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第2部 5章
11 気分転換②
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「まあ、歌劇に?」
「うん。たまには外出するのも良いんじゃないかってレオナルドがくれたんだ。確かに最近はどこにも出掛けてないし、ずっと王宮にいたら息が詰まるよね」
「そんなことはありませんわ。だけど嬉しいです。グランヴァリエは大好きですもの。楽しみですわ」
アリシアはレイヴンから差し出されたチケットを見て顔を綻ばせる。
去年初めて一緒に歌劇へ出掛けたけれど、あの日は楽しかった。
レイヴンはアリシアの好みを知ろうと歌劇の勉強をしているので、終わった後も深い話ができて面白い。
「良かった、それじゃあ外出用のドレスを作らないとね。明日デザイナーを呼ぼう」
「まあ」
新しく作らなくてもドレスは沢山ある。急な外出にも対応できるように、予め季節の初めに何着かドレスを作っているのだ。
それにこれまでの約3年間ほとんど外出をしていないので、作っただけで袖を通していないドレスも溜まっていた。
だけどアリシアはレイヴンの狙いがわかる気がして頷いた。
アリシアが個人的に作ったドレスはレイヴンの色が使われていない。
アリシアもレイヴンを取り巻く状況はわかっている。レイヴンと出掛ける時は、レイヴンの色のドレスを着て、レイヴンの気持ちを分かり易く示さなければならない。
「首飾りや髪飾りも一緒に選ぼうね。楽しみだなあ」
レイヴンはそんなことを感じさせないように、にこにこ笑っている。
アリシアはレイヴンの笑顔を見ている内に肩の力が抜けるのを感じてそっとレイヴンに凭れかかった。
レイヴンはずっと王宮にいると息が詰まるだろうと言ったけれど、アリシアはそんなことは感じていない。王宮での生活に満足している。
それに最近も楽しいことはあった。友達ができたのだ。
アリシアにはこれまで友達と呼べる存在がいなかった。
王太子妃に相応しいと認められる為には、公平性を保つために特定の人物と親しくしてはならない。そう思っていたから、学園でも級友と距離を置いて接していた。
それに学園にいる時は、ジェーンの秘密を守ることに必死だった。
あの頃のアリシアは、レオナルドとロバート、そしてジェーンしか信じることができなかった。
もし誰かと親しくなって傷痕を知られたらあっという間に知れ渡ってしまう。そう思っていたから、人と距離を置いて過ごす生活は都合が良かったのだ。
だけどメトワの王城でアリシアは気がついた。
不安なことがあってもジェーンがいなければ相談できる人がいない。
カナリーはきっと聞いてくれるだろうが、カナリーは王家の人間だ。側妃や世継ぎの話をするのは憚られる。
それに友人が欲しいと思うようになったのは、ノティスを見ているからかもしれない。
学園に通うようになったノティスは、友人ができたようだ。
ノティスは人を信じることを恐れている。
それでも心を開ける相手を見つけたのだ。
「私、最近気がついたのですが、友人がいないのです。学生の頃はジェーンを守るのに必死で、友人を作るなんて考えたこともありませんでした。ですがノティス殿下を見ていると、羨ましい気がして……」
そう言ったアリシアに、レイヴンがお茶会を開くことを提案してくれた。
「うん。たまには外出するのも良いんじゃないかってレオナルドがくれたんだ。確かに最近はどこにも出掛けてないし、ずっと王宮にいたら息が詰まるよね」
「そんなことはありませんわ。だけど嬉しいです。グランヴァリエは大好きですもの。楽しみですわ」
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去年初めて一緒に歌劇へ出掛けたけれど、あの日は楽しかった。
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「良かった、それじゃあ外出用のドレスを作らないとね。明日デザイナーを呼ぼう」
「まあ」
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だけどアリシアはレイヴンの狙いがわかる気がして頷いた。
アリシアが個人的に作ったドレスはレイヴンの色が使われていない。
アリシアもレイヴンを取り巻く状況はわかっている。レイヴンと出掛ける時は、レイヴンの色のドレスを着て、レイヴンの気持ちを分かり易く示さなければならない。
「首飾りや髪飾りも一緒に選ぼうね。楽しみだなあ」
レイヴンはそんなことを感じさせないように、にこにこ笑っている。
アリシアはレイヴンの笑顔を見ている内に肩の力が抜けるのを感じてそっとレイヴンに凭れかかった。
レイヴンはずっと王宮にいると息が詰まるだろうと言ったけれど、アリシアはそんなことは感じていない。王宮での生活に満足している。
それに最近も楽しいことはあった。友達ができたのだ。
アリシアにはこれまで友達と呼べる存在がいなかった。
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それに学園にいる時は、ジェーンの秘密を守ることに必死だった。
あの頃のアリシアは、レオナルドとロバート、そしてジェーンしか信じることができなかった。
もし誰かと親しくなって傷痕を知られたらあっという間に知れ渡ってしまう。そう思っていたから、人と距離を置いて過ごす生活は都合が良かったのだ。
だけどメトワの王城でアリシアは気がついた。
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それでも心を開ける相手を見つけたのだ。
「私、最近気がついたのですが、友人がいないのです。学生の頃はジェーンを守るのに必死で、友人を作るなんて考えたこともありませんでした。ですがノティス殿下を見ていると、羨ましい気がして……」
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