すみません。その魔王は親友なので、勝手に起こさないでもらえます?

行枝ローザ

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賢者、勇者のひとりに会う。

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実を言うと私の家と村の周辺で、私たちはお互いの不足と知識を補いながら、魔物退治を請け負っていた。
本格的な傭兵や高レベルの冒険者には敵わないかもしれないが、低レベルの魔物であれば4人一緒でなくとも10体ぐらいなら簡単に退治させることができるようになったのである。

ただし、その後の到達レベルはどんどん差が開いていった。

主に私自身が戦闘向きであったことと、他の3人は学び舎や集落での仕事に加え、『人に教える』という才能に特化しているといってもいいほどの適性があったためだ。
そのことに歯がゆさを覚えたことはない。
何せこの3人は仲間であると同時に私の『弟子』でもあったから、危険な場面が多々ある『冒険者生活』で命の危険にさらす気はなかったからである。
だがローレンスやマーリウスは違う見方をしていた。
「……時々、師匠が森の向こうを見ているんだ」
「ああ。やっぱりさぁ……ここにいるばっかりじゃ、師匠は満足しねぇんじゃねぇの?」
「心残りってさ……『転生』の発生のひとつかもしれないって」
「また生まれ変わっても俺たちと会ってほしいけど……『魔王』ってやつに会いたいからって理由で俺たちに会って……また心残して、同じこと繰り返して……って、なんか、なぁ……」
だから、私に旅立つことを提案した。

私はそんなことを意識したことはない──なかったはずだ。

けれど心ここに在らずといった表情をしているのは、双子の前だけではなかったらしい。
「……だからですね?もうこの集落を護るのに、わざわざ先生だけが結界を張る必要はもうないんですよ?」
「えっ……き、気付いていました?」
「気付いてました!もちろんでしょう!!誰が倒れている先生を見つけて、この家に張ってあった結界を苦労して破ったと思っているんです?あれからずいぶん研鑽して、私だって半恒久的な結界魔法や魔術付、それを継承できる人間を育てるカリキュラムだって、ローとマーと相談してるんですから!」
私たちは大人になったが、相変わらず可愛らしい少女姿のリムがえっへんと胸を張った。
さすがに永遠に姿が変わらないのは気味悪がられると思ったのか、人前に出る時は顔に皺を作り、つやつやとした黒髪は脂っけの抜けた白髪になる老化の魔法をかけているが、私たちだけの時は通常の姿に戻ってくれる。
「もうそろそろ、俺らも師匠から免許皆伝とか、『後は任せた!私は好きにする!』って言われてもいいんじゃないかって思ってるんだけど?」
「ですよねぇ。マーリウスだってもう3人も子供が生まれるんだし、私だって……リムに至っては……えぇと、お孫さんは何人目?」
「んもぉ~!!女性になんて言い方!ちなみに明後日あたりに5人目です!3番目に養子にしたラズロのとこですねっ」
怒りながらも顔はふにゃりと溶ける。
「……だから、もうそろそろ私は姿を隠そうかと」
「え?」
「へ??」
その言葉を聞いて、私も双子も理解できずにキョトンとした。
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