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十五話 初夜
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深呼吸をしてから、ドアをノックする。
「入るよ」
「……どうぞ」
くぐもったクレイの声を聞いて、僕はドアを開けた。
僕と同じデザインのローブを纏ったクレイはベッド脇に立って僕を迎えてくれた。
「お待ちしておりました」
「……うん」
顔が熱い。彼の顔が直視できない。
僕らはベッドに腰かけた。
触れ合う肩から伝わる熱が甘くて、胸が更に高鳴る。
そっと、僕の手にクレイの手が重なる。
「クレイ」
「すいませんオリバー様。俺がリードすべきなのですが」
その湿った手の平から、彼の想いが伝わる。
彼もまた緊張しているのだろう。
ずっと想い続けた、一度は結ばれることを諦めていた初恋の人。
その人と番となり生涯を共にすると誓い合うのだ。
あまりに幸福すぎて、失敗しないか心配になってしまうのだろう。
そんなクレイの心配を感じ取った僕は、彼と目を合わせた。
「僕も、君と同じ気持ちだよ。嬉しいのに、すごく緊張して、なにしていいかわからない」
「そう、なのですか?」
「うん。ほら、触れて」
僕は手に添えられたクレイの大きな手の平を取り、ローブをはだけて自分の左胸に張り付けた。
誰にも、というか自分でも触れたことがない薄紅色の突起に、クレイの手が触れる。
急激に体温が高くなる。
きっと手の平越しに僕のこの鼓動が伝わっているはずだ。
「……っ!」
「ね? 僕の気持ちも、伝わったでしょ? 僕も嬉しいんだ。それと同じくらい失敗しないか心配なんだ」
「オリバー……様」
僕は少し腰を動かして、クレイに更に近づく。
彼の荒い息が僕の額にかかる。
「大丈夫だよ。どんなことがあったって、僕は受け入れるから」
決意を決めて、僕はクレイにそう言った。
クレイは意を決したように険しい顔をして、そっと僕の肩に触れた。
「優しく……します」
「うん……来て」
そして僕はシーツに沈み、その上にクレイが覆いかぶさった。
僕は彼の大きな手の平に指を絡め、クレイの全てを受け入れた。
互いのフェロモンの香りが混ざって、更に体が熱くなる。
体だけじゃない。
体の中、その奥にある魂もクレイと溶けあっていくような気さえした。
そこにあるのはただの本能的な情欲じゃない。
魂が交じり合う、神聖な儀式だ。
(これが、αとΩの、交わり)
たくさん慣らした後に一つになり、クレイは僕をきつく抱きしめて首筋に顔を埋めた。
「……噛みます」
「うん」
αがΩの首を噛む。
それは番となることを意味していた。
番とはただの夫婦ではない。
特別な絆で結ばれた伴侶。
首筋に触れるクレイの歯の先に、僕は息を吐いた。
歯は肉を裂いて、痕を刻む。
瞬間、僕の体に多幸感が満ちた。
目の前の男に僕は肌を合わす。
「クレイ……番になったんだね、僕たち」
「ええ……」
「ねえ、クレイ」
「はい」
「……僕の事をずっと好きでいてくれてありがとう」
そういって彼と繋がったまま唇を交わした。
ほのかに鉄の味がする口付けは、前よりも更に僕らを繋げてくれていた。
「入るよ」
「……どうぞ」
くぐもったクレイの声を聞いて、僕はドアを開けた。
僕と同じデザインのローブを纏ったクレイはベッド脇に立って僕を迎えてくれた。
「お待ちしておりました」
「……うん」
顔が熱い。彼の顔が直視できない。
僕らはベッドに腰かけた。
触れ合う肩から伝わる熱が甘くて、胸が更に高鳴る。
そっと、僕の手にクレイの手が重なる。
「クレイ」
「すいませんオリバー様。俺がリードすべきなのですが」
その湿った手の平から、彼の想いが伝わる。
彼もまた緊張しているのだろう。
ずっと想い続けた、一度は結ばれることを諦めていた初恋の人。
その人と番となり生涯を共にすると誓い合うのだ。
あまりに幸福すぎて、失敗しないか心配になってしまうのだろう。
そんなクレイの心配を感じ取った僕は、彼と目を合わせた。
「僕も、君と同じ気持ちだよ。嬉しいのに、すごく緊張して、なにしていいかわからない」
「そう、なのですか?」
「うん。ほら、触れて」
僕は手に添えられたクレイの大きな手の平を取り、ローブをはだけて自分の左胸に張り付けた。
誰にも、というか自分でも触れたことがない薄紅色の突起に、クレイの手が触れる。
急激に体温が高くなる。
きっと手の平越しに僕のこの鼓動が伝わっているはずだ。
「……っ!」
「ね? 僕の気持ちも、伝わったでしょ? 僕も嬉しいんだ。それと同じくらい失敗しないか心配なんだ」
「オリバー……様」
僕は少し腰を動かして、クレイに更に近づく。
彼の荒い息が僕の額にかかる。
「大丈夫だよ。どんなことがあったって、僕は受け入れるから」
決意を決めて、僕はクレイにそう言った。
クレイは意を決したように険しい顔をして、そっと僕の肩に触れた。
「優しく……します」
「うん……来て」
そして僕はシーツに沈み、その上にクレイが覆いかぶさった。
僕は彼の大きな手の平に指を絡め、クレイの全てを受け入れた。
互いのフェロモンの香りが混ざって、更に体が熱くなる。
体だけじゃない。
体の中、その奥にある魂もクレイと溶けあっていくような気さえした。
そこにあるのはただの本能的な情欲じゃない。
魂が交じり合う、神聖な儀式だ。
(これが、αとΩの、交わり)
たくさん慣らした後に一つになり、クレイは僕をきつく抱きしめて首筋に顔を埋めた。
「……噛みます」
「うん」
αがΩの首を噛む。
それは番となることを意味していた。
番とはただの夫婦ではない。
特別な絆で結ばれた伴侶。
首筋に触れるクレイの歯の先に、僕は息を吐いた。
歯は肉を裂いて、痕を刻む。
瞬間、僕の体に多幸感が満ちた。
目の前の男に僕は肌を合わす。
「クレイ……番になったんだね、僕たち」
「ええ……」
「ねえ、クレイ」
「はい」
「……僕の事をずっと好きでいてくれてありがとう」
そういって彼と繋がったまま唇を交わした。
ほのかに鉄の味がする口付けは、前よりも更に僕らを繋げてくれていた。
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