魔界建築家 井原 ”はじまお外伝”

どたぬき

文字の大きさ
92 / 1,528
第3章 マルワール帝国のダンジョンマスター

第92話 おわかりいただけるだろうか

しおりを挟む
「いくだわさ!稼ぐだわさ!」
「本当にこれでいいんだろうな!」
 髭が多いという描写で悪いが。本気で髭と天パのおっさんが引き連れた、この国の兵士たちだ。で、完成した直後、周囲にはなぜか、木の砦が立ち…外側から見ると”第二軍団駐留所”の文字があった。いきなり軍隊が囲い込んだのだ。私の経験では今まで異世界系ダンマスもの見た感じ、ダンジョンができて次の日に軍隊が砦築いて囲い込むなんて誰が予想するか!
「あんたたちはそこにいるダンマス子ちゃんに皮を持って行くだわさ、肉は地元に売るだわさ!そこでお前ら軍備費稼ぐだわさ!」
「「おおー!」」
 騎士団のハッスルが凄い。あ、ウルフェが軽くひいてる。
「えっと…あの…。」
 2Fパークボアエリアまで、高速で駆け付け一気にここまで来た彼らの顔は明るい。一応何故か落成記念に呼ばれたウルフェの顔は青い。
「肉!」
「肉!」
「肉だ!」
「フレッシュミィーート!」
 中継で見ている私も、そして、サブマスターとして入口の狩り小屋の守護に当たるウルフェもこのテンションには涙目だった。
「行くだわさ!見事皮鎧を生産するまで皮を持ってきたら昇給も考えるだわさ!」
「おおー!」
「肉は、肉は勝手に焼いていいですか!」
「ダメだと言いたいだわさ!」
 鳥海さんがぎゅっと手を握ると涙を流す、ふりをした。
「けど、王も来ないだわさ?後はわかるだわさ?」
 鳥海さんの黒い笑みに、全員の顔が明るくなる。
「当然、私の手で、焼き肉台をも設置・・・。させるだわさ、高級品をたらふく食うだわさ!」
『あれ、うちら破産させる気ですか?』
『あれは一応大丈夫だろう。但し皮鎧生産工場を下に作っておけ、一応プログラムゴーレムは設置しておけ。』
『マスター。了解しました。』
 そして井原がひそひそ話をして画面を見つめる中、兵士たちはそれぞれ槍を持ち狩りに向かった。
「ウルフェちゃんだっけ?」
「は、はい!」
 流石に勢いに飲まれ過ぎて、思いっきりおびえちゃってるんだ…。
「後で溶岩プレート竈を外に設置させるだわさ。とりあえず2台でいいだわさ。革はそこで売って、加工して、鎧にしてほしいだわさ。妨害は自由だわさ。そうでないと危険地域でないだわさ。」
『どういうことだ?』
 流石に井原もこれは…利用されたとしか思えなかった。
「帝国と言えど飯はなかなか野菜だけで、強固な軍隊になるわけないだわさ。そこで、少量は干し肉とか買い集め食いつないでいただわさ。但し、狩りといっても軍隊にさせるわけにいかなかっただわさ、そこでここでDPをそっちに与えつつ、その分でうちらは軍備と食事環境を良くするだわさ。」
『あんたがダンジョン作ってもいいんじゃないか?』
「最近やっとサブダンジョンが作れるようになった。新米ダンマスだわさ?何言ってるだわさ?首都には将軍訓練用ダンジョンがあるだわさ。が、狩りをさせるフィールド型とかあり、中立スポナーや友好スポナーが草食動物を使って育成可能になれば、これはもう革命だわさ。ここで出たデータをもとにうちでも量産するだわさ。ダンジョン内に生態系が作れるだわさ。」
『で、狩り尽くすのか?』
「スポナーある限り尽きないだわさ。」
『赤字にする気か。』
「データ取得に手を貸してると言って欲しいだわさ。足りないなら、別の敵を作って妨害すればいいだわさ。ただ、こうしないと逆にDPも稼げないだわさ。」
 正しく正論なのがつらい。
「それに第二軍団は通称極潰し団だわさ。貴族の次男や3男が多くてうかつに戦場に送っても、皇帝の傍においても問題あるだわさ。こういう物資関連の部隊だから、こういう槍働きは彼らの望みだわさ。ついでに貴族は下になると下手すると庶民より飯を食っていないだわさ。だからこそ。」
「飯か…。」
 貴族の次男3男は当然長男が死んだ際のスベアという意味合いでこの頃には存在意義があった。だからこそ死んでほしくないが、かといって長男みたく功績稼がれても困るし、かといって目の届かない場所にいてもらっても困る。そんな中途半端な位置だ。その為、長男にとって代わろうと野心を抱く者も多いので、武功を焦り、暴走しやすくもある。そんな扱いずらい第2軍団は通称極潰し団と呼ばれ帝国はで肩身の狭い思いをしていた。メインは近衛兵団の第一、調査部隊の第3.強硬の第4が担当してた。
「そうだわさ。せめて腹いっぱい飯は食わせてやりたいだわさ。飢えて力が出ない兵なんて、言うまでもなく活躍するわけないだわさ。」
「でも、せめてダンマス子ちゃんは?」
「大丈夫だわさ。あの連中はそれ以上覚えれないだわさ。後の怖いまでハッスルしてるあの脳筋がここのトップの軍団長、すなわち将軍だわさ。」
 カメラを移した先では正しく筋肉ダルマで、単純そうな中年のおっさんがいた。うわ。ある意味頭痛いわ。
しおりを挟む
感想 4

あなたにおすすめの小説

友人(勇者)に恋人も幼馴染も取られたけど悔しくない。 だって俺は転生者だから。

石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもない状態だった。 だが、此の状態は彼にとっては『本当の幸せ』を掴む事に必要だった 何故なら、彼は『転生者』だから… 今度は違う切り口からのアプローチ。 追放の話しの一話は、前作とかなり似ていますが2話からは、かなり変わります。 こうご期待。

愛された側妃と、愛されなかった正妃

編端みどり
恋愛
隣国から嫁いだ正妃は、夫に全く相手にされない。 夫が愛しているのは、美人で妖艶な側妃だけ。 連れて来た使用人はいつの間にか入れ替えられ、味方がいなくなり、全てを諦めていた正妃は、ある日側妃に子が産まれたと知った。自分の子として育てろと無茶振りをした国王と違い、産まれたばかりの赤ん坊は可愛らしかった。 正妃は、子育てを通じて強く逞しくなり、夫を切り捨てると決めた。 ※カクヨムさんにも掲載中 ※ 『※』があるところは、血の流れるシーンがあります ※センシティブな表現があります。血縁を重視している世界観のためです。このような考え方を肯定するものではありません。不快な表現があればご指摘下さい。

(完結)醜くなった花嫁の末路「どうぞ、お笑いください。元旦那様」

音爽(ネソウ)
ファンタジー
容姿が気に入らないと白い結婚を強いられた妻。 本邸から追い出されはしなかったが、夫は離れに愛人を囲い顔さえ見せない。 しかし、3年と待たず離縁が決定する事態に。そして元夫の家は……。 *6月18日HOTランキング入りしました、ありがとうございます。

魔王を倒した勇者を迫害した人間様方の末路はなかなか悲惨なようです。

カモミール
ファンタジー
勇者ロキは長い冒険の末魔王を討伐する。 だが、人間の王エスカダルはそんな英雄であるロキをなぜか認めず、 ロキに身の覚えのない罪をなすりつけて投獄してしまう。 国民たちもその罪を信じ勇者を迫害した。 そして、処刑場される間際、勇者は驚きの発言をするのだった。

母は何処? 父はだぁれ?

穂村満月
ファンタジー
うちは、父3人母2人妹1人の7人家族だ。 産みの母は誰だかわかるが、実父は誰だかわからない。 妹も、実妹なのか不明だ。 そんなよくわからない家族の中で暮らしていたが、ある日突然、実母がいなくなってしまった。 父たちに聞いても、母のことを教えてはくれない。 母は、どこへ行ってしまったんだろう! というところからスタートする、 さて、実父は誰でしょう? というクイズ小説です。 変な家族に揉まれて、主人公が成長する物語でもなく、 家族とのふれあいを描くヒューマンドラマでもありません。 意味のわからない展開から、誰の子なのか想像してもらえたらいいなぁ、と思っております。 前作「死んでないのに異世界転生? 三重苦だけど頑張ります」の完結記念ssの「誰の子産むの?」のアンサーストーリーになります。 もう伏線は回収しきっているので、変なことは起きても謎は何もありません。 単体でも楽しめるように書けたらいいな、と思っておりますが、前作の設定とキャラクターが意味不明すぎて、説明するのが難しすぎました。嫁の夫をお父さんお母さん呼びするのを諦めたり、いろんな変更を行っております。設定全ては持ってこれないことを先にお詫びします。 また、先にこちらを読むと、1話目から前作のネタバレが大量に飛び出すことも、お詫び致します。 「小説家になろう」で連載していたものです。

側妃に追放された王太子

基本二度寝
ファンタジー
「王が倒れた今、私が王の代理を務めます」 正妃は数年前になくなり、側妃の女が現在正妃の代わりを務めていた。 そして、国王が体調不良で倒れた今、側妃は貴族を集めて宣言した。 王の代理が側妃など異例の出来事だ。 「手始めに、正妃の息子、現王太子の婚約破棄と身分の剥奪を命じます」 王太子は息を吐いた。 「それが国のためなら」 貴族も大臣も側妃の手が及んでいる。 無駄に抵抗するよりも、王太子はそれに従うことにした。

クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?

青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。 最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。 普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた? しかも弱いからと森に捨てられた。 いやちょっとまてよ? 皆さん勘違いしてません? これはあいの不思議な日常を書いた物語である。 本編完結しました! 相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです! 1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

【長編・完結】私、12歳で死んだ。赤ちゃん還り?水魔法で救済じゃなくて、給水しますよー。

BBやっこ
ファンタジー
死因の毒殺は、意外とは言い切れない。だって貴族の後継者扱いだったから。けど、私はこの家の子ではないかもしれない。そこをつけいられて、親族と名乗る人達に好き勝手されていた。 辺境の地で魔物からの脅威に領地を守りながら、過ごした12年間。その生が終わった筈だったけど…雨。その日に辺境伯が連れて来た赤ん坊。「セリュートとでも名付けておけ」暫定後継者になった瞬間にいた、私は赤ちゃん?? 私が、もう一度自分の人生を歩み始める物語。給水係と呼ばれる水魔法でお悩み解決?

処理中です...