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番外編
艶本 2※
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閨教育で使われた艶本だが、まだレイヴンの手元に残っている。
レイヴンにとっては教科書と同じ扱いの為、持っていることに罪悪感などは感じない。ただ、人に見られては恥ずかしいモノだという意識はあるので、いつもは執務室の本棚の奥にひっそりと置かれていた。
レイヴンは久しぶりにその艶本を読んでいた。
アリシアと試してみたい体位がある。
あの頃とは関係が変わった。アリシアも嫌がらないと思う。
いや、あの頃でもアリシアが嫌がることはなかっただろう。ただそれは王太子妃としてレイヴンの要望に従うだけで、アリシアの本心ではない。
だけど今は…アリシアも嫌々ではなく本心から受け入れてくれるだろう…と、思いたい。
トントンと扉を叩く音がして、レイヴンは飛び上がりそうになった。
慌てて艶本を元にあった場所へ戻す。
入室を許可すると、入って来たのはレオナルドだった。
今、一番会いたくない相手だ。
「殿下、従者まで外へ出して、何をしておられたのです?」
レオナルドの問いに冷たい汗が流れる。
レイヴンは艶本を読むことを知られない為に、いつも部屋の中で控えている従者まで外へ出していた。確かに通常では有り得ない状況である。
「別に…たまには1人になりたかっただけだ」
「1人に、ですか」
レオナルドがまったく信用してない顔で繰り返す。
その目が艶本を戻した辺りに向けられている気がしてならなかった。
湯浴みを終えて寝室へ入ったのはレイヴンの方が早かった。ベッドに座ってアリシアが来るのを待つ。
レイヴンは今日、いつもと違う体位を試してみたいと頼むつもりだ。アリシアの反応を思うと落ち着かない。
レイヴンはソワソワしながらアリシアが来るのを待っていた。
「レイヴン様」
しばらくするとアリシアが寝室へ入って来た。レイヴンを見て自然に微笑む。
夜の支度を終えたアリシアは艶やかで、昼間とは違う色気を放っている。
美しい。
心に浮かぶのはその一言だ。
「アリシア」
レイヴンが手を伸ばすとアリシアも素直にレイヴンのところへ来て腕の中に納まる。
愛しさが込み上げてきてぎゅっと抱き締めた。
「愛している、アリシア」
囁きながら額や頬にちゅっと口づけると、背中にまわされたアリシアの腕に力がこもった。
アリシアはあまり「愛している」と言ってくれない。
だけど以前はなかった自然な笑顔や、恥ずかしそうに逸らされる視線がアリシアの気持ちを伝えてくれる。
レイヴンはそれだけで十分幸せを感じられる。
それなのにそれ以上のことを求める必要があるだろうか?
余計なことを頼むのはやめよう。
ここに来てレイヴンは気持ちを翻した。
ちゅっちゅっと口づけながら、アリシアの夜着を脱がせていく。
露わになる白い肌には赤い花が咲いている。レイヴンが毎夜残している痕である。
レイヴンはその痕を辿るように口づけながらアリシアの体を横たえた。
レイヴンにとっては教科書と同じ扱いの為、持っていることに罪悪感などは感じない。ただ、人に見られては恥ずかしいモノだという意識はあるので、いつもは執務室の本棚の奥にひっそりと置かれていた。
レイヴンは久しぶりにその艶本を読んでいた。
アリシアと試してみたい体位がある。
あの頃とは関係が変わった。アリシアも嫌がらないと思う。
いや、あの頃でもアリシアが嫌がることはなかっただろう。ただそれは王太子妃としてレイヴンの要望に従うだけで、アリシアの本心ではない。
だけど今は…アリシアも嫌々ではなく本心から受け入れてくれるだろう…と、思いたい。
トントンと扉を叩く音がして、レイヴンは飛び上がりそうになった。
慌てて艶本を元にあった場所へ戻す。
入室を許可すると、入って来たのはレオナルドだった。
今、一番会いたくない相手だ。
「殿下、従者まで外へ出して、何をしておられたのです?」
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レイヴンは艶本を読むことを知られない為に、いつも部屋の中で控えている従者まで外へ出していた。確かに通常では有り得ない状況である。
「別に…たまには1人になりたかっただけだ」
「1人に、ですか」
レオナルドがまったく信用してない顔で繰り返す。
その目が艶本を戻した辺りに向けられている気がしてならなかった。
湯浴みを終えて寝室へ入ったのはレイヴンの方が早かった。ベッドに座ってアリシアが来るのを待つ。
レイヴンは今日、いつもと違う体位を試してみたいと頼むつもりだ。アリシアの反応を思うと落ち着かない。
レイヴンはソワソワしながらアリシアが来るのを待っていた。
「レイヴン様」
しばらくするとアリシアが寝室へ入って来た。レイヴンを見て自然に微笑む。
夜の支度を終えたアリシアは艶やかで、昼間とは違う色気を放っている。
美しい。
心に浮かぶのはその一言だ。
「アリシア」
レイヴンが手を伸ばすとアリシアも素直にレイヴンのところへ来て腕の中に納まる。
愛しさが込み上げてきてぎゅっと抱き締めた。
「愛している、アリシア」
囁きながら額や頬にちゅっと口づけると、背中にまわされたアリシアの腕に力がこもった。
アリシアはあまり「愛している」と言ってくれない。
だけど以前はなかった自然な笑顔や、恥ずかしそうに逸らされる視線がアリシアの気持ちを伝えてくれる。
レイヴンはそれだけで十分幸せを感じられる。
それなのにそれ以上のことを求める必要があるだろうか?
余計なことを頼むのはやめよう。
ここに来てレイヴンは気持ちを翻した。
ちゅっちゅっと口づけながら、アリシアの夜着を脱がせていく。
露わになる白い肌には赤い花が咲いている。レイヴンが毎夜残している痕である。
レイヴンはその痕を辿るように口づけながらアリシアの体を横たえた。
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