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番外編2
これから。
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2度目の結婚式からまた季節が過ぎ、暑い盛りになっていた。
その間にクロウは1歳になっている。
クロウの誕生日は盛大に祝われた。
まだ幼いので舞踏会などは開かれないが、それでもレイヴンとアリシアの家族が集まりパーティーをしたのだ。この時は当然ジェーンもノティスと一緒に参加している。
ジェーンはアリシアの結婚式後、クロウの誕生日まで王都の邸に滞在していた。
ロバートが領主代行を務めた時に指南役としてアダムが派遣したルトビア公爵家の代官も、ジェーンの補佐官としてそのまま勤めている。領地の復興に力を入れているのは間違いないが、少しも離れられないわけではないのだ。
それにジェーンは王都ですることがあった。
ノティスとの婚姻は数か月後に迫っている。
王都のキャンベル侯爵邸で使われていた悪趣味な調度品はほとんど売ってしまった。
来客があった時の為に人目につく場所のものは少しずつ買い揃えているが、とても王子が住むような邸ではない。侯爵邸として恥ずかしくないように少しでも体裁を整えなければならなかった。
その為の資金はノティスの持参金の一部を前払いしてもらうことで賄われた。
ジェーンは初め固辞していたが、国王も譲らない。
元々ノティスの持参金は相場よりかなり多く設定されていた。
もしノティスが臣籍へ降りていたら、爵位と領地を与えなければならない。だけど婿入りすることで爵位と領地が浮いたことになり、持参金にはその分が加算されているのだ。
「持参金は結婚後の生活に困らないよう持たせるものだ。調度品は結婚後にノティスが使うものなのだから、おかしくないだろう」
国王にそう言われればジェーンは受け入れるしかない。
表向き爵位と領地の代わりと言われている持参金だが、実際には国王からサンドラとジェーンに対する慰謝料の意味合いが強いのだ。ノティスもそれを理解しているので不満を口にすることはない。
今はもうアリシアが知っていた侯爵邸とはすっかり違っているだろう。
だけどそれで良いのだ。辛かった生活はすべて過去になる。
クロウの誕生日が過ぎた頃からジェーンはキトラなど近くの領地と王都を行き来しながら生活しているようだ。
ノティスは引き続き領地運営を学んでいるので、ジェーンが王都にいる時は侯爵邸で一緒に執務をこなしたり結婚式の準備をしている。昨日ジェーンが王都へ戻って来たので、今日は朝から侯爵邸へ行っていたようだ。
「側妃に会ってからノティスが落ち込んでいたからホッとしたよ。ジェーン嬢に会って癒されてきたらしい」
隣に座ったレイヴンがアリシアを抱き寄せながらそう言った。
アリシアも最近元気のないノティスを見ていたのでそれを聞いてホッとする。
少し前にノティスは実母に会いに行っていた。
母の側妃は離宮で幽閉されているけれど、息子であるノティスだけは年に一度の面会を許されているのだ。
マルグリットに引き取られた後、教育を受けたノティスは面会を止めていた。だけど結婚の報告だけは自ら行うことにしたらしい。
結論から言うと、側妃は少しも変わっていなかった。
久しぶりの再会に喜んだのも束の間、ノティスが侯爵家に婿入りすると聞くや否や激怒して叫び出したという。
「私の子が最も王太子に相応しいのに、王籍を剥奪されるなんてっ!!」
「侯爵家なんて二流の家柄じゃないの!!」
「キャンベル侯爵家?!あんな醜聞だらけの家に婿入りさせようなんて嫌がらせだわ!!」
「そうよ、あの女がっ!あのいけ好かない王妃が私たちに嫌がらせをしているのよっ!!」
元々激情家である側妃は叫びながら食器や調度品を投げつけ暴れ出した。
母を落ち着かせようとしたノティスが、自ら侯爵家への婿入りを望んだことやジェーンと想い合っていることを告げても側妃の気持ちは治まらなかったらしい。終いには、「そんな女狐に誑かされるなんて!なんて愚かなっ!!」と叫びながら掴み掛ってきたという。
幸い傍に付いていた騎士が側妃を取り押さえたのでノティスが怪我をすることはなかったけれど、心はしっかり傷ついていた。
結局ノティスは数日滞在する予定のところを一泊もせずに戻って来た。
その後鬱々として過ごすノティスを何とか元気つけようと周りは努めていたけれど、ノティスの気持ちは晴れなかった。
だけどジェーンと会うことで元気づけられたのなら嬉しい。
ノティスももう実母を忘れて良いのだ。
「ノティスも早く子宝に恵まれると良いね」
レイヴンがアリシアの腹を撫でる。
腹はもう大きくなり、時々腹を蹴られることもあった。
だけどその痛みさえアリシアには幸せだ。
「私もそう思いますわ……」
アリシアはジェーンに想いを馳せる。
実の家族に恵まれなかった2人だから、これから支え合える家族を増やしていって欲しい。
その間にクロウは1歳になっている。
クロウの誕生日は盛大に祝われた。
まだ幼いので舞踏会などは開かれないが、それでもレイヴンとアリシアの家族が集まりパーティーをしたのだ。この時は当然ジェーンもノティスと一緒に参加している。
ジェーンはアリシアの結婚式後、クロウの誕生日まで王都の邸に滞在していた。
ロバートが領主代行を務めた時に指南役としてアダムが派遣したルトビア公爵家の代官も、ジェーンの補佐官としてそのまま勤めている。領地の復興に力を入れているのは間違いないが、少しも離れられないわけではないのだ。
それにジェーンは王都ですることがあった。
ノティスとの婚姻は数か月後に迫っている。
王都のキャンベル侯爵邸で使われていた悪趣味な調度品はほとんど売ってしまった。
来客があった時の為に人目につく場所のものは少しずつ買い揃えているが、とても王子が住むような邸ではない。侯爵邸として恥ずかしくないように少しでも体裁を整えなければならなかった。
その為の資金はノティスの持参金の一部を前払いしてもらうことで賄われた。
ジェーンは初め固辞していたが、国王も譲らない。
元々ノティスの持参金は相場よりかなり多く設定されていた。
もしノティスが臣籍へ降りていたら、爵位と領地を与えなければならない。だけど婿入りすることで爵位と領地が浮いたことになり、持参金にはその分が加算されているのだ。
「持参金は結婚後の生活に困らないよう持たせるものだ。調度品は結婚後にノティスが使うものなのだから、おかしくないだろう」
国王にそう言われればジェーンは受け入れるしかない。
表向き爵位と領地の代わりと言われている持参金だが、実際には国王からサンドラとジェーンに対する慰謝料の意味合いが強いのだ。ノティスもそれを理解しているので不満を口にすることはない。
今はもうアリシアが知っていた侯爵邸とはすっかり違っているだろう。
だけどそれで良いのだ。辛かった生活はすべて過去になる。
クロウの誕生日が過ぎた頃からジェーンはキトラなど近くの領地と王都を行き来しながら生活しているようだ。
ノティスは引き続き領地運営を学んでいるので、ジェーンが王都にいる時は侯爵邸で一緒に執務をこなしたり結婚式の準備をしている。昨日ジェーンが王都へ戻って来たので、今日は朝から侯爵邸へ行っていたようだ。
「側妃に会ってからノティスが落ち込んでいたからホッとしたよ。ジェーン嬢に会って癒されてきたらしい」
隣に座ったレイヴンがアリシアを抱き寄せながらそう言った。
アリシアも最近元気のないノティスを見ていたのでそれを聞いてホッとする。
少し前にノティスは実母に会いに行っていた。
母の側妃は離宮で幽閉されているけれど、息子であるノティスだけは年に一度の面会を許されているのだ。
マルグリットに引き取られた後、教育を受けたノティスは面会を止めていた。だけど結婚の報告だけは自ら行うことにしたらしい。
結論から言うと、側妃は少しも変わっていなかった。
久しぶりの再会に喜んだのも束の間、ノティスが侯爵家に婿入りすると聞くや否や激怒して叫び出したという。
「私の子が最も王太子に相応しいのに、王籍を剥奪されるなんてっ!!」
「侯爵家なんて二流の家柄じゃないの!!」
「キャンベル侯爵家?!あんな醜聞だらけの家に婿入りさせようなんて嫌がらせだわ!!」
「そうよ、あの女がっ!あのいけ好かない王妃が私たちに嫌がらせをしているのよっ!!」
元々激情家である側妃は叫びながら食器や調度品を投げつけ暴れ出した。
母を落ち着かせようとしたノティスが、自ら侯爵家への婿入りを望んだことやジェーンと想い合っていることを告げても側妃の気持ちは治まらなかったらしい。終いには、「そんな女狐に誑かされるなんて!なんて愚かなっ!!」と叫びながら掴み掛ってきたという。
幸い傍に付いていた騎士が側妃を取り押さえたのでノティスが怪我をすることはなかったけれど、心はしっかり傷ついていた。
結局ノティスは数日滞在する予定のところを一泊もせずに戻って来た。
その後鬱々として過ごすノティスを何とか元気つけようと周りは努めていたけれど、ノティスの気持ちは晴れなかった。
だけどジェーンと会うことで元気づけられたのなら嬉しい。
ノティスももう実母を忘れて良いのだ。
「ノティスも早く子宝に恵まれると良いね」
レイヴンがアリシアの腹を撫でる。
腹はもう大きくなり、時々腹を蹴られることもあった。
だけどその痛みさえアリシアには幸せだ。
「私もそう思いますわ……」
アリシアはジェーンに想いを馳せる。
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