50 / 84
第二章 アストライア大陸
第四十九話 VSズェストル
しおりを挟む
~SIDE ボンスタ~
撃ち落とせって言われてもなぁ、あんなのどうやって戦えってんだ。相手はあのズェストルだぞ。幼体であってもかなり強いし、普通の魔獣とは違って複数の魔法を操る。真正面からやり合って勝てる相手じゃない。少なくとも、俺一人では絶対に無理だ。
「おいお前たち! 今日の進行は中止とする。ニーズベステニー殿の指示だ。あの獣龍を撃ち落とせ。さらに強力な生体が出てきた場合は、ニーズベステニー殿が相手してくださるそうだ。だから安心して掛かれ」
俺たちは暗殺術を専門とした教育機関の出身だ。当然ながら、組織というものの教育も幾度となく受けさせられた。だから、連中は命の危機になるようなことが起きない限り、上司である俺の指示に従う。
今回も、部下たちは俺の言葉をすんなり受け入れ、各々武器の準備を始めた。
裏を返してしまえば、精霊ズェストルであっても、こいつらは脅威と思っていない。この人数でかかれば、命を失うことはまずないだろうと考えているのだ。
上司としては、考えが甘いと叱るべきなのかもしれない。しかし、彼らの自信を砕きたくないのも事実だ。ニーズベステニー殿やウチョニーさんには敵わないが、彼らも国の精鋭を育てる機関の一員。己の実力に、相応の自信を持っている。
「それに、これは俺たちの実力をお二人に見てもらうチャンスだ。そして、より高いレベルを目指すきっかけでもある。あの愚将に目に物見せてやるためにも、俺たちはもっと強くならなければならない。それこそ、お二人にも届きうるほどに!」
正直に言うと、タイタンロブスターなどに敵うはずがない。人間と彼等では、根本的に生物としての格が違うのだ。奴らがその気になれば、きっと羽虫を払うよりも簡単に人間を殺せる。それほどまでに、実力の格差は大きい。
だが、味方を鼓舞する文句としては上等な部類だ。事実、俺の部下たちは全員、静かに闘志をみなぎらせている。ウチョニーさんはそれほどまでに強く、ニーズベステニー殿は誰もが憧れるほど知力に溢れているのだ。
「では各々配置につけ。10数えたのち、俺の魔法にて合図とする。それが見えたら、全員一斉に魔法を放て。水の刃、ウォーターカッターだ。まずはアレの翼を切り落とし、俺たちの戦場まで引きずり下ろす」
部下全員に指示を出し、俺は心の内で秒数を数える。あるものは木陰に身を隠し、あるものは素早く地面と落ち葉に潜り込み、またあるものは大胆に木の上へ跳び枝葉に紛れる。俺たち暗殺者は、初手から姿を見せはしない。
この間わずか7秒。機関で相当な訓練を積んだ俺たちには、連携を取る時間など10秒で充分だ。であれば、行動は早い方が良い。向こうに気付かれる心配も薄れるし、戦闘において勢いは大切なのだ。
「切り裂け、ウォーターカッター!!」
雄々しく空を舞う幼体のズェストルに向けて魔法を放つと、続けて周囲からも数多のウォーターカッターが撃ちだされる。
若いズェストルは不意打ちを喰らい、混乱している様子だ。
これを好機と見て、俺はさらに魔法の連射を命じる。総勢14名から離れたれる水の刃は、たとえ精霊種の強靭な肉体であっても用意に切り裂き、ついには墜落せしめた。
「お前たち! 気を抜くな。不意打ちは無事に成功したが、アレは精霊種だ。そして、この森を支配する側の生物でもある。即座に二人制を作り、防御と攻撃の態勢を取り直せ。その間8秒とする! 再び俺の合図で、今度は水の槍、ウォータースピアーを放て!」
俺の指示を受け、各々近くの者とアイコンタクトを取り二人制を形成する。当然、俺も付近に潜伏していた一名とコンビを組んだ。コンビを組む相手は誰でも良い。俺たちはさして人数が多いわけでもないし、全員のことを知っているから。
二人制は一人が前に出でかがみ、水の盾を展開する。そしてもう一人は、遠距離から魔法攻撃をする。こうすることで、一人当たりの魔力量が少ない人間の弱点をカバーし、個人で戦わなければならない恐怖と焦りを軽減するのだ。
「……8秒経過。行くぞ。貫け、ウォータースピアー!」
先程と同じように、俺の合図に合わせて、総勢7名からウォータースピアーが放たれる。今度は羽ではなく、足を潰す。ここでチキって足の先端を狙わず、きちんと付け根部分を集中攻撃するのが重要だ。
精霊種というのはタフなもので、足首から先がなくても走れる。ましてや生体ともなると、膝から先が切断されようとも戦えるものなのだ。そのため、奴の動きを抑制するのならば、しっかりと根元から潰さなければならない。
総勢7名が半円状になって囲みウォータースピアーを放てば、足の二本くらいは外せるだろう。そうなったら、次は肉弾戦だ。逆に言えば、足を切断するまで、俺たちはアレに近づくことすら出来ない。
GGGYYYYYYYAAAAAAAAA!!!!!!!!!!
俺たちの総攻撃に、若いズェストルも思わず絶叫を上げた。いくらタフな精霊種であっても、これほどの魔法攻撃を一方的に浴びせられて、無事でいられるはずはないのだ。
奴は叫びつつ反撃の魔法を無差別に放つ。それは、幼体とは言え精霊種の魔法だ。当然、俺たち人間がまともに受け切れる道理はない。だが、だからこそ、防御面に集中できるよう、攻撃力を抑えて二人制を取っているのだ。
まずは攻撃担当のウォータースピアーを一発。これで勢いを落とす。そうすれば、次は防御担当の仕事。水の盾、ウォーターシールドで魔法を受け止め、これをはじき返す。そしてこの間に、攻撃担当はズェストルを叩くのだ。
精霊種の魔法はとてつもない脅威だが、二人で連携を組めば、防ぎ切れないことはない。それに、奴は今混乱状態だ。誰かを特別狙っている訳ではなく、取り敢えず防御反応として魔法を使っているだけ。ならば、人間の俺たちに対応できない訳はない。
そのまま30秒間、俺たちは奴の攻撃を防ぎつつ、ウォータースピアーを放ち続けた。正直こっちの魔力切れが先かとも思ったが、どうやら根気勝負は俺たちの勝ちらしい。ついに前足の二本を落とすことに成功した。
「よし、次は俺とコイツ以外の全員で三人制を作れ。防御に充てる人数を減らし、攻撃を増やす。一人は魔法攻撃、もう一人は物理攻撃で掛かれ! 決して油断はするな。精霊種は身体の何処からでも魔法を放てる化け物だ。腕を落としたからと言って、魔法を使えなくなったわけではないぞ!」
俺は再び全体に指示を出す。今度は三人制だ。指揮官である俺は、防御面を考慮して二人制のままにしておく。
もう全員かなりの魔力を消費しているはずだから、無理に魔法攻撃にはこだわらない。それよりも、物理攻撃に重点を置いた体勢だ。魔法攻撃担当はあくまで、物理攻撃で威力が足りない時の保険である。言うなれば、休憩係だな。
翼を切断され両の腕も失った若いズェストルは、ぐったりと地面に倒れこむ。しかし、戦う気力がなくなったわけではない。むしろ、あの姿勢は魔法を放つのに最適な姿勢。変に筋肉へ力が入らず、魔法に集中できる。
奴が放つは暴風の拳。ズェストルを取り囲む全員に対して一切の例外なく、その拳は猛威を振るった。ある者は吹き飛ばされ、またある者はあまりの風圧に立ち上がれなくなる。
しかし、その程度で俺の部下たちは止まらなかった。素早く態勢を立て直した数名が、石の杭でもって奴の頭部を貫いたのだ。
精霊種をただ一撃で殺すことはできないが、その瞬間、暴風の拳が一時収まった。そして一瞬でも勢いの削がれた魔法は、もう意味を成さない。
部下たちは果敢に反撃する。石の杭を叩きつけ、魔法の槍を撃ちだした。
そして数分後、ついに俺たちは、この森の最強種、精霊ズェストルの幼体を討伐したのだった。
撃ち落とせって言われてもなぁ、あんなのどうやって戦えってんだ。相手はあのズェストルだぞ。幼体であってもかなり強いし、普通の魔獣とは違って複数の魔法を操る。真正面からやり合って勝てる相手じゃない。少なくとも、俺一人では絶対に無理だ。
「おいお前たち! 今日の進行は中止とする。ニーズベステニー殿の指示だ。あの獣龍を撃ち落とせ。さらに強力な生体が出てきた場合は、ニーズベステニー殿が相手してくださるそうだ。だから安心して掛かれ」
俺たちは暗殺術を専門とした教育機関の出身だ。当然ながら、組織というものの教育も幾度となく受けさせられた。だから、連中は命の危機になるようなことが起きない限り、上司である俺の指示に従う。
今回も、部下たちは俺の言葉をすんなり受け入れ、各々武器の準備を始めた。
裏を返してしまえば、精霊ズェストルであっても、こいつらは脅威と思っていない。この人数でかかれば、命を失うことはまずないだろうと考えているのだ。
上司としては、考えが甘いと叱るべきなのかもしれない。しかし、彼らの自信を砕きたくないのも事実だ。ニーズベステニー殿やウチョニーさんには敵わないが、彼らも国の精鋭を育てる機関の一員。己の実力に、相応の自信を持っている。
「それに、これは俺たちの実力をお二人に見てもらうチャンスだ。そして、より高いレベルを目指すきっかけでもある。あの愚将に目に物見せてやるためにも、俺たちはもっと強くならなければならない。それこそ、お二人にも届きうるほどに!」
正直に言うと、タイタンロブスターなどに敵うはずがない。人間と彼等では、根本的に生物としての格が違うのだ。奴らがその気になれば、きっと羽虫を払うよりも簡単に人間を殺せる。それほどまでに、実力の格差は大きい。
だが、味方を鼓舞する文句としては上等な部類だ。事実、俺の部下たちは全員、静かに闘志をみなぎらせている。ウチョニーさんはそれほどまでに強く、ニーズベステニー殿は誰もが憧れるほど知力に溢れているのだ。
「では各々配置につけ。10数えたのち、俺の魔法にて合図とする。それが見えたら、全員一斉に魔法を放て。水の刃、ウォーターカッターだ。まずはアレの翼を切り落とし、俺たちの戦場まで引きずり下ろす」
部下全員に指示を出し、俺は心の内で秒数を数える。あるものは木陰に身を隠し、あるものは素早く地面と落ち葉に潜り込み、またあるものは大胆に木の上へ跳び枝葉に紛れる。俺たち暗殺者は、初手から姿を見せはしない。
この間わずか7秒。機関で相当な訓練を積んだ俺たちには、連携を取る時間など10秒で充分だ。であれば、行動は早い方が良い。向こうに気付かれる心配も薄れるし、戦闘において勢いは大切なのだ。
「切り裂け、ウォーターカッター!!」
雄々しく空を舞う幼体のズェストルに向けて魔法を放つと、続けて周囲からも数多のウォーターカッターが撃ちだされる。
若いズェストルは不意打ちを喰らい、混乱している様子だ。
これを好機と見て、俺はさらに魔法の連射を命じる。総勢14名から離れたれる水の刃は、たとえ精霊種の強靭な肉体であっても用意に切り裂き、ついには墜落せしめた。
「お前たち! 気を抜くな。不意打ちは無事に成功したが、アレは精霊種だ。そして、この森を支配する側の生物でもある。即座に二人制を作り、防御と攻撃の態勢を取り直せ。その間8秒とする! 再び俺の合図で、今度は水の槍、ウォータースピアーを放て!」
俺の指示を受け、各々近くの者とアイコンタクトを取り二人制を形成する。当然、俺も付近に潜伏していた一名とコンビを組んだ。コンビを組む相手は誰でも良い。俺たちはさして人数が多いわけでもないし、全員のことを知っているから。
二人制は一人が前に出でかがみ、水の盾を展開する。そしてもう一人は、遠距離から魔法攻撃をする。こうすることで、一人当たりの魔力量が少ない人間の弱点をカバーし、個人で戦わなければならない恐怖と焦りを軽減するのだ。
「……8秒経過。行くぞ。貫け、ウォータースピアー!」
先程と同じように、俺の合図に合わせて、総勢7名からウォータースピアーが放たれる。今度は羽ではなく、足を潰す。ここでチキって足の先端を狙わず、きちんと付け根部分を集中攻撃するのが重要だ。
精霊種というのはタフなもので、足首から先がなくても走れる。ましてや生体ともなると、膝から先が切断されようとも戦えるものなのだ。そのため、奴の動きを抑制するのならば、しっかりと根元から潰さなければならない。
総勢7名が半円状になって囲みウォータースピアーを放てば、足の二本くらいは外せるだろう。そうなったら、次は肉弾戦だ。逆に言えば、足を切断するまで、俺たちはアレに近づくことすら出来ない。
GGGYYYYYYYAAAAAAAAA!!!!!!!!!!
俺たちの総攻撃に、若いズェストルも思わず絶叫を上げた。いくらタフな精霊種であっても、これほどの魔法攻撃を一方的に浴びせられて、無事でいられるはずはないのだ。
奴は叫びつつ反撃の魔法を無差別に放つ。それは、幼体とは言え精霊種の魔法だ。当然、俺たち人間がまともに受け切れる道理はない。だが、だからこそ、防御面に集中できるよう、攻撃力を抑えて二人制を取っているのだ。
まずは攻撃担当のウォータースピアーを一発。これで勢いを落とす。そうすれば、次は防御担当の仕事。水の盾、ウォーターシールドで魔法を受け止め、これをはじき返す。そしてこの間に、攻撃担当はズェストルを叩くのだ。
精霊種の魔法はとてつもない脅威だが、二人で連携を組めば、防ぎ切れないことはない。それに、奴は今混乱状態だ。誰かを特別狙っている訳ではなく、取り敢えず防御反応として魔法を使っているだけ。ならば、人間の俺たちに対応できない訳はない。
そのまま30秒間、俺たちは奴の攻撃を防ぎつつ、ウォータースピアーを放ち続けた。正直こっちの魔力切れが先かとも思ったが、どうやら根気勝負は俺たちの勝ちらしい。ついに前足の二本を落とすことに成功した。
「よし、次は俺とコイツ以外の全員で三人制を作れ。防御に充てる人数を減らし、攻撃を増やす。一人は魔法攻撃、もう一人は物理攻撃で掛かれ! 決して油断はするな。精霊種は身体の何処からでも魔法を放てる化け物だ。腕を落としたからと言って、魔法を使えなくなったわけではないぞ!」
俺は再び全体に指示を出す。今度は三人制だ。指揮官である俺は、防御面を考慮して二人制のままにしておく。
もう全員かなりの魔力を消費しているはずだから、無理に魔法攻撃にはこだわらない。それよりも、物理攻撃に重点を置いた体勢だ。魔法攻撃担当はあくまで、物理攻撃で威力が足りない時の保険である。言うなれば、休憩係だな。
翼を切断され両の腕も失った若いズェストルは、ぐったりと地面に倒れこむ。しかし、戦う気力がなくなったわけではない。むしろ、あの姿勢は魔法を放つのに最適な姿勢。変に筋肉へ力が入らず、魔法に集中できる。
奴が放つは暴風の拳。ズェストルを取り囲む全員に対して一切の例外なく、その拳は猛威を振るった。ある者は吹き飛ばされ、またある者はあまりの風圧に立ち上がれなくなる。
しかし、その程度で俺の部下たちは止まらなかった。素早く態勢を立て直した数名が、石の杭でもって奴の頭部を貫いたのだ。
精霊種をただ一撃で殺すことはできないが、その瞬間、暴風の拳が一時収まった。そして一瞬でも勢いの削がれた魔法は、もう意味を成さない。
部下たちは果敢に反撃する。石の杭を叩きつけ、魔法の槍を撃ちだした。
そして数分後、ついに俺たちは、この森の最強種、精霊ズェストルの幼体を討伐したのだった。
0
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
JKメイドはご主人様のオモチャ 命令ひとつで脱がされて、触られて、好きにされて――
のぞみ
恋愛
「今日から、お前は俺のメイドだ。ベッドの上でもな」
高校二年生の蒼井ひなたは、借金に追われた家族の代わりに、ある大富豪の家で住み込みメイドとして働くことに。
そこは、まるでおとぎ話に出てきそうな大きな洋館。
でも、そこで待っていたのは、同じ高校に通うちょっと有名な男の子――完璧だけど性格が超ドSな御曹司、天城 蓮だった。
昼間は生徒会長、夜は…ご主人様?
しかも、彼の命令はちょっと普通じゃない。
「掃除だけじゃダメだろ? ご主人様の癒しも、メイドの大事な仕事だろ?」
手を握られるたび、耳元で囁かれるたび、心臓がバクバクする。
なのに、ひなたの体はどんどん反応してしまって…。
怒ったり照れたりしながらも、次第に蓮に惹かれていくひなた。
だけど、彼にはまだ知られていない秘密があって――
「…ほんとは、ずっと前から、私…」
ただのメイドなんかじゃ終わりたくない。
恋と欲望が交差する、ちょっぴり危険な主従ラブストーリー。
転生先はご近所さん?
フロイライン
ファンタジー
大学受験に失敗し、カノジョにフラれた俺は、ある事故に巻き込まれて死んでしまうが…
そんな俺に同情した神様が俺を転生させ、やり直すチャンスをくれた。
でも、並行世界で人々を救うつもりだった俺が転生した先は、近所に住む新婚の伊藤さんだった。
【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~
ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。
王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。
15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。
国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。
これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。
華都のローズマリー
みるくてぃー
ファンタジー
ひょんな事から前世の記憶が蘇った私、アリス・デュランタン。意地悪な義兄に『超』貧乏騎士爵家を追い出され、無一文の状態で妹と一緒に王都へ向かうが、そこは若い女性には厳しすぎる世界。一時は妹の為に身売りの覚悟をするも、気づけば何故か王都で人気のスィーツショップを経営することに。えっ、私この世界のお金の単位って全然わからないんですけど!?これは初めて見たお金が金貨の山だったという金銭感覚ゼロ、ハチャメチャ少女のラブ?コメディな物語。
新たなお仕事シリーズ第一弾、不定期掲載にて始めます!
悪役令嬢はモブ化した
F.conoe
ファンタジー
乙女ゲーム? なにそれ食べ物? な悪役令嬢、普通にシナリオ負けして退場しました。
しかし貴族令嬢としてダメの烙印をおされた卒業パーティーで、彼女は本当の自分を取り戻す!
領地改革にいそしむ充実した日々のその裏で、乙女ゲームは着々と進行していくのである。
「……なんなのこれは。意味がわからないわ」
乙女ゲームのシナリオはこわい。
*注*誰にも前世の記憶はありません。
ざまぁが地味だと思っていましたが、オーバーキルだという意見もあるので、優しい結末を期待してる人は読まない方が良さげ。
性格悪いけど自覚がなくて自分を優しいと思っている乙女ゲームヒロインの心理描写と因果応報がメインテーマ(番外編で登場)なので、叩かれようがざまぁ改変して救う気はない。
作者の趣味100%でダンジョンが出ました。
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
私のアレに値が付いた!?
ネコヅキ
ファンタジー
もしも、金のタマゴを産み落としたなら――
鮎沢佳奈は二十歳の大学生。ある日突然死んでしまった彼女は、神様の代行者を名乗る青年に異世界へと転生。という形で異世界への移住を提案され、移住を快諾した佳奈は喫茶店の看板娘である人物に助けてもらって新たな生活を始めた。
しかしその一週間後。借りたアパートの一室で、白磁の器を揺るがす事件が勃発する。振り返って見てみれば器の中で灰色の物体が鎮座し、その物体の正体を知るべく質屋に持ち込んだ事から彼女の順風満帆の歯車が狂い始める。
自身を金のタマゴを産むガチョウになぞらえ、絶対に知られてはならない秘密を一人抱え込む佳奈の運命はいかに――
・産むのはタマゴではありません! お食事中の方はご注意下さいませ。
・小説家になろう様、カクヨム様にも掲載しております。
・小説家になろう様にて三十七万PVを突破。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる