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4巻
4-1
しおりを挟む第一章
多くの木々に囲まれた敷地は、まるで小さな森だった。
ここに足を踏み入れた瞬間から、外界の喧騒とは無縁となる。
ロータリーでは美しい噴水が水しぶきを上げていて、その水音に心が洗われるようだ。
建物の外観は、削り出した大理石をふんだんに使った、重厚で趣のある雰囲気。
壁には様々な彫刻が、重々しくも華やかな雰囲気を空間に滲ませている。
幅、高さ、厚さ、どれをとっても驚かずにはいられない木製の扉は、樹齢が千年とも二千年とも言われる霊樹から造られたのだとか。
その巨大な扉をくぐれば、一転して温かな雰囲気のする木の床と壁に囲まれたロビーが出迎えてくれる。
壁には大きな絵画や数多くのタペストリー。要所要所に飾られている、馬や鳥を模した彫刻の数々は、どれも裏に多くの逸話を秘めている品だそうだ。
ロビーのカウンターに待機しているのは、かっちりとした制服を着込んだコンシェルジュ。客の要望には決してノーと言うことがない彼らは、いつでも穏やかな笑みを浮かべている。
俺、アラン・ファー・レイナルが、グラントラム王国の首都ダオスタに来てからお世話になっている、このホテル。
名をディーホテルという。
貴族であるディー家の所有している、およそ四百年ほどの歴史をもつ老舗宿だそうだ。
五階建ての最上階は、時折王族や他国の賓客も泊まることのある、いわゆるスイートルームらしい。その下、二階から四階にかけて、各階に五から十室ほどの客室がある。
俺が仲間達と一緒に滞在しているのは、そんな中の一室だった。
ダオスタで商売を営むネッドの紹介で泊まることになったこのホテル。
王都に来てしばらくはネッドの家で世話になっていたが、長期滞在で色々と迷惑をかけてしまっては申し訳ないと思い、数日前にここに移ってきた。
まあ、ネッドは迷惑だなんて決して思っていないだろうけど。
先日開かれたダオスタ中心部での剣闘大会から、一週間が経っていた。
俺と、邪神に侵された戦士テスタムの三位決定戦で起きた騒動の影響で、予定されていた大会後のパーティーは一週間延期となってしまっていた。
ちなみに大会最終日、それまで必死に隠していた俺の正体はあっけなく観衆に知れ渡ることとなった。
原因は隣国ドゥルアーン帝国から来た剣士――カサシスだ。俺との試合の最中に、いきなり正体を暴露したのである。
だが、そのことに対する周囲の反響は意外なほど少なかった。
まあ、あのテスタムの騒動をはじめ、カサシスが大貴族サージカント家の人間だと判明したり、優勝をかっさらった謎の怪力少女グラがこつぜんと姿を消したりするなど、驚くようなことが続いたからな。
ちなみにグラの正体は、俺の仲間である妖精ターブの幻術で姿を変えた、ゴブリン少女のグイである。
話題が多すぎて、俺の素性がどうだなんてことは霞んでしまったのだろう。だから幸い、ばれる前とそれほど変わったことはない。
このホテルの従業員も、客の情報をみだりに明かしたりすることはなく、そう簡単に人を取り次いだりもしなかった。
ネッドの紹介ということもあるし、何より宿の信用問題に関わるので、まあ当然といえば当然の話だが……ありがたいことだ。
でもカサシスが言っていたとおり、あの時点で俺の正体をばらしていなければ、きっと大変だったのではないかと思う。
大会で上位入賞した時点で、パーティーへの出席は確定だった。パーティーには国内の貴族が大勢参加するはずだから、どうしたってそこでばれるだろう。あまり躍起になって隠し続けていれば、何かやましいことがあるのではないかと邪推されかねなかった。
窓から柔らかな風が入ってくる。しかしそれはカーテンを揺らすだけで、この真夏の暑い夜を涼しくしてはくれない。
ビンの中でゆらゆらと揺れる光の術具が、室内を明るく照らしていた。
「主、また来ているぞ」
「ありがとう、ルプス。って、うわ……またすごい量だな」
仕立てのよい使用人服に身を包んで盆を差し出してきたこの男性は、ルプス。
俺の実家があるレイナル領で出会った狼人で、体術に関してはかなりの実力を誇る、頼りになる人である。
この人は俺に命を救われた経緯があって、そのせいで俺を「主」と呼ぶ。
仰々しい感じがして正直やめてほしいのだが、彼には一度決めたらテコでも動かない頑固なところがあり、俺は根負けしてそう呼ばれるに任せている。
ちなみに先日まで、俺は彼や他の仲間達に敬語を使っていた。
しかし仲間の一人から「貴族なんだから、自分ら下の者に敬語なんか使うべきじゃない」と言われ、以来、敬語を使わないよう心がけている。
初めは慣れることができず、おかしな話し方になってしまったものの、今ではようやく普通に喋れるようになってきた。
で、ルプスが盆の上に持ってきたのは――手紙である。
その数、およそ二十通ほど。
いずれも聞いたことのない家名の貴族からのものだ。
お茶会、夜会、狩猟、変わったところでは、別荘へのお招きなど。
別荘とか……いきなりそんなとこに呼んで、一体俺をどうしようというのだろうか。
「たぶん、自分の娘をあてがおうとか、そんな感じやろ。行ったら最後、屋敷に二人っきりにさせられて、一夜を過ごすことになるで? 手を出そうと出すまいと、一晩同じ屋根の下で過ごしたっていう既成事実ができてしまえば、婚約を断るのは難しくなるかもしれんなあ」
ルプスが部屋を出ていったあと、そんな忠告を始めるカサシス。
「……何それこわい」
「そんなん、適当に返事しとけば大丈夫やろ。なんなら俺が断りの手紙を書いてやろか? それ、何気に俺の名前も書かれとるし」
手紙の中には、「ぜひカサシス様とご一緒に」と書かれているものもあった。
誰がどこで聞きつけたか知らないが、俺とカサシスの仲がよいことはもう貴族達の間でも噂になっているようだ。
まあ……口の軽いカサシスが、周囲に公言しているせいでもあると思うけど。
「大丈夫、ありがとう。……でも、返答の例文を教えてもらえると助かる」
「お安い御用や」
俺はカサシスから教えてもらった例文をメモ用紙に書き留めた。
それからペンを置いて、備え付けの机の中に手紙をしまってからカサシスに向き直る。
大きなソファに身を沈めてこちらを見ていたカサシスは、対面に俺が座るのを待ってから口を開いた。
「で、あの日、何があったんや?」
「うん、実は……」
俺は「あの日」のこと……大会最終日の前日に、幼なじみのフランチェスカ・カッティーニ――フラン姉ちゃんと再会した時の経緯を、かいつまんでカサシスに話した。
手紙で呼び出され、フラン姉ちゃんが団長を務める藍華騎士団の屋敷で彼女と七年ぶりに再会したこと。でも直接言葉を交わすことはできず、騎士団の副団長であるグレタ嬢から一方的に罵倒されたこと。
思い出すだけで不快な気分になるが……できるだけ感情を挟まず、淡々と事実のみをカサシスに説明した。
「――とまあ、こんな感じだったんだ」
「何やそれ! 呼び出されたから行ったのに、罵倒されたうえに、すぐに帰らされたぁ!?」
話を聞いて、自分のことのごとく怒りだすカサシス。それを見て逆に冷静になっていく自分がいた。
腹が立ったのは確かだし、悲しかったのも間違いない。だけど、それは一時の感情だ。
それらを抜きにして、あの日のことを思い返してみる。
フラン姉ちゃんとグレタ嬢。おかしなところはなかったか。言葉、表情、建物、使用人と部屋の中の様子……。
「もう、そんな女のことなんて忘れたらええやんけ」
「だけど、あれがフラン姉ちゃんの本心だとは思えないんだ。子供の頃は、もっと――」
そう、フラン姉ちゃんだ。幼い頃の彼女を思い出すが、あんな人ではなかったはず。
七年ぶりの再会だというのに、俺に対して一言も言葉を発しなかった。あの態度は、どうしたっておかしい。俺はカサシスに、幼い頃のことも語った。
勝気な性格ながら、繊細で、優しい心を持っていたフラン姉ちゃん。
レイナル領に引っ越してから、彼女とは手紙でやりとりしていたこと。
しかしいつの頃からか、あちらからの手紙が途絶えたこと。
それはフラン姉ちゃんも同じで、俺からの手紙が届いていなかったらしいということ。
「なるほどな。子供の頃の姉ちゃんと、全然違ってたってことか」
「ああ。あれが本当にフラン姉ちゃんだったのか、正直自信がなくなってきたよ」
「お互いの手紙が全然届いてなかったいうんも、不可解やな。いくら何でも、そうそう郵便事故が起こるわけあらへんし、ましてや貴族の手紙やで? 配達はよりいっそう厳重に行われるやろ。勝手に捨てたりしたら重罪やしな」
「うん……でも、それでも手紙はフラン姉ちゃんのもとへ届いてなかったらしい。返事も来なかった。だから、いつしか諦めてしまったんだ……」
「そりゃそうやろ。返事がない相手に手紙送り続けるなんて、苦行の域やで。……けど、アラン、なんかキナくさいと思わへんか?」
「ああ……考えたくないけど、誰かが故意にやっていたとしか思えない」
「でも、犯人がいるとして、そいつの狙いは何やろうな? その姉ちゃんの家……カッティーニ家ってのと、アランのとこのレイナル家の仲を引き裂こうとか、そないなことか?」
「うーん、どうだろうな。俺の家とカッティーニ家のつながりを断って、何の得があるんだ? 正直、誰かに狙われるような関わりなんてないしね。カッティーニ侯爵と父は、まあ仲はいいみたいだけど、ダオスタ近衛騎士団の上司と部下ってだけだから」
「仲はいい……? 友達ってことかいな? つまり、俺とアランみたいな感じなわけやね」
そう言って、カサシスはとっくに冷えたお茶を口に運ぶ。
俺もそれに倣ってカップを手に取った。
生ぬるいお茶が、喉を潤していく。
一息ついたあと、カサシスは自らの考えを語った。
「となると、個人的な恨みか? アランとその姉ちゃんの仲を裂こうとしてるっていう……。そう考えると、そのグレタとかいう女が一番怪しいやん」
「……グレタ嬢? どうだろうな、彼女とはこの間初めて会ったんだ。恨まれるような覚えはないよ」
カサシスが長いため息をつく。
「……そうやな。理由が薄いわなー」
「うん。それにおそらくだけど……互いの手紙が届かなかったのが偶然じゃないとしたら、カッティーニ家内部の誰かの仕業なんじゃないかな。たとえば使用人とかさ」
「そうかもしれへんな。よくよく考えたら、手紙ってのは外部の人間がどうこうできるもんちゃうわ。一度二度ならまだしも、何回もってのはな。もしくは単に向こうが嘘ついてるかやけど……」
カサシスの言葉に、俺は無言で首を振る。
「ああ、それはないってか。そうやんなあ。仮にそのグレタ嬢が犯人だとして、手紙のやりとりが始まったんは子供の頃の話やもんな? その子だって同じように小さかったはずや。そんな子供が、他の家に諜報なんかを送り込んで手紙の妨害するなんて、現実的やないやんなあ」
カサシスの言うとおりだ。
「まあとにかく……そのフラン姉ちゃんに関しては、邪魔が入らんとこで、二人だけで会って話してみるしかないやろ」
「……それは」
簡単に言ってくれるが、でも、どうやって?
俺から接触しようとしても、おそらくあのグレタ嬢が全力で阻止するだろう。手紙妨害の犯人は置いておいても、あの女性の俺に対する憎しみは度を越えていたからな。
どんな手を使ってでも、俺とフラン姉ちゃんが接するのを邪魔してくるはずだ。
俺が黙っていると、カサシスが言った。
「……わかった。俺が何とかしちゃる」
「え?」
「今度のパーティーや。そこにその姉ちゃんが来たら、うまいこと二人の時間作れるようにしたるわ」
「パーティーって……剣闘大会の慰労パーティーのことか?」
「そうや。ただ、その姉ちゃんが来るかまでは約束できひんけどなあ」
「それは大丈夫。参加するはずだよ。……俺の父が言っていたことだから、ちょっと心配ではあるけど」
俺の父ヤン・ファー・レイナルは「赤火のヤン」と呼ばれてこの国じゃ英雄視されているのだが、性格は大雑把で、かなり抜けたところがある。
「そっか。そこは重要やから、要確認やな」
カサシスがそう言いながら、再びカップに口をつける。
彼が飲み終えるのを待って、俺は言った。
「カサシス」
「ん? なんや?」
俺のためにあれこれ考えてくれる、彼の気持ちが嬉しかった。
だから、伝えるべきだと思った。
「ありがとう」
そんな、感謝の気持ちを。
「い、いきなり何を言うとんのや」
カサシスは慌てた様子で顔を背ける。
耳まで真っ赤な彼。どうやら照れているらしい。
それをごまかすように、カサシスは空になったカップをまた口に運ぶのだが……当然中身はない。
ひどくばつの悪そうな顔をして、彼は再びカップを置くのだった。
「お茶、新しいのを淹れてくるよ」
「お、おう! 熱いのを頼むで」
「わかってるよ」
俺は苦笑して席を立つ。カサシスにあてられて、気恥ずかしさを感じていた。
できるだけゆっくりと新しいお茶を用意して席に戻る。ソファに掛けたままのカサシスも、顔を見るかぎり、いくらか落ち着いたようだ。
「ところで、や。アラン」
新しい茶を一口飲んだあと、カサシスはおもむろに切り出した。
「ん?」
「なあ、明日から、『冒険者』やろうや」
「……うん?」
†
というわけで……やって来ました、冒険者組合。
「おお! ここがそうなんか!」
「ちょっと、落ち着けって」
王都の南。商業地区の大通りにそれはあった。
三階建ての、歴史を感じさせる建物だ。
建物に掲げられた大きな木の看板には、「冒険者組合グラントラム支部」という文字、そしてドラゴンと剣を模した絵が彫られている。
入り口の扉を開け、まず目に入ってきたのは、ロビー中央の柱に飾られた、大きな獣の骨だった。
魔獣のものだろうか。俺の相棒である白狼のラスよりは小さそうだが、それでも一般的な動物よりは遥かに巨大である。
天上から吊り下げられている看板によると、正面が受付所、向かって右手に食堂、左手に売店があるみたいだ。
ロビーには武装した冒険者が数人いて、たった今入ってきた俺達五人――俺、カサシス、ルプス、グイ、それからターブに視線を送っている。
もちろん、グイとターブは本当の姿ではない。ターブの幻術により、見た目は完全に人間の子供である。ここダオスタでは人間以外の種族に対する偏見と差別が激しいため、一見して人間ではないとわかる二人は、外出時には幻術で姿を変える必要があるのだ。
「いやあ、こう、なんや、粗野な感じがたまらんわ! そやろ、アラン!」
「なあなあ、あれ何だ? 何の骨だ? なあ、アラン!」
「すごいね、わくわくするよ、アラン」
大はしゃぎのカサシス、グイ、ターブ。三人とも、落ち着け……。
「はいはい、そうだね。ほら、行くよ」
きょろきょろと周りを見渡すカサシスの背中を押し、初めての場所に興奮しているグイとターブの腕を取って、無理やり正面奥の受付所に向かう。
……なぜに俺が、こんな保護者みたいなことをしなきゃならないんだ? そもそもここに来たいと言い出したのはカサシスなのに。落ち着いているのはルプスだけだ。
「おい、あれ……」
「……ああ……」
「……お前、ちょっと行ってこいよ……」
俺達を見ながらひそひそと会話する周りの反応を見るに、こちらの正体はとっくにばれているようだ。
はあ……。
剣闘大会で正体を知られたといっても、街の人全員にばれたわけでもないだろうから、なるべく目立たないようにって思っていたのに。
カサシス達が騒ぐから……!
「……えーと、冒険者の登録を、したいのですが」
受付係のお姉さんに俺が言うと、またこの二人が大きな声を上げる。
「おう、姉ちゃん、頼むわ!」
「グイも、お願いするぞ!」
「は、はいぃ!」
お姉さんも当然俺とカサシスの正体などわかりきっているらしく、恐縮しまくりである。
そうだよな……自国の英雄の息子と、隣国最高峰の大貴族のボンボンが揃ってやって来たのだから。
「こ、こここ、こちらに、ひ、必要、事項のご記入を、おおおお願い……お願いしますぅ」
「おう! わかったで!」
ぷるぷる震える手で申込用紙を差し出す受付係さんが、哀れでならない。
「すいません。あの、あまり俺達のことは気にしないでください」
俺のそのフォローに、お姉さんは目を丸くする。
「え!? その、だだ、だ、だだだ、大丈夫です!」
顔を真っ赤にするお姉さん。さっきよりもさらに慌てている。フォローは逆効果だったか。
申込用紙に全員分記入し、受付に持っていく。ちなみにグイとルプス、それにターブは文字が書けないので、俺が代筆した。
受付のお姉さんも少しは落ち着いたようで、俺から用紙を受け取る時の手はもう震えていなかった。
「えーと、それでは、組合の規定などを説明させていただきま――」
そう言いかけたお姉さんを、カサシスが手で制する。
「んー、説明はええわ! それよりも依頼や、依頼! 何かないんか!? こう、ドドーンと敵が出てくるようなんは」
「……え、えと!?」
彼の勢いに圧される受付のお姉さん。
「カサシス、お前、いい加減にしろって。……本当にすみません。とりあえず説明は大丈夫ですので、ダオスタ周辺でよさそうな依頼とかありませんか?」
「あ、は、はい! 少しお待ちください!」
お姉さんは何度も頷き、カウンターの下から分厚い書類の束を取り出した。
お姉さんが書類をめくるのを眺めていると、ふいに、食欲をそそるいい香りが漂ってきた。
右手の食堂からだろう。
グイとターブがそちらを見つめている。おいしそうな匂いが気になってしょうがないらしい。
この場所からでも食堂の内部が少し見える。まだお昼前のためか、あまり客はいないようだ。
これが夜ともなれば、仕事を終えて腹をすかせた冒険者でいっぱいになるに違いない。
そこまで考えて、俺は受付の女性に視線を戻した。
そして必死な様子で書類の束をめくる彼女の右隣に、大きな掲示板があることに初めて気づいた。
掲示板には、ところ狭しとメモのような紙きれ――冒険の依頼書が貼られている。
あれ、もしかして……普通はこの掲示板から、冒険者が自分で依頼を探すのか?
そう思ったのと、お姉さんが声を発したのはほぼ同時だった。
「お、お待たせしました!」
彼女が差し出したのは、一枚の依頼書。
大仕事をやりきったというような、誇らしげな表情をしている。
だけど俺は思った。
……ごめん。本当は俺達が自分で探すべきだったのに!
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