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番外編・処罰の後
16 処罰の後(10-①)
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マーサは机に向かうエミリーとジョッシュの傍に置かれたカップを入れ替え、新しい紅茶を注いだ。
エミリーの面倒を見るよう言われているが、専属侍女になったわけではない。エミリーの傍にずっと付いているわけではなく、時々様子を見ては新しい紅茶を淹れるだけだ。
2人はもう正式な婚約者なので、部屋に2人きりでいても大きな問題はない。
2人は今日も詫び状と招待状を書いている。
だけど進捗状況は芳しくない。
エミリーはただ黙々と手を動かしているだけだが、ジョッシュには焦りが見える。貴族としての教育を受けているジョッシュは、詫び状を出すにも許される時期の限界があることを知っているのだ。
そもそも花嫁の入れ替えが決まったのは挙式の3か月前である。ジェーンとの式やパーティーに出席予定だった人は既に準備を始めていただろう。
祝いの品を取り寄せているし、式やパーティーで着るドレスを作らせている。遠方の領地に滞在している人は王都へ出てくる準備も必要だ。
そんな人たちへ詫び状を出し、改めて式とパーティーへ招待するのだから、早ければ早い方が良い。
マーサは内心溜息を吐いた。
クレールに呼び出されたマーサは、マーサがエミリーへ助言することをロバートは許していると告げられた。
侯爵家としての面目があるのでマーサが何もしなくてももう少しすればクレールが動く。
エミリーへ助言するかどうかの判断を任せられたのは信頼されていると思えて嬉しい。
だけど助言の内容はエミリーにとって辛いものとなる。
ジェーンとジョッシュの結婚は侯爵家の惣領姫と次期当主の縁組だった。その為、膨大な数の招待状を出している。
ジェーンに式の準備を任せきりだったジョッシュは、その招待状をジェーンが1人で準備したと思っているようだが、実際には複数の侍女やメイドが協力して一緒に作成したのだ。
こんな大規模なパーティーの招待状を1人で手配するような者はいない。大勢の使用人をどのように使うのか、当主や夫人にはその手腕が求められるのだ。
この邸にはジェーンの指示を聞くような使用人はいなかった。
だけどそれは表向きのこと。陰ではジェーンの為に動く使用人が何人もいる。ジェーンはそれをよく把握していた。
ジェーンは自分の為に動く者を選んで声を掛けた。
声を掛けられた者は嫌そうな振りをしながら、その実喜んで協力していた。
マーサも手分けして招待状を書いた使用人の1人だ。その時協力していた使用人が皆邸に残っている。
エミリーが自分で手配をするなら、使用人に協力を頼むしかない。
だけど以前のジェーンとは違って、この邸に残っているのは本当にエミリーを嫌っている者ばかりだ。
エミリーの頼みを快く引き受ける者はいないので,引き受けてくれるまで頭を下げるしかない。
嫌悪感を露わにする者たちへ頭を下げ続けるのは辛いことだ。
エミリーが何もしなくてもその内クレールが動く。
侯爵家として早急な手配が必要なことはわかっているので、クレールが指示をすれば皆従うだろう。
だけどそれは仕上がらなかった仕事をエミリーから取り上げることになる。
詫び状と招待状の作成はエミリーが初めて真剣に取り組んでいることだ。
それを途中で取り上げられてしまっては、達成感を覚える前に挫折感を味わうことになる。
エミリーにとってはどちらがより辛いだろうか。
エミリーの面倒を見るよう言われているが、専属侍女になったわけではない。エミリーの傍にずっと付いているわけではなく、時々様子を見ては新しい紅茶を淹れるだけだ。
2人はもう正式な婚約者なので、部屋に2人きりでいても大きな問題はない。
2人は今日も詫び状と招待状を書いている。
だけど進捗状況は芳しくない。
エミリーはただ黙々と手を動かしているだけだが、ジョッシュには焦りが見える。貴族としての教育を受けているジョッシュは、詫び状を出すにも許される時期の限界があることを知っているのだ。
そもそも花嫁の入れ替えが決まったのは挙式の3か月前である。ジェーンとの式やパーティーに出席予定だった人は既に準備を始めていただろう。
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マーサは内心溜息を吐いた。
クレールに呼び出されたマーサは、マーサがエミリーへ助言することをロバートは許していると告げられた。
侯爵家としての面目があるのでマーサが何もしなくてももう少しすればクレールが動く。
エミリーへ助言するかどうかの判断を任せられたのは信頼されていると思えて嬉しい。
だけど助言の内容はエミリーにとって辛いものとなる。
ジェーンとジョッシュの結婚は侯爵家の惣領姫と次期当主の縁組だった。その為、膨大な数の招待状を出している。
ジェーンに式の準備を任せきりだったジョッシュは、その招待状をジェーンが1人で準備したと思っているようだが、実際には複数の侍女やメイドが協力して一緒に作成したのだ。
こんな大規模なパーティーの招待状を1人で手配するような者はいない。大勢の使用人をどのように使うのか、当主や夫人にはその手腕が求められるのだ。
この邸にはジェーンの指示を聞くような使用人はいなかった。
だけどそれは表向きのこと。陰ではジェーンの為に動く使用人が何人もいる。ジェーンはそれをよく把握していた。
ジェーンは自分の為に動く者を選んで声を掛けた。
声を掛けられた者は嫌そうな振りをしながら、その実喜んで協力していた。
マーサも手分けして招待状を書いた使用人の1人だ。その時協力していた使用人が皆邸に残っている。
エミリーが自分で手配をするなら、使用人に協力を頼むしかない。
だけど以前のジェーンとは違って、この邸に残っているのは本当にエミリーを嫌っている者ばかりだ。
エミリーの頼みを快く引き受ける者はいないので,引き受けてくれるまで頭を下げるしかない。
嫌悪感を露わにする者たちへ頭を下げ続けるのは辛いことだ。
エミリーが何もしなくてもその内クレールが動く。
侯爵家として早急な手配が必要なことはわかっているので、クレールが指示をすれば皆従うだろう。
だけどそれは仕上がらなかった仕事をエミリーから取り上げることになる。
詫び状と招待状の作成はエミリーが初めて真剣に取り組んでいることだ。
それを途中で取り上げられてしまっては、達成感を覚える前に挫折感を味わうことになる。
エミリーにとってはどちらがより辛いだろうか。
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