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「男女でペアになって対戦だよね?」
「当然だろ。勝ったペアが負けたペアの異性に命令できる権利獲得な。」
「えぇ?そんなっ…」「いいんじゃない?」
沙里と朋奈は反対の反応をしたが、沙里の声は無視された。
「ジャンケンで勝った同士がペアな」
─────
「律先輩、ストライクしか出さないから、私の順番、早く回ってくるような気がする…あ、私スペアだ!イエ~い」
律と朋奈はハイタッチをして喜んでいる。
敦志もストライクとスペアの連発でかなりの高得点を稼いでいるのだが、問題は沙里である。
「敦志先輩…ごめんなさいっ。」
両端に一本ずつ残ったピンを見つめ、肩を落とす。
「あぁ~、惜しいね、スプリットだね~。そんな顔しないの。美人だからそんな表情もクるけどね。」
さっきから、肝心な所でガターやスプリットが出て、得点が伸びない。
「私は敦志先輩に何を命令しよっかな~。」
「俺もあれこれ考えついてまとまらないな。」
「律、悪い顔になってんぞ」
「俺もここまで興奮するとは思わなかった。やべぇ」
「………」
「…沙里ちゃん、大丈夫だよ。律とは長い付き合いで、口ではああ言ってるけどひどい命令はしないと思う」
敦志が優しい顔で沙里に耳打ちした。
「敦志先輩…、そうだといいんだけど…。」
そんな話をしている間に、律はまたもやストライクを叩き出していた。
「あぁ、終わったね。もう追いつけない。沙里ちゃん、元気出して。」
「はい、敦志先輩もラスト頑張って」
「まかせといて」
敦志は宣言通りストライクでしめたが、沙里は最後までぐずぐずだった。
─────
「「「「乾杯」」」」
大学生らしく(?)、4人は近くの居酒屋で乾杯した。
「律先輩、飲むの早っ」
「律、機嫌いいな。無理ないか…沙里ちゃんに命令できるもんな…」
敦志は、律の空になったジョッキを見た後、ちらっと沙里を見た。
沙里は、律は「ヒールで踏んで下さい」的なお願いをするタイプには思えなかったが、何を命令されるのか、あれこれ考えていた。
「すいませーん、生中一つ」敦志が律のおかわりを注文している。
「それにしても、律先輩、全部ストライクなんて、ほぼプロボウラーだから。」
「まあな」
「律はテニスもスキーも上手いよ」
「へぇ~。なんでも出来るってタイプかー。敦志先輩だって普通に凄かったけどね。」
「よく言われる。律が異常に凄い」
2杯目の中ジョッキを煽りながら、律は沙里を見た。
意地悪そうな微笑みに、沙里はクラっとしそうになった。
「命令、思いついた。」
「な、何……?」
「1ヶ月間、俺の彼女になれ。」
「…え?」
「律、命令は一回だろ?それってずるくないか?」
「だったら私も敦志先輩に彼氏になって貰う。」
「あ?それじゃ、敦志にご褒美じゃねーか。」
「だって、グループ交際の筈でしょ?それなのに律先輩と沙里がくっついちゃったら、私達つまんないじゃない」
「ふん、まあ、いいか。お前らはお前らで付き合え。」
律は敦志と朋奈に向けてそう言ってから、沙里の目を見て続けた。
「ちゃんと本物の恋人として振る舞えよ?セックスまでは強制しねぇから。」
「セッ…?!」慌てて沙里は自分の口をおさえた。
「律、ここ居酒屋」
「わかってるって。1ヶ月間は強引な挿入はなしにしてやるから、安心して彼女になれよって意味だ。」
「律、だからここ居酒屋だって…」
(──もう、付き合うの決定って事?グループ交際を受けた当日に、一対一の交際になっちゃうって……。)
「でも、明日、サークルの体験でしょ?私達を彼女って言って入れるのまずいんじゃない?」
「いや、まずくはないでしょ?牽制になるし、俺達には逆に好都合だろ?律」
「そうだな、明日彼女を体験に連れて行くってラインしとくか。」
律も敦志もスマホを出して何やら送ったようだ。
沙里は、誰とも付き合った事すらないというのに、好みの俺様イケメンと付き合う事になって、プチパニック状態だ。頼みの綱の朋奈を見てみるが、朋奈もワンコ系イケメンをゲットして、完全に浮かれている。
「明日のサークルで、もう付き合ってるって思われてる訳だよね?」
「そうだよ。」
「私達はともかく、沙里が心配だな」
「は?なんで?」
「沙里って男と付き合った事ないじゃない?彼女っぽく振る舞えるかどうか……」「わ──朋っ」
慌てて朋奈の口を塞いだけど、律は企んでいるかのようにニヤっと笑って言った。
「ふーん、付き合った事ないのか?」
ゾクッと何かが背筋を走り「ひっ」と声が出た。
律は、沙里の髪を一房くるくると弄んだ。
「今から練習しとくか?沙里」
更に背筋に何か走り、キャパ超えで、大きな目に涙をためて、懇願するように律を見た。
律は“やべぇ“とかなんとか呟いていた。
「俺の事、律って呼べよ」
「り、りつ…?」
「取り敢えず、手。」
「て、手…?」
「早く慣れるようにつないどけ」
「ひゃ…」
「律…無理やりやるなよ?沙里ちゃん、見た目と性格違うみたいだし…それに居酒屋で手つないでる客ってどうよ?」
朋奈は、助け船を出してくれた敦志の腕をとって自分に向けた。
「敦志は私の彼氏でしょ?沙里ばっかり気にしちゃ駄目!」
可愛い朋奈に言われて、敦志も満更でもなさそうだ。
「沙里、手ぇつないで右手がふさがってるから、なんも食えねぇ。」
「ご、ごめん。何食べたい?」
「唐揚げ」
そう言って沙里の方に身体ごと顔を向けた。
(もしかして食べさせろって言ってる?)
恐る恐る唐揚げを箸でつまんで、律の形の良い口に持っていった。すると、律はいたずらっ子のような顔をして、パクっと唐揚げにかぶりついた。
(やだ、何、可愛い…)
「「うわ……」」
敦志と朋奈が同時にげぇっという顔をして呟いた。
敦志は、律が面白い玩具を見つけてイキイキとしている事に気づいていた。
朋奈も、沙里のM性を知っているので、律が完全に沙里を捕獲した事に気づいていた。
その後も、沙里は、律が「枝豆」と言ったら手で律の口に入れてあげたり、口許が汚れたら拭いてあげたりしていた。
((律はあんな事を言っていたけど。…この二人、1ヶ月間、身体の関係なしに過ごせるのかな?沙里、すぐヤられちゃうんじゃね?))
……という疑問を持ちながら、敦志と朋奈は、もう自分達はこのまま付き合ってしまおうとお互いに決めていたのだった。
「当然だろ。勝ったペアが負けたペアの異性に命令できる権利獲得な。」
「えぇ?そんなっ…」「いいんじゃない?」
沙里と朋奈は反対の反応をしたが、沙里の声は無視された。
「ジャンケンで勝った同士がペアな」
─────
「律先輩、ストライクしか出さないから、私の順番、早く回ってくるような気がする…あ、私スペアだ!イエ~い」
律と朋奈はハイタッチをして喜んでいる。
敦志もストライクとスペアの連発でかなりの高得点を稼いでいるのだが、問題は沙里である。
「敦志先輩…ごめんなさいっ。」
両端に一本ずつ残ったピンを見つめ、肩を落とす。
「あぁ~、惜しいね、スプリットだね~。そんな顔しないの。美人だからそんな表情もクるけどね。」
さっきから、肝心な所でガターやスプリットが出て、得点が伸びない。
「私は敦志先輩に何を命令しよっかな~。」
「俺もあれこれ考えついてまとまらないな。」
「律、悪い顔になってんぞ」
「俺もここまで興奮するとは思わなかった。やべぇ」
「………」
「…沙里ちゃん、大丈夫だよ。律とは長い付き合いで、口ではああ言ってるけどひどい命令はしないと思う」
敦志が優しい顔で沙里に耳打ちした。
「敦志先輩…、そうだといいんだけど…。」
そんな話をしている間に、律はまたもやストライクを叩き出していた。
「あぁ、終わったね。もう追いつけない。沙里ちゃん、元気出して。」
「はい、敦志先輩もラスト頑張って」
「まかせといて」
敦志は宣言通りストライクでしめたが、沙里は最後までぐずぐずだった。
─────
「「「「乾杯」」」」
大学生らしく(?)、4人は近くの居酒屋で乾杯した。
「律先輩、飲むの早っ」
「律、機嫌いいな。無理ないか…沙里ちゃんに命令できるもんな…」
敦志は、律の空になったジョッキを見た後、ちらっと沙里を見た。
沙里は、律は「ヒールで踏んで下さい」的なお願いをするタイプには思えなかったが、何を命令されるのか、あれこれ考えていた。
「すいませーん、生中一つ」敦志が律のおかわりを注文している。
「それにしても、律先輩、全部ストライクなんて、ほぼプロボウラーだから。」
「まあな」
「律はテニスもスキーも上手いよ」
「へぇ~。なんでも出来るってタイプかー。敦志先輩だって普通に凄かったけどね。」
「よく言われる。律が異常に凄い」
2杯目の中ジョッキを煽りながら、律は沙里を見た。
意地悪そうな微笑みに、沙里はクラっとしそうになった。
「命令、思いついた。」
「な、何……?」
「1ヶ月間、俺の彼女になれ。」
「…え?」
「律、命令は一回だろ?それってずるくないか?」
「だったら私も敦志先輩に彼氏になって貰う。」
「あ?それじゃ、敦志にご褒美じゃねーか。」
「だって、グループ交際の筈でしょ?それなのに律先輩と沙里がくっついちゃったら、私達つまんないじゃない」
「ふん、まあ、いいか。お前らはお前らで付き合え。」
律は敦志と朋奈に向けてそう言ってから、沙里の目を見て続けた。
「ちゃんと本物の恋人として振る舞えよ?セックスまでは強制しねぇから。」
「セッ…?!」慌てて沙里は自分の口をおさえた。
「律、ここ居酒屋」
「わかってるって。1ヶ月間は強引な挿入はなしにしてやるから、安心して彼女になれよって意味だ。」
「律、だからここ居酒屋だって…」
(──もう、付き合うの決定って事?グループ交際を受けた当日に、一対一の交際になっちゃうって……。)
「でも、明日、サークルの体験でしょ?私達を彼女って言って入れるのまずいんじゃない?」
「いや、まずくはないでしょ?牽制になるし、俺達には逆に好都合だろ?律」
「そうだな、明日彼女を体験に連れて行くってラインしとくか。」
律も敦志もスマホを出して何やら送ったようだ。
沙里は、誰とも付き合った事すらないというのに、好みの俺様イケメンと付き合う事になって、プチパニック状態だ。頼みの綱の朋奈を見てみるが、朋奈もワンコ系イケメンをゲットして、完全に浮かれている。
「明日のサークルで、もう付き合ってるって思われてる訳だよね?」
「そうだよ。」
「私達はともかく、沙里が心配だな」
「は?なんで?」
「沙里って男と付き合った事ないじゃない?彼女っぽく振る舞えるかどうか……」「わ──朋っ」
慌てて朋奈の口を塞いだけど、律は企んでいるかのようにニヤっと笑って言った。
「ふーん、付き合った事ないのか?」
ゾクッと何かが背筋を走り「ひっ」と声が出た。
律は、沙里の髪を一房くるくると弄んだ。
「今から練習しとくか?沙里」
更に背筋に何か走り、キャパ超えで、大きな目に涙をためて、懇願するように律を見た。
律は“やべぇ“とかなんとか呟いていた。
「俺の事、律って呼べよ」
「り、りつ…?」
「取り敢えず、手。」
「て、手…?」
「早く慣れるようにつないどけ」
「ひゃ…」
「律…無理やりやるなよ?沙里ちゃん、見た目と性格違うみたいだし…それに居酒屋で手つないでる客ってどうよ?」
朋奈は、助け船を出してくれた敦志の腕をとって自分に向けた。
「敦志は私の彼氏でしょ?沙里ばっかり気にしちゃ駄目!」
可愛い朋奈に言われて、敦志も満更でもなさそうだ。
「沙里、手ぇつないで右手がふさがってるから、なんも食えねぇ。」
「ご、ごめん。何食べたい?」
「唐揚げ」
そう言って沙里の方に身体ごと顔を向けた。
(もしかして食べさせろって言ってる?)
恐る恐る唐揚げを箸でつまんで、律の形の良い口に持っていった。すると、律はいたずらっ子のような顔をして、パクっと唐揚げにかぶりついた。
(やだ、何、可愛い…)
「「うわ……」」
敦志と朋奈が同時にげぇっという顔をして呟いた。
敦志は、律が面白い玩具を見つけてイキイキとしている事に気づいていた。
朋奈も、沙里のM性を知っているので、律が完全に沙里を捕獲した事に気づいていた。
その後も、沙里は、律が「枝豆」と言ったら手で律の口に入れてあげたり、口許が汚れたら拭いてあげたりしていた。
((律はあんな事を言っていたけど。…この二人、1ヶ月間、身体の関係なしに過ごせるのかな?沙里、すぐヤられちゃうんじゃね?))
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