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翌日、その日の講義が終わって、朋奈と沙里は、一緒に敦志と律との待ち合わせ場所に向かって歩いていた。
「それにしても、昨日は笑ったわー。居酒屋で手つないでるカップル初めて見たし」
ハハハと笑いこけている朋奈を、沙里は恨みがましく見た。
「だったら、おかしいよって律に言ってくれれば良かったのに。」
「は?なんで?そしたら面白くなくなっちゃうじゃん。」
「……朋奈ってばひどい…。それで、朋奈はあの後、敦志先輩に送ってもらったんでしょう?」
「うん、勿論。」
「良かったね。初のワンコ系彼氏。」
「うん、ありがとう。敦志はすごく優しいし、言う事は何でも聞いてくれるし、身体の相性までピッタリだったー。」
「かっ、身体って、まさか朋奈……?」
「送ってもらって私の部屋で確かめた。」
「じゃあ昨日──?」
「両想いの付き合ってる大学生同士なんだから、それ位当たり前でしょ?律先輩だってすぐにシたいと思ってるに決まってるから。」
「───!でも1ヶ月は無理にはシないって言ってた……!」
「まぁ、もし律先輩から迫られて、断って嫌われてもいいなら拒めば?でも、今どき大学生にもなって、いつまでも身体を許さないのも、私はどうかと思うけどねー。」
「そ、そうなのかな……?」
(すぐに身体の関係になるって普通の事なの?!)
沙里は頭がかぁっと赤くなった(実際の見た目は変わらないので回りには気づいて貰えない)。
実は、朋奈の話を聞いた後ではとてもじゃないけど言い出す雰囲気ではなかったのだが、昨日、送ってもらった家の前で、沙里は律にチュッとキスをされた。
(朋奈にそんな事を言っても多分、「高校生(中学生?)かよ?!」とツッコまれるのがオチだろう)
「あ、敦志~」手を振る朋奈。
敦志と律が並んで歩いてくるのが見えた。
「朋奈ちゃん、沙里ちゃん、来てくれてありがとう。うわぁ、二人とも、今日みたいな格好も可愛いね。っていうより、沙里ちゃんは“綺麗“なんだよね。」
「敦志、沙里より私を褒めてよね。」
「朋奈ちゃんと沙里ちゃんの可愛いさの種類が違うって言いたかっただけだよ。好きなのは朋奈ちゃんだから、機嫌直してよ」
朋奈は、敦志の腕に腕を絡ませて前を歩いている。沙里も腕をとるべきか悩んでいると、律が指を絡ませてきた。
(むむ、これは“恋人つなぎ“ってやつでは…!リア充…!)
「沙里、今日も綺麗だよ」
(……神様。恋愛初心者に律の彼女役はかなりハードルが高いような……。)
美形男子の隣を恋人繋ぎで歩く、涼しい顔の美女の頭の中身が沸いているとは、誰一人気づかなかった。
─────
4人はテニスコートに着いて、サークルのメンバーに合流した。
サークルの二人のイケメンから、“彼女を連れて来る“と聞いていた者達は、それぞれが連れてきた彼女を見て(え?彼女そっち?)という顔をしていた。
片方は、守ってあげたくなるような苛めたくなるような小柄な可愛い可愛い女の子。もう片方は、スタイル抜群の派手な顔立ちの美人で、命令されたら思わず何でも従ってしまいそうだ。
「文学部1年の夏川朋奈です。今日は体験よろしくお願いします。」
「同じく文学部1年の鈴木沙里です。よろしくお願いします。」
おぉ…と少しどよめき、二人は拍手で歓迎された。
「さすが、渡辺先輩と倉本先輩の彼女っすね。文学部の二大マドンナじゃないですか?!」
1年らしき男子メンバーの声を聞き、敦志は笑った。
「よろしく頼むな。」
「さー、始めるよ。」
サークルの代表だと自己紹介してくれた、宮本先輩が開始の合図をして練習が始まった。
※ ※ ※ ※ ※
「「「お疲れ様~、乾杯!」」」
体験の新入生歓迎会と称して、練習後、居酒屋に集まり飲み会が開かれていた。
「渡辺先輩、ここどうぞ」
「ありがとう」
サークルのメンバーと交流を深める為、4人は席を離れて座っていた。
「俺、商学部の2年の谷島です。練習、どうだった?」
「そうですね。軟式とは持ち方も振り方も全然違いますけど、面白かったです。」
「ホント?良かった。渡辺先輩と倉本先輩の彼女さん達ならいつでも大歓迎だから、まだ決められなかったら、何度でも体験に来てよ。」
「ありがとうございます。考えてみますね。」
「……ところで鈴木さん、モデルか何かやってる?」
「こんな肉付きのいいモデル、います?」
「肉付きいいっすか?細いじゃないっすか手とか足首とか……って、すいません、セクハラだよね。」
「いえ……。」
「決してよこしまな気持ちで言ってる訳ではないから。ここまで完璧な容姿の女性を見たのは初めてで……、倉本先輩みたいなハイスペックな人の彼女だから、もしかしてモデルなのかな~って思って…。」
「…そんな事初めて言われました。」
一方、スポーツ万能、180cmのイケメン倉本律に憧れていた女子達は、彼女の鈴木沙里を見た瞬間、潔く諦める事にそろって成功していた。
“あれには敵わない“
すっぱり気持ちを切り換えて、かえって素の飾らない態度で倉本律に接する事が出来るようになり、すがすがしい気分にさえなった位だった。
渡辺敦志についても同様で、二人に恋心を抱いていた女子達が次々に断念するのを見たフリーの男子達は、可愛い過ぎる新入生二人に無理に行く事はせず、二人は誰からも狙われる事はなかった。
敦志と律の思惑通りに、男子全員をまんまと牽制する事に成功したのだった。
─────
「俺達は一次会で帰るから。また、来週な?」
「そうっすよね。可愛い彼女さんがいますもんね。お疲れ様です!」
「「お疲れ~」」
「「お疲れ様でした」」
「敦志、すぐ家に来るでしょ?」
「ああ、うん、行くよ。…律達はどうするの?」
「沙里、今日は俺の家に来いよ」
「…う、うん。わかった」
敦志と朋奈は、(沙里ヤられるな)と思ったが言わなかった。
それに、敦志は、律とは長い付き合いだが、女を自宅に呼ぶところ自体、初めて目にした。
「それじゃ、またな」「「またね」」
「じゃぁな」
二組に別れて、駅の反対のホームに向かった。
「沙里、土日なんか予定ある?」
「ラケットとか見に行ってみようかなぁと思ってるけど。」
「サークル入るのか?」
「少し迷ってる」
「そうか。なら、土日の予定はないって事だな?」
「─うん、そう、かな」
「乗るぞ」
手を引かれて、ちょうどきた電車に乗りこんだ。
───────
次回からRシーン入ります。
「それにしても、昨日は笑ったわー。居酒屋で手つないでるカップル初めて見たし」
ハハハと笑いこけている朋奈を、沙里は恨みがましく見た。
「だったら、おかしいよって律に言ってくれれば良かったのに。」
「は?なんで?そしたら面白くなくなっちゃうじゃん。」
「……朋奈ってばひどい…。それで、朋奈はあの後、敦志先輩に送ってもらったんでしょう?」
「うん、勿論。」
「良かったね。初のワンコ系彼氏。」
「うん、ありがとう。敦志はすごく優しいし、言う事は何でも聞いてくれるし、身体の相性までピッタリだったー。」
「かっ、身体って、まさか朋奈……?」
「送ってもらって私の部屋で確かめた。」
「じゃあ昨日──?」
「両想いの付き合ってる大学生同士なんだから、それ位当たり前でしょ?律先輩だってすぐにシたいと思ってるに決まってるから。」
「───!でも1ヶ月は無理にはシないって言ってた……!」
「まぁ、もし律先輩から迫られて、断って嫌われてもいいなら拒めば?でも、今どき大学生にもなって、いつまでも身体を許さないのも、私はどうかと思うけどねー。」
「そ、そうなのかな……?」
(すぐに身体の関係になるって普通の事なの?!)
沙里は頭がかぁっと赤くなった(実際の見た目は変わらないので回りには気づいて貰えない)。
実は、朋奈の話を聞いた後ではとてもじゃないけど言い出す雰囲気ではなかったのだが、昨日、送ってもらった家の前で、沙里は律にチュッとキスをされた。
(朋奈にそんな事を言っても多分、「高校生(中学生?)かよ?!」とツッコまれるのがオチだろう)
「あ、敦志~」手を振る朋奈。
敦志と律が並んで歩いてくるのが見えた。
「朋奈ちゃん、沙里ちゃん、来てくれてありがとう。うわぁ、二人とも、今日みたいな格好も可愛いね。っていうより、沙里ちゃんは“綺麗“なんだよね。」
「敦志、沙里より私を褒めてよね。」
「朋奈ちゃんと沙里ちゃんの可愛いさの種類が違うって言いたかっただけだよ。好きなのは朋奈ちゃんだから、機嫌直してよ」
朋奈は、敦志の腕に腕を絡ませて前を歩いている。沙里も腕をとるべきか悩んでいると、律が指を絡ませてきた。
(むむ、これは“恋人つなぎ“ってやつでは…!リア充…!)
「沙里、今日も綺麗だよ」
(……神様。恋愛初心者に律の彼女役はかなりハードルが高いような……。)
美形男子の隣を恋人繋ぎで歩く、涼しい顔の美女の頭の中身が沸いているとは、誰一人気づかなかった。
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4人はテニスコートに着いて、サークルのメンバーに合流した。
サークルの二人のイケメンから、“彼女を連れて来る“と聞いていた者達は、それぞれが連れてきた彼女を見て(え?彼女そっち?)という顔をしていた。
片方は、守ってあげたくなるような苛めたくなるような小柄な可愛い可愛い女の子。もう片方は、スタイル抜群の派手な顔立ちの美人で、命令されたら思わず何でも従ってしまいそうだ。
「文学部1年の夏川朋奈です。今日は体験よろしくお願いします。」
「同じく文学部1年の鈴木沙里です。よろしくお願いします。」
おぉ…と少しどよめき、二人は拍手で歓迎された。
「さすが、渡辺先輩と倉本先輩の彼女っすね。文学部の二大マドンナじゃないですか?!」
1年らしき男子メンバーの声を聞き、敦志は笑った。
「よろしく頼むな。」
「さー、始めるよ。」
サークルの代表だと自己紹介してくれた、宮本先輩が開始の合図をして練習が始まった。
※ ※ ※ ※ ※
「「「お疲れ様~、乾杯!」」」
体験の新入生歓迎会と称して、練習後、居酒屋に集まり飲み会が開かれていた。
「渡辺先輩、ここどうぞ」
「ありがとう」
サークルのメンバーと交流を深める為、4人は席を離れて座っていた。
「俺、商学部の2年の谷島です。練習、どうだった?」
「そうですね。軟式とは持ち方も振り方も全然違いますけど、面白かったです。」
「ホント?良かった。渡辺先輩と倉本先輩の彼女さん達ならいつでも大歓迎だから、まだ決められなかったら、何度でも体験に来てよ。」
「ありがとうございます。考えてみますね。」
「……ところで鈴木さん、モデルか何かやってる?」
「こんな肉付きのいいモデル、います?」
「肉付きいいっすか?細いじゃないっすか手とか足首とか……って、すいません、セクハラだよね。」
「いえ……。」
「決してよこしまな気持ちで言ってる訳ではないから。ここまで完璧な容姿の女性を見たのは初めてで……、倉本先輩みたいなハイスペックな人の彼女だから、もしかしてモデルなのかな~って思って…。」
「…そんな事初めて言われました。」
一方、スポーツ万能、180cmのイケメン倉本律に憧れていた女子達は、彼女の鈴木沙里を見た瞬間、潔く諦める事にそろって成功していた。
“あれには敵わない“
すっぱり気持ちを切り換えて、かえって素の飾らない態度で倉本律に接する事が出来るようになり、すがすがしい気分にさえなった位だった。
渡辺敦志についても同様で、二人に恋心を抱いていた女子達が次々に断念するのを見たフリーの男子達は、可愛い過ぎる新入生二人に無理に行く事はせず、二人は誰からも狙われる事はなかった。
敦志と律の思惑通りに、男子全員をまんまと牽制する事に成功したのだった。
─────
「俺達は一次会で帰るから。また、来週な?」
「そうっすよね。可愛い彼女さんがいますもんね。お疲れ様です!」
「「お疲れ~」」
「「お疲れ様でした」」
「敦志、すぐ家に来るでしょ?」
「ああ、うん、行くよ。…律達はどうするの?」
「沙里、今日は俺の家に来いよ」
「…う、うん。わかった」
敦志と朋奈は、(沙里ヤられるな)と思ったが言わなかった。
それに、敦志は、律とは長い付き合いだが、女を自宅に呼ぶところ自体、初めて目にした。
「それじゃ、またな」「「またね」」
「じゃぁな」
二組に別れて、駅の反対のホームに向かった。
「沙里、土日なんか予定ある?」
「ラケットとか見に行ってみようかなぁと思ってるけど。」
「サークル入るのか?」
「少し迷ってる」
「そうか。なら、土日の予定はないって事だな?」
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