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番外編2
今日の佳き日に 5
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アリシアとマルグリットが控室へ戻ると既に国王とレイヴンは戻ってきていた。
レイヴンがすぐに立ち上がり、アリシアのところへやってくる。
「大丈夫?」
レイヴンがアリシアを抱き寄せ、優しく頬を撫でる。
マーサにしっかり化粧を直してもらったのに、やはりレイヴンには泣いたことがバレているようだ。
だけどそれがうれし涙であることはレイヴンもわかっている。レイヴンがさり気なく気にしているのは、アリシアの大きくなったお腹だった。
「ええ。ご心配なさらなくても大丈夫ですわ」
アリシアはそっと腹に触れた。
2度目の妊娠は1度目の時が嘘のように順調だ。それでもレイヴンは不安が尽きないようで日に日に過保護が加速している。だけどアリシアもそれを嫌とは感じないので似た者夫婦なのだ。
「2人ともお座りなさいな」
見つめ合ったまま動かない2人をマルグリットが呆れた顔で呼んだ。
式の開始が近くなり、4人で礼拝堂へと移る。
貴族たちが頭を下げる中アリシアたちは用意された席に着いた。
王都にいる貴族は全員いるのではないかと思われるような大勢の招待客の中に、侯爵夫人となったカナリーやパトリシアがいる。カロリーナ、ジョアニー、イリーナなどの学園の友人もいる。
その中で、アリシアは知らない一団がいることに気がついた。5組か6組か、パートナーと出席しているのだろうが、男女ともに見覚えがない。
ただ女性が着ているドレスはどれもアナトリアの流行とは少し違っていた。彼らはジェーンがアルスタへ行っていた時に仲良くなった友人なのだろう。
「どうかしたの?」
レイヴンが小声で囁く。
アリシアは首を振った。
「なんでもありませんわ」
レイヴンと顔を合わせ、にこっと笑うと正面を向く。
幼い頃から友人が多いのはアリシアの方だった。
令息や令嬢の悪意からジェーンを守り、アリシアが一緒にいることでジェーンは孤立を免れていた。
だけどジェーンは一歩を踏み出し、新たな世界を切り開いた。
こうしてアリシアとは違った友好関係を築いていくのも2人が大人になったということだろう。
少し淋しいけれど、喜ばしいことだ。
そんな気持ちがレイヴンにも伝わったのだろう。
レイヴンは何も言わずにアリシアの手を握ってくれた。
教会の扉が開いてまずはノティスが入場する。
参列者の中に友人を見つけて顔を綻ばせ、国王やマルグリットへ軽く頭を下げていく。
ノティスが祭壇までたどり着くと再び扉が開いてアダムにエスコートされたジェーンがゆっくりと入って来た。
「………………っ!」
ヴァージンロードを歩くジェーンは控室で会った時より何倍も美しかった。
招待客の方へ目をやり、ノティスを見て、幸せそうに頬を染めているからかもしれない。
アリシアを目が合うとジェーンは嬉しそうに微笑んだ。
「………………っ!」
アリシアの頬を涙が伝う。
本来王太子妃になったアリシアはジェーンの結婚式に参列できないはずだった。
参列できることになったのは、新郎がノティスだからだ。王族の結婚式だから、王太子妃のアリシアも参列することができた。
見ることができないと諦めていたジェーンの花嫁姿を、それもこれ以上なく幸せそうな花嫁姿を見ることができた。こんなに嬉しいことはない。
「綺麗よ、ジェーン。とっても綺麗……」
アリシアは大きな拍手を贈りながら何度も呟いた。
決して感情を表に出さず、すべての人に平等に。
これまで遵守してきた教えを守れていないけれど、皆ジェーンを見ているのできっと気づかれないだろう。
☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★☆★
青春小説カテで公開している「夏の思い出」をライト文芸大賞にエントリーしています。
現代の女子高生のお話ですが、1,200字程度のショートショートで一瞬で終わります(笑)
チラッと読んでみていただけると嬉しいです!
よろしくお願いします<(_ _)>
レイヴンがすぐに立ち上がり、アリシアのところへやってくる。
「大丈夫?」
レイヴンがアリシアを抱き寄せ、優しく頬を撫でる。
マーサにしっかり化粧を直してもらったのに、やはりレイヴンには泣いたことがバレているようだ。
だけどそれがうれし涙であることはレイヴンもわかっている。レイヴンがさり気なく気にしているのは、アリシアの大きくなったお腹だった。
「ええ。ご心配なさらなくても大丈夫ですわ」
アリシアはそっと腹に触れた。
2度目の妊娠は1度目の時が嘘のように順調だ。それでもレイヴンは不安が尽きないようで日に日に過保護が加速している。だけどアリシアもそれを嫌とは感じないので似た者夫婦なのだ。
「2人ともお座りなさいな」
見つめ合ったまま動かない2人をマルグリットが呆れた顔で呼んだ。
式の開始が近くなり、4人で礼拝堂へと移る。
貴族たちが頭を下げる中アリシアたちは用意された席に着いた。
王都にいる貴族は全員いるのではないかと思われるような大勢の招待客の中に、侯爵夫人となったカナリーやパトリシアがいる。カロリーナ、ジョアニー、イリーナなどの学園の友人もいる。
その中で、アリシアは知らない一団がいることに気がついた。5組か6組か、パートナーと出席しているのだろうが、男女ともに見覚えがない。
ただ女性が着ているドレスはどれもアナトリアの流行とは少し違っていた。彼らはジェーンがアルスタへ行っていた時に仲良くなった友人なのだろう。
「どうかしたの?」
レイヴンが小声で囁く。
アリシアは首を振った。
「なんでもありませんわ」
レイヴンと顔を合わせ、にこっと笑うと正面を向く。
幼い頃から友人が多いのはアリシアの方だった。
令息や令嬢の悪意からジェーンを守り、アリシアが一緒にいることでジェーンは孤立を免れていた。
だけどジェーンは一歩を踏み出し、新たな世界を切り開いた。
こうしてアリシアとは違った友好関係を築いていくのも2人が大人になったということだろう。
少し淋しいけれど、喜ばしいことだ。
そんな気持ちがレイヴンにも伝わったのだろう。
レイヴンは何も言わずにアリシアの手を握ってくれた。
教会の扉が開いてまずはノティスが入場する。
参列者の中に友人を見つけて顔を綻ばせ、国王やマルグリットへ軽く頭を下げていく。
ノティスが祭壇までたどり着くと再び扉が開いてアダムにエスコートされたジェーンがゆっくりと入って来た。
「………………っ!」
ヴァージンロードを歩くジェーンは控室で会った時より何倍も美しかった。
招待客の方へ目をやり、ノティスを見て、幸せそうに頬を染めているからかもしれない。
アリシアを目が合うとジェーンは嬉しそうに微笑んだ。
「………………っ!」
アリシアの頬を涙が伝う。
本来王太子妃になったアリシアはジェーンの結婚式に参列できないはずだった。
参列できることになったのは、新郎がノティスだからだ。王族の結婚式だから、王太子妃のアリシアも参列することができた。
見ることができないと諦めていたジェーンの花嫁姿を、それもこれ以上なく幸せそうな花嫁姿を見ることができた。こんなに嬉しいことはない。
「綺麗よ、ジェーン。とっても綺麗……」
アリシアは大きな拍手を贈りながら何度も呟いた。
決して感情を表に出さず、すべての人に平等に。
これまで遵守してきた教えを守れていないけれど、皆ジェーンを見ているのできっと気づかれないだろう。
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よろしくお願いします<(_ _)>
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