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第2部 6章
61 変わった関係
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散歩の後は昼寝の時間だ。
レイヴンと一旦別れたアリシアは、夜着に着替え髪をほどいて寝る支度を整える。
昨日、この時間に王都にいるはずのレイヴンが駆け込んできたのだ。あの時の驚きと嬉しさは忘れられない。
邸に戻ってから別れる前のレイヴンを思い出すとつい笑みが浮かんでしまう。
レイヴンはアリシアと離れたくないと、ドレッシングルームへ行くのを嫌がった。朝も同じようなことを言って湯浴みを嫌がっていたレイヴンに、侍女たちは困ったように顔を見合わせる。
特に公爵家の侍女たちは婚姻前の2人を知っているだけに、以前と全く違うレイヴンを受け入れかねているようだ。
ただ離れたくないと言ったレイヴンの気持ちがアリシアには理解できた。思い出話をしながら歩くのは本当に楽しかったのだ。
レイヴンに幼い頃のことをもっと知って欲しいと思ったし、アリシアの話を嬉しそうに相槌を打ちながら聞いてくれるレイヴンに、ずっとこのまま話していたいと感じられた。
要するにアリシアも離れたくなかったのだ。
「何か楽しいことがございましたか?」
「……何でもないわ」
髪の手入れを受けながら笑みを零すアリシアにマリアンが問い掛ける。
思い出し笑いを指摘されて恥ずかしくなったアリシアは、目を逸らして誤魔化す。
マリアンはレイヴンを良く思っていないので余計に知られない方が良いと思った。
だけどそんなことで誤魔化されてくれるマリアンではない。
「……噂には聞いていましたが、随分と変わられたようですね」
そう言われてアリシアは恥ずかしそうに目を伏せる。
マリアンとは長い時間を共に過ごしていたが、婚約時代はレイヴンに関心がなく、マルセルのことは隠していたので異性の話をすることはなかったのだ。
マリアンだけではなく、アリシアが恋愛について話したことがあるのは、レイヴンへの想いを認めるよう背中を押してくれたジェーンだけだった。
結局アリシアはマリアンの生温かい視線に見送られて寝室へと向かった。
「アリシア!」
アリシアが寝室へ入るとレイヴンが嬉しそうに近づいてくる。
レイヴンは夜着もレオナルドのものを借りたようだ。アリシアの為にあんなにドレスを買い込んだのだから、1つくらいレイヴンの着る物を発注していても良いと思うが、それをしないのがレオナルドである。
「レイヴン様、お疲れになったのではありませんか?」
アリシアはレイヴンの胸に頬を寄せ、背中へ腕をまわしながら問い掛ける。
剣術の時間を増やしたレイヴンは筋肉がついて体つきがしっかりしていたのに、胸も背中も薄くなってしまっている。途中でお茶の時間を挟んだとはいえ、片道2刻(約1時間)ずつ歩くのは大変だったのではないだろうか。
だけどレイヴンは首を振った。
「アリシアと話ながら歩く時間はあっという間だったよ。この時間がずっと続けば良いのに、と思ったくらいだ」
この時間がずっと続いたら……。
その言葉には様々な感情が籠っていた。
アリシアの思い出が多く詰まったこの邸にレイヴンが留まれるのはあと2日しかない。
レイヴンと一旦別れたアリシアは、夜着に着替え髪をほどいて寝る支度を整える。
昨日、この時間に王都にいるはずのレイヴンが駆け込んできたのだ。あの時の驚きと嬉しさは忘れられない。
邸に戻ってから別れる前のレイヴンを思い出すとつい笑みが浮かんでしまう。
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特に公爵家の侍女たちは婚姻前の2人を知っているだけに、以前と全く違うレイヴンを受け入れかねているようだ。
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レイヴンに幼い頃のことをもっと知って欲しいと思ったし、アリシアの話を嬉しそうに相槌を打ちながら聞いてくれるレイヴンに、ずっとこのまま話していたいと感じられた。
要するにアリシアも離れたくなかったのだ。
「何か楽しいことがございましたか?」
「……何でもないわ」
髪の手入れを受けながら笑みを零すアリシアにマリアンが問い掛ける。
思い出し笑いを指摘されて恥ずかしくなったアリシアは、目を逸らして誤魔化す。
マリアンはレイヴンを良く思っていないので余計に知られない方が良いと思った。
だけどそんなことで誤魔化されてくれるマリアンではない。
「……噂には聞いていましたが、随分と変わられたようですね」
そう言われてアリシアは恥ずかしそうに目を伏せる。
マリアンとは長い時間を共に過ごしていたが、婚約時代はレイヴンに関心がなく、マルセルのことは隠していたので異性の話をすることはなかったのだ。
マリアンだけではなく、アリシアが恋愛について話したことがあるのは、レイヴンへの想いを認めるよう背中を押してくれたジェーンだけだった。
結局アリシアはマリアンの生温かい視線に見送られて寝室へと向かった。
「アリシア!」
アリシアが寝室へ入るとレイヴンが嬉しそうに近づいてくる。
レイヴンは夜着もレオナルドのものを借りたようだ。アリシアの為にあんなにドレスを買い込んだのだから、1つくらいレイヴンの着る物を発注していても良いと思うが、それをしないのがレオナルドである。
「レイヴン様、お疲れになったのではありませんか?」
アリシアはレイヴンの胸に頬を寄せ、背中へ腕をまわしながら問い掛ける。
剣術の時間を増やしたレイヴンは筋肉がついて体つきがしっかりしていたのに、胸も背中も薄くなってしまっている。途中でお茶の時間を挟んだとはいえ、片道2刻(約1時間)ずつ歩くのは大変だったのではないだろうか。
だけどレイヴンは首を振った。
「アリシアと話ながら歩く時間はあっという間だったよ。この時間がずっと続けば良いのに、と思ったくらいだ」
この時間がずっと続いたら……。
その言葉には様々な感情が籠っていた。
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