全く持って嬉しくはない。むしろ朝から咲夜に首を絞められている分、不幸と言える。

「それでなんの用なんですか?」
「もう……つれないわね。でもそんな雅也君も大好き」
「またそういう事言って……」
「だって事実なのだから。むしろそれ以外になんて言えばいいのかしら?」
「そんなこと僕が知るわけないじゃないですか」
「それもそうね。それなら雅也君。私の事肉奴隷にしてみない?」
「ぶっ……‼ あ、あんたいきなり何言ってんだ!?」
「ふふふ。ご馳走様。本当雅也君って初心ね。まあそこが可愛いのだけど」
「いい加減にしてください‼ 本気で帰りますよ‼」
「ごめんなさい。つい久しぶりのだからってやりすぎたわ」
「は? 何を言って……」
「気にしないで。これは関係のないことだから」

 関係のないことならば今この場で言わないで欲しい。そもそも僕としては、この後咲夜と用事があるのだ。先輩の呼び出した用が僕をからかうなんていうふざけた理由なのならばこれ以上付き合っている理由はない。

「先輩。お願いだから早く要件を言ってください。僕にはこの後用事が……」
「それって昨日のあの金髪の女の子の事よね?」
「な、何故それをあなたが……は!? まさかあなたも……」
「その通り。私も昨日雅也君の事尾行していたのよ。まあ正確には木葉さんと一緒にだけど」
「あんたがうちの咲夜にそんな事教えた元凶か‼」
「雅也君。なんだか口調がお父さんみたいよ? でもそうなると母親は私……いい。すごくいい」

 先輩は頬を赤く染め、恍惚の表情を浮かべている。人によってはその姿はエロく、扇動的にみえるだろう。でも僕の心には何ら響かないし、なんならふざけている様に見え、余計にむかつく。

「先輩。いい加減にしないとぶちますよ?」
「いいわ‼ 来て‼ 激しく私の事をなぶって‼」

 風紀委員長の前でのこの堂々たる発言……ここまでくるといっそ凄い。

 先輩の変態度はどんどん上がっている。何故そのような事になってしまったのか。それは僕にはわからない。でもこのまま放っておけば先輩はそのうちとんでもない悪影響を及ぼすかもしれない。いっその事この辺りで駆除しておくのが吉なのかもしれない。

「ああ、その汚物を見るような目……堪らないわぁ……私のあそこが濡……」
「それ以上は止めなさい」
「あう……‼ いいわ。いいわよ。もっと……もっと強く私のこ……」
「いい加減にしなさい‼ この変態‼」
「そ、その声は……」
「咲夜……来てくれたんだな……」

 屋上の入り口には仁王立ちをし、どこか怒った様子の咲夜が立っていた。どうやら僕が困っているのを察して駆けつけてくれたようだ。そう考えるとやはりスマホを通話状態にしたままにしておくのは正解だったように思う。

「な、なぜこの場に木葉さんが……」
「貴方が雅也君にセクハラしているのを私の幼馴染センサーが察知したの‼」
「馬鹿な!? そんなものが存在しているはずは……」

 先輩は案外ノリがいい。こうやって咲夜の痛い発言にも律儀に乗ってくれている。ただ腹の底ではおかしいと思っているのか、笑みを隠しきれていない。

「ふふん‼ 貴方には幼馴染がいないからわからないでしょうね‼」
「あら? そうでもないわよ?
「え、いるの!?」
「まあ……ね」

 先輩はこの時どこか寂しそうな瞳で僕の事を見つめていた。
しおりを挟む
感想 1

あなたにおすすめの小説

俺を振ったはずの腐れ縁幼馴染が、俺に告白してきました。

true177
恋愛
一年前、伊藤 健介(いとう けんすけ)は幼馴染の多田 悠奈(ただ ゆうな)に振られた。それも、心無い手紙を下駄箱に入れられて。 それ以来悠奈を避けるようになっていた健介だが、二年生に進級した春になって悠奈がいきなり告白を仕掛けてきた。 これはハニートラップか、一年前の出来事を忘れてしまっているのか……。ともかく、健介は断った。 日常が一変したのは、それからである。やたらと悠奈が絡んでくるようになったのだ。 彼女の狙いは、いったい何なのだろうか……。 ※小説家になろう、ハーメルンにも同一作品を投稿しています。 ※内部進行完結済みです。毎日連載です。

冗談のつもりでいたら本気だったらしい

下菊みこと
恋愛
やばいタイプのヤンデレに捕まってしまったお話。 めちゃくちゃご都合主義のSS。 小説家になろう様でも投稿しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

小さい頃「お嫁さんになる!」と妹系の幼馴染みに言われて、彼女は今もその気でいる!

竜ヶ崎彰
恋愛
「いい加減大人の階段上ってくれ!!」 俺、天道涼太には1つ年下の可愛い幼馴染みがいる。 彼女の名前は下野ルカ。 幼少の頃から俺にベッタリでかつては将来"俺のお嫁さんになる!"なんて事も言っていた。 俺ももう高校生になったと同時にルカは中学3年生。 だけど、ルカはまだ俺のお嫁さんになる!と言っている! 堅物真面目少年と妹系ゆるふわ天然少女による拗らせ系ラブコメ開幕!!

美人四天王の妹とシテいるけど、僕は学校を卒業するまでモブに徹する、はずだった

ぐうのすけ
恋愛
【カクヨムでラブコメ週間2位】ありがとうございます! 僕【山田集】は高校3年生のモブとして何事もなく高校を卒業するはずだった。でも、義理の妹である【山田芽以】とシテいる現場をお母さんに目撃され、家族会議が開かれた。家族会議の結果隠蔽し、何事も無く高校を卒業する事が決まる。ある時学校の美人四天王の一角である【夏空日葵】に僕と芽以がベッドでシテいる所を目撃されたところからドタバタが始まる。僕の完璧なモブメッキは剥がれ、ヒマリに観察され、他の美人四天王にもメッキを剥され、何かを嗅ぎつけられていく。僕は、平穏無事に学校を卒業できるのだろうか? 『この物語は、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません』

隣の家の幼馴染と転校生が可愛すぎるんだが

akua034
恋愛
隣に住む幼馴染・水瀬美羽。 毎朝、元気いっぱいに晴を起こしに来るのは、もう当たり前の光景だった。 そんな彼女と同じ高校に進学した――はずだったのに。 数ヶ月後、晴のクラスに転校してきたのは、まさかの“全国で人気の高校生アイドル”黒瀬紗耶。 平凡な高校生活を過ごしたいだけの晴の願いとは裏腹に、 幼馴染とアイドル、二人の存在が彼の日常をどんどんかき回していく。 笑って、悩んで、ちょっとドキドキ。 気づけば心を奪われる―― 幼馴染 vs 転校生、青春ラブコメの火蓋がいま切られる!

イケボすぎる兄が、『義妹の中の人』をやったらバズった件について

のびすけ。
恋愛
春から一人暮らしを始めた大学一年生、天城コウは――ただの一般人だった。 だが、再会した義妹・ひよりのひと言で、そんな日常は吹き飛ぶ。 「お兄ちゃんにしか頼めないの、私の“中の人”になって!」 ひよりはフォロワー20万人超えの人気Vtuber《ひよこまる♪》。 だが突然の喉の不調で、配信ができなくなったらしい。 その代役に選ばれたのが、イケボだけが取り柄のコウ――つまり俺!? 仕方なく始めた“妹の中の人”としての活動だったが、 「え、ひよこまるの声、なんか色っぽくない!?」 「中の人、彼氏か?」 視聴者の反応は想定外。まさかのバズり現象が発生!? しかも、ひよりはそのまま「兄妹ユニット結成♡」を言い出して―― 同居、配信、秘密の関係……って、これほぼ恋人同棲じゃん!? 「お兄ちゃんの声、独り占めしたいのに……他の女と絡まないでよっ!」 代役から始まる、妹と秘密の“中の人”Vライフ×甘々ハーレムラブコメ、ここに開幕!

【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。

三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎ 長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!? しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。 ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。 といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。 とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない! フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!

処理中です...