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3章
4 庭園③
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侯爵家当主としての全権を委譲されたロバートは、手始めに侯爵邸で働く者たちの人員整理を行った。
デミオンとアンジュが雇った者たちは全員解雇されている。
2人に取り入る為にジェーンに嫌がらせをしていた者達だ。ロバートは紹介状も与えずに放り出した。
そうなると侯爵邸の広い敷地すべてには手が回らない。
必然的に切り捨てられるのは表に出ない部分である。
表の庭園から塀で遮られた向こう側を切り捨てる。
そう決めたロバートは、直接レオナルドへ伝える為に公爵邸を訪れた。
レオナルドとしても、侯爵家としての判断に否を唱えることはできない。
あの場所は4人にとって思い出が詰まった特別な場所だ。これはロバートにとっても苦渋の決断である。
自然と顔が暗くなり、想い雰囲気になる。
そこへアダムが帰宅した。
挨拶に出たロバートが訪問の理由を告げると、先に反応したのはオレリアだった。
あの場所は、嫁いだばかりのオレリアが逃げ込んだ場所だった。
サンドラはあの家の庭先でお茶を飲みながらよく話を聞いてくれていた。
アリシアとジェーンが生まれてからは、子どもたちを外で遊ばせながら2人でその姿を眺めていたものだ。
オレリアにとっても思い出深い場所だった。
「あの塀の向こうを父上は知らなかったみたいで驚いていたよ」
それはそうだろう。
元は当主の愛人を囲う為に作られた場所なのだ。アダムが侯爵邸を訪ねたとしても、サンドラが案内したとは思えない。
だけどサンドラはそんな後ろ暗い過去を持つ場所を、子どもたちが遊ぶ明るい場所へ変えようとしていた。
「あそこは僕たちが子どもの頃よく遊んだ場所だし、母上にとってもサンドラ叔母様と一緒に過ごした思い出深い場所なんだ。父上はそれを重く受け止めたらしい。それに王太子妃殿下もお気に入りの場所だからね」
「だけどあそこは一等地よ。一族から反発があるんじゃないかしら」
ジェーンは納得していても侯爵一族の反応はまた違う。
「うん、だけど侯爵家が火の車なのは一族の人間ならわかってるはずだ。あれだけの敷地を手放せばかなりの資金が手に入る。それを元手に領地の復興を図った方が良い」
確かにキャンベル侯爵家は歴史の古い家だ。
それに元はルビーの産地として財を成した家である。
王都の中でも一等地に広大な敷地を持ち、邸宅が立っている。その一部を割譲したならそれだけでひと財産だ。
そう考えると、このまま荒廃させてしまうよりも公爵家に売り渡してしまった方が良いのかもしれない。
財政状況が改善されて余裕ができればまた買い戻せば良いのだ。
少なくともルトビア公爵家で管理している間は庭園を潰したり好きに改築するようなことはしない。
「まあ公爵家のものとなる以上、侯爵邸からは出入り出来ないようにするよ。あの木戸は取り払って塀を作り直すことになるだろうね。だけどこれまで裏口だったところに門を作って正門とする。ルトビア公爵家の許可がある者はそこから好きな時に出入りできる。もちろんジェーンやロバート、アリシアやレイヴン殿下も…ね」
レオナルドが意味ありげに笑う。
実際にはアリシアやレイヴンが訪れるのは中々難しいだろうけれど、またいつか訪れることができるのだと思うとそれだけで嬉しかった。
デミオンとアンジュが雇った者たちは全員解雇されている。
2人に取り入る為にジェーンに嫌がらせをしていた者達だ。ロバートは紹介状も与えずに放り出した。
そうなると侯爵邸の広い敷地すべてには手が回らない。
必然的に切り捨てられるのは表に出ない部分である。
表の庭園から塀で遮られた向こう側を切り捨てる。
そう決めたロバートは、直接レオナルドへ伝える為に公爵邸を訪れた。
レオナルドとしても、侯爵家としての判断に否を唱えることはできない。
あの場所は4人にとって思い出が詰まった特別な場所だ。これはロバートにとっても苦渋の決断である。
自然と顔が暗くなり、想い雰囲気になる。
そこへアダムが帰宅した。
挨拶に出たロバートが訪問の理由を告げると、先に反応したのはオレリアだった。
あの場所は、嫁いだばかりのオレリアが逃げ込んだ場所だった。
サンドラはあの家の庭先でお茶を飲みながらよく話を聞いてくれていた。
アリシアとジェーンが生まれてからは、子どもたちを外で遊ばせながら2人でその姿を眺めていたものだ。
オレリアにとっても思い出深い場所だった。
「あの塀の向こうを父上は知らなかったみたいで驚いていたよ」
それはそうだろう。
元は当主の愛人を囲う為に作られた場所なのだ。アダムが侯爵邸を訪ねたとしても、サンドラが案内したとは思えない。
だけどサンドラはそんな後ろ暗い過去を持つ場所を、子どもたちが遊ぶ明るい場所へ変えようとしていた。
「あそこは僕たちが子どもの頃よく遊んだ場所だし、母上にとってもサンドラ叔母様と一緒に過ごした思い出深い場所なんだ。父上はそれを重く受け止めたらしい。それに王太子妃殿下もお気に入りの場所だからね」
「だけどあそこは一等地よ。一族から反発があるんじゃないかしら」
ジェーンは納得していても侯爵一族の反応はまた違う。
「うん、だけど侯爵家が火の車なのは一族の人間ならわかってるはずだ。あれだけの敷地を手放せばかなりの資金が手に入る。それを元手に領地の復興を図った方が良い」
確かにキャンベル侯爵家は歴史の古い家だ。
それに元はルビーの産地として財を成した家である。
王都の中でも一等地に広大な敷地を持ち、邸宅が立っている。その一部を割譲したならそれだけでひと財産だ。
そう考えると、このまま荒廃させてしまうよりも公爵家に売り渡してしまった方が良いのかもしれない。
財政状況が改善されて余裕ができればまた買い戻せば良いのだ。
少なくともルトビア公爵家で管理している間は庭園を潰したり好きに改築するようなことはしない。
「まあ公爵家のものとなる以上、侯爵邸からは出入り出来ないようにするよ。あの木戸は取り払って塀を作り直すことになるだろうね。だけどこれまで裏口だったところに門を作って正門とする。ルトビア公爵家の許可がある者はそこから好きな時に出入りできる。もちろんジェーンやロバート、アリシアやレイヴン殿下も…ね」
レオナルドが意味ありげに笑う。
実際にはアリシアやレイヴンが訪れるのは中々難しいだろうけれど、またいつか訪れることができるのだと思うとそれだけで嬉しかった。
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